安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

クレア・フィッシャー FIRST TIME OUT

2008-05-29 22:07:43 | ピアノ

本日は嘱託社員の採用面接をしました。年度途中ですが、一人のところへ何人もの応募があり、その中から最もよさそうな人を選ぶことができました。ある会社を定年でやめて、1年間は自分の好きな旅行やカメラをいじくって過ごしていたという方で、若々しく行動的に見えました。恵まれた方に違いはないのですが、どこかで会社人間は充電期間をとりたいものですね。ちょっと一休みというか、作戦タイムといったタイトルのアルバムです。

CLARE FISCHER (クレア・フィッシャー)
FIRST TIME OUT (PACIFIC JAZZ 1962年録音)

 First_time_out_clare_fischer

やや顔が怖く見えるかもしれませんが、文字のデザインがよくて印象に残るジャケットです。ビル・エヴァンス派といわれるクレア・フィッシャーの初リーダー作です。彼の場合、実はエヴァンス度はそんなに高くないと感じでいます。両手を生かした知的な演奏は同趣向ですが、過度に叙情的にならずあっさりとしています。

メンバーは、フィッシャー(ピアノ)、ゲイリー・ピーコック(ベース)、ジーン・ストーン(ドラムス)というもので、ピーコックも長いソロをとっています。ピーコックはビル・エヴァンスとも共演をしているので、余計に第2のビル・エヴァンス・トリオという目でみられるかもしれません。

曲目は、フィッシャーらメンバーのオリジナルが6曲で「Afteract」、「Free Too Long」、「Piece for Scotty」、「Bluse for Home」など、エド・ショネシーの作曲した「Nigerian Walk」、そしてコール・ポーターの「I Love You」です。なんといっても、傑作トラックは「Nijerian Walk」で、初めてこのアルバムを聴いた時以来忘れられない演奏です。テーマもいいですが、フィッシャーの奏でるハーモニー、ピーコックのソロなどどこをとっても聴きどころがあります。

久しぶりに西海岸のピアノ・トリオものを聴きました。パウエル派とかエヴァンス派などという類型分けがありますが、両者は延長上にあるわけで、最近では類型分けはどうかなとふと考えてしまうことがあります。

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スー・チャイルズ INTRODUCING

2008-05-25 21:51:57 | ヴォーカル(S~Z他)

昨日から雨が降っていましたが、明け方上がって、昼ごろには蒸し暑くなりました。そこで、部屋の窓を開け放しておいたところ、すぐ近くの児童遊園から元気よく遊ぶ子供たちの声が響いてきました。少子高齢化の長野なので、このように子供が跳びまわってくれるのは嬉しいことです。少々うるさいのも我慢できます。名前に子供が入っている「Sue Childs」のアルバムにしてみました。あまり意味ないんですけど。

SUE CHILDS (スー・チャイルズ)
INTRODUCING (STUDIO 4 1963年ごろ録音)

  Introducing

スー・チャイルズのアルバムは、どうやらこの1枚だけらしく、彼女に関する情報にしてもジャケット裏面のライナー・ノートしかありません。この作品は、レーベルが珍しく、テナー・サックスのJ.R.モンテローズが2曲に参加していることで知られています。

彼女の経歴もよくわかりませんが、ミシガン州のフリント(Flint)生まれで、フリントとデトロイト(Detroit)エリアで、地元のミュージシャンの伴奏を得て歌っていたようです。Mr.C's Supper Clubでソトス兄弟(アルバムのプロデューサーはジム・ソトス)と共演したことからこのアルバムが制作されました。

伴奏は大型コンボで、トランペット、トロンボーン、サックス(bs、fl持ちかえ)、ギター、ベース、ドラムスです。「All or Nothing at All」と「You'd Be So Nice To Come Home To」にはモンテローズが加わっています。曲によりテナー・サックス、ギター、フルート、トロンボーンなどのソロも入り、ジャズよりの作品です。また、彼女の歌い方も迫力があり、声も太くどっしりとしています。ケイ・スターやティミ・ユーロの名前が頭の中をちょっとよぎりました。

曲目は、上記2曲に加え、「Out of Nowhere」、「You'll Never Know」、「Summertime」、「You Make me Feel So Young」、「Lonesome Road」、「The Girl From Epanima」など全10曲です。編曲が面白いです。「You'll Never Know」の熱唱をはじめデビュー・アルバムだとは思えない安定した歌いぶりで、はつらつとしています。

ここで客演をしているJ.R.モンテローズをホームページでとりあげました。時間があればご覧ください。モダン・ジャズやヴォーカルを聴こう J.R.モンテローズ

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ジョン・コルトレーン CRESCENT

2008-05-21 23:45:32 | テナー・サックス

出張で、塩尻市(長野県。ぶどうの産地でワインの醸造場があります。)に行ってきました。昼食になったので、同僚と小さな喫茶店に入りました。入ったところ、近所のおばさん4人が話しているテーブルの近くに置かれたスピーカーからは、小音量ながら紛れもなくジョン・コルトレーンの「ジャイアント・ステップス」が流れていました。そのあともAtlanticのコルトレーンもので、ちょっとびっくりでした。他のお客さんは全く気にしていないので、BGMとしてずっと使われているのかもしれません。

JOHN COLTRENE (ジョン・コルトレーン)
CRESCENT (Impulse 1964年録音)

 Crescent_2

あまり手にとることがない日頃の無沙汰をお詫びして、今夜はコルトレーンのアルバムです。とはいっても、夜も更けているので、やや静かめのものにしてみました。1964年録音の「クレッセント」ですが、この年は「至上の愛」も吹きこんでいて、コルトレーン(ts)、マッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)というカルテットの成熟した姿をみることができます。

バラード・タイプの曲が多くて、そういう意味では異色ですが、アドリブ部分などは複雑なフレーズを吹いていてややハードです。でも、決してフリーとかそういうものではなくて、ちょとメタリックでブルーな音色で美しい旋律も味わえます。収録された5曲は全てコルトレーンの作曲になるもので、「Crescent」、「Wise One」、「Bessie's Blues」、「Lonnie's Lament」、「The Drum Thing」です。

コルトレーンの作曲能力はもっと評価されてもいいのではないかと昔から漠然とそんな気がしていました。いい曲を書いていますが、ただ、彼の演奏と結び付いてこそ曲の真価が発揮されることも間違いないので、他の人が演奏をして、コルトレーンのアルバムのそれを乗り越えるのは難しいとは思います。

ここでも、「Wise One」とか「Crescent」など静謐ななかに力強さを秘めたいい曲が入っています。演奏に瞑想的な感じがするのも特徴です。他の曲では、ジミー・ギャリソン、エルヴィン・ジョーンズもソロをとっていますが、ロングソロの割に目立ちません。アルバム全体にわたり、コルトレーンの存在感が圧倒的です。

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ジョージ・シアリング COOL CANARIES

2008-05-18 22:22:07 | ピアノ

先週の木、金と深夜に徘徊して焼鳥屋からスナック、クラブまでいっていました。仕事の延長なのですが、不覚にもあるスナックでは寝込んでしまいました。お酒飲むと肩が凝る方で、それがひどかったので、今日の午後、スーパー銭湯にいきサウナで汗を流し、仕上げはマッサージをしてもらいました。たまには体のお手入れです。お風呂と気候のせいで体も熱くなりました。音楽の方は、クールサウンドが聴けるアルバムです。

GEORGE SHEARING (ジョージ・シアリング)
COOL CANARIES (MGM 1951年~54年録音)

 Coolcanariesshearing

一応、シアリングの名義になっていますが、クール・キャナリーズというタイトルにあるように、3人の歌手のオムニバスです。シアリング・クインテットの伴奏で、ビリー・エクスタイン、テディ・キング、レイ・チャールズ・シンガースが歌っています。

注目されるのはテディ・キングで、キャリアの初期の1952年7月から53年3月までシアリングの専属歌手を勤めており、その間に録音された6曲がここに収録されています。「The Love Nest」、「I Wished on The Moon」、「Love Your Spell is Everywhere」、「Moonlight in Vermont」、「Midnight Belongs to You」、「It's Easy to Remember」です。

セピア・シナトラことビリー・エクスタインは2曲、「Taking a Chnace on Love」と「You're Driving Me Crazy」をセクシーに歌っています。レイ・チャールズ・シンガーズは4曲、「Lullubay of Birdland」、「Nothing New under The Sun」、「Slowly But Surely」、「Adieu」が収録されていて、シアリングサウンドに似合います。

曲により、ピアノやヴァイブのソロが聴けて、そこはかとない清涼感が漂います。歌も清潔感のある「Moonlight in Vermont」やテンポを早くとった「It's Easy to Remember」などテディ・キングのものをはじめいいです。夜も更けてしだいに涼しくなってきました。

ジョージ・シアリングはモダン・ジャズ・ファンにあまり人気がないかもしれません。私は好きな方です。時間があればこちらもどうぞモダン・ジャズやヴォーカルを聴こう ジョージ・シアリング

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ジャネット・ブレア FLAME OUT

2008-05-15 23:17:51 | ヴォーカル(E~K)

このごろ、日によっては寒いですね。先週の日曜は、安曇野市の実家で田植えをしました。とはいっても、大型田植機で植えてもらっているので、機械が小回りできず植えることのできない田の四隅を手で植えたり、苗が入っていた箱を洗う作業です。用水を流れる水がたいへん冷たく、雨も降っていて寒い日だったので両手はもちろん体も冷え込みました。夜、長野へ戻ってきて聴いたのは炎が写っているジャケットのアルバムです。

JANET BLAIR (ジャネット・ブレア)
FLAME OUT! (DICO 1959年録音)

 Flameout

ジャネット・ブレア(1921年生まれ)は、18歳の時にハル・ケンプ楽団の歌手になっています。1940年にケンプ楽団が解散したので、方向を変えてコロンビアと契約、映画に出るようになります。DVDで入手しやすいものでは、リタ・ヘイワース主演の「今宵よ永遠に」とか「ドーシー兄弟物語」があります。

50年代はミュージカルに進出、「南太平洋」(全米公演)には1200回も出ています。70年代はテレビにも出演、「ザ・スミス・ファミリー」ではヘンリー・フォンダの妻役を演じています。歌手としてよりも女優(映画・舞台)の方が本業というイメージですが、もともと歌手だっただけにこのアルバムが残されてよかったです。

収録曲は、トーチのジャケットからも連想できるように、恋の歌が12曲です。「Get Out of Town」、「Autumn Leaves」、「Glad to Be Unhappy」、「Good Morning Heartache」、「The Gentlman is a Dope」、「Don't Explain」、「I Get Along Without You Very Well」、「In Love In Vain」などです。編曲と指揮は、ハル・ケンプ楽団のピアニストで彼女の最初の夫だったルー・ブッシュ(Lou Busch)が担当、曲によりストリングスを使うなど熱の入った仕事ぶりです。

彼女の歌は、ミュージカル歌手を連想させるメリハリをつけた面がうかがえます。しかし、抑えるところは抑えていますし、声も響きがよくて嫌味がありません。僕の気に入っているのは、「Glad to Be Unhappy」、「They Can't Take That Away from Me」、「I Get Along Without You Very Well」、「In Love in Vain」あたりです。

深夜のお酒のお供にもよいので、入手してよかったアルバムです。

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