安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

バディ・デフランコ「JAZZ TONES」、中野京子著「美貌のひと2」(PHP新書)

2022-02-17 19:30:00 | その他木管楽器

中野京子著「美貌のひと2」(PHP新書, 2021年8月発行)を書店で見つけたので購入しました。「美貌のひと」の続編ですが、今回も「美貌のひと」が描かれている絵画を24作取り上げています。中では「ヴィジェ=ルブラン自画像」や「サラ・ジェニングス」が美しく上品で気に入りました。品が感じられるアルバム。

BUDDY DeFRANCO (バディ・デフランコ)
JAZZ TONES (Verve 1953年4月, 1954年4月録音)

   

バディ・デフランコ(cl, 1923~2014年)は、1940年代から活動し、2000年代も録音を行うなど、長きに渡って活躍を続けました。バップのスタイルも取り入れて演奏しましたが、優雅で気品が感じられるのは、本人の資質とともに、クラリネットという楽器のせいもあるかもしれません。

2つのセッションを収録してあり、曲目1と2の1953年録音のメンバーは、バディ・デフランコ(cl)、ケニー・ドリュー(p)、ミルト・ヒントン(b)、アート・ブレイキー(ds)。曲目3以降の1954年録音のメンバーは、バディ・デフランコ(cl)、ソニー・クラーク(p)、ジーン・ライト(b)、ボビー・ホワイト(ds)。ケニー・ドリューとソニー・クラークという二人のピアニストを聴けます。

曲目は次のとおり。

1  When Your Lover Has Gone (Einar Aaron Swan)
2  The Things We Did Last Summer (Jule Styne) 【過ぎし夏の想い出】
3  Jack The Field Stalker (Oscar Pettiford)
4  If I Should Lose You (Ralph Rainger)
5  Lover Man (Roger Ram Ramirez)
6  Tenderly (Walter Gross)
7  Deep Purple (Peter De Rose)
8  Yesterdays (Jerome Kern)
3のオスカー・ペティフォード作「Jack The Field Stalker」以外は、よく知られたスタンダード曲です。「The Things We Did Last Summer」と「If I Should Lose You」が入っているのが嬉しい。

1950年代半ばにバディ・デフランコ(cl)は、ヴァーヴレーベルに多くの録音を残しています。サイドメンにソニー・クラーク(p)ら人気ミュージシャンがいて、そういう点で関心を惹きますが、デフランコ本人の演奏も引き締まって、しかも寛げるものです。「If I Should Lose You」や「Tenderly」あたりが気に入っていますが、ペティフォード作「Jack The Field Stalker」を取り上げ、バップ的なスタイルも垣間見られ、新しいものへの意欲も感じられます。

【中野京子著「美貌のひと2」(PHP新書)】

   

表紙。掲載されている絵は、フランク・カドガン・クーパー《虚栄》(1907年)。

(著者の紹介)

   

(目次の一部)

(気になった作品)

   

チョコレート会社の「ゴディバ(GODIVA)」は、レディ・ゴダイヴァ(十一世紀イングランドに実在したと言われる人物。勇敢な滅私行為を行った。)から名前をとっているそうです。

 

   

ピアニスト、作曲家として活躍したクララ・シューマン。1990年代に100ドイツマルク紙幣に使われた絵だそうです。

    

ヴィジェ=ルブランは、マリー・アントワネットのお気に入りの画家として有名。イタリアで描いた自画像。35歳の時のものだそうですが、とてもそうは見えません。

   

デュマ・フィスの小説「椿をもつ夫人(椿姫)」のモデルとなったマレー・デュプレシを描いた絵。小説はデュマの手で舞台化され、それを観たヴェルディがオペラ「ラ・トラヴィア―タ(椿姫)」を作ることになります。

 

「サラ・ジェニングス」については全く知りませんでしたが、84歳まで長生きし、現代につながるマールバラ公爵家、スペンサー伯爵家、チャーチル男爵家の祖先となったそうです。ダイアナ妃の祖先です。