安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

イーデン・アトウッド THIS IS ALWAYS THE BALLAD SESSION

2013-10-30 20:51:35 | ヴォーカル(E~K)

27日(日)は、仕事で朝から出かけて、帰宅したのが午後3時でした。中途半端な時間だったので、遠くに出かけずに、すぐ近くの映画館「飯田トキワ劇場」で、「謎解きはディナーのあとで」を見てきました。肩の凝らないミステリーでしたが、桜庭ななみが歌手役で出演をしていて、「What's New?」、「Love」、「The End of The Wolrd」というバラードを歌っていました。実際は吹き替えですが、思わぬところで、スタンダードが楽しめました。映画の後は、イーデン・アトウッドのバラード集で。

EDEN ATWOOD (イーデン・アトウッド)
THIS IS ALWAYS THE BALLAD SESSION (Groove Note 2004年録音)

  Thisisalwaystheballadsession

こういったスタンダード曲が映画の中で使われているのを見るのは、ヴォーカルファンの一人として嬉しく、「What's New?」のメロディが流れた途端、身を乗り出しました。誰が歌ってくれていてもいいのですが、女優としての経歴もあるイーデン・アトウッドのような歌手ならば、そんな場面にはぴったりですが、これはないものねだりですね。

メンバーは、イーデン・アトウッド(vo)、ビル・カンリフ(p、編曲)、トム・ハレル(tp, flh)、Darek Oleszkiewia(b)、Larance Marable(ds)。ビル・カンリフの行き届いた繊細なピアノや、トム・ハレルの刺激的でない柔かな音が、バラードに適しています。また、このレーベルの録音は優秀だという評価を得ていますが、ここでも彼女の声や息遣いをよくとらえています。

曲はスタンダードです。「Without A Song」(歌なしで)、「This is Always」、「Day By Day」、「Blame It On My Youth」、「Deep Purple」、「You're Nearer」、「Serenata」、「You Leave Me Breathless」、「Come Rain or Come Shine」(降っても晴れても)、「For All We Know」の10曲。よく知られている曲ばかりですが、静かで切々と歌っていて、新鮮に感じる曲が多いです。

バラード集ですが、繊細さだけでなく、意外に力強く歌っています。アトウッドの歌に加え、カンリフ(p)やハレル(tp)の伴奏やソロもよく、秋の夜長にじっくりと聴くのに相応しいアルバム。「Blame It On My Youth」はベースの伴奏だけで歌っていて、歌詞がストレートに伝わってきて印象深い。ゆったりとスイングする「Day By Day」や「Deep Purple」も楽しめます。僕の大好きな曲の「You Leave Me Breathless」を取り上げているのも嬉しいところ。

【飯田トキワ劇場 謎解きはディナーのあとで】

謎解きはディナーのあとで映画公式ホームページ  トキワ劇場の上映は、公開から大分経っています。

(飯田トキワ劇場) 長野県飯田市銀座5-2   TEL:0265-22-0742   

   Tokiwagekijou

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ジョー・ゴードン INTRODUCING JOE GORDON

2013-10-27 16:05:52 | トランペット・トロンボーン

先日、愛知県の岡崎市に寄ることができて、八丁味噌のカクキューの工場と内田修ジャズコレクション展示室を訪問してきました。カクキューは江戸時代初期から続いている老舗で、その歴史のつまった熟成用の大きな木桶に圧倒されました。内田コレクションには、日本人ミュージシャンを録音したプライベート・テープがあって、1時間近く、高柳昌行や秋吉敏子、北村英治らの意欲溢れる演奏を聴くことができました。トランペットの熱い演奏を。

JOE GORDON (ジョー・ゴードン)
INTRODUCING JOE GORDON (EmArcy 1955年録音)

  Joe_gordon_emarcy  

ジョー・ゴードン(1928~63年)は、寝たばこが原因で若くして亡くなってしまったので、2枚しかリーダー作を残していません。アート・ブレイキーが、クリフォードブラウンの後釜として起用したくらいなので、実力は良く知られていたのでしょう。そのバンド在団時に録音したのがこのアルバムです。

メンバーは、ジョー・ゴードン(tp)、チャーリー・ラウズ(ts)、ジュニア・マンス(p)、ジミー・シェンク(b)、アート・ブレイキー(ds)。ジュニア・マンス(p)は、まさにパウエル直系というべき生きのいい演奏をしていて、ヴァーヴやリバーサイドのソウルフルで端正な演奏しか知らなかった僕は、はじめてこれを聴いたときにはびっくりしました。

曲は、メンバー等のオリジナルです。ジョー・ゴードン作が3曲で「Toll Bridge」、「Flash Gordon」、「Bous Ber」、クインシー・ジョーンズ作が2曲で「Lady Bob」、「GrassHopper」、作者不詳の「Xochimilco」の全6曲。「Toll Bridge」は、コールマン・ホーキンス作「Rifftide」ですし、「Flash Gordon」は、後のジャズ・メッセンジャーズのナンバー「The Theme」と同じなので、親しみも湧きます。

ジョー・ゴードン(tp)の爽快感が感じられる勢いのいいプレイが聴けます。テンポの速い「Toll Bridge」では、ゴードン(tp)の火の出るようなプレイやマンス(p)のシングルライン中心の胸のすくようなソロが楽しめます。「Flash Gordon」は、ジャズ・メッセンジャーズのクロージングテーマで耳にすることもあり、懐かしい気分になります。「Bous Bier」は、コード進行を借りてきた「チュニジアの夜」と全く同じ雰囲気で、ゴードンが高音を中心としたバランスのよいソロをとり、マンス、ラウズ(ts)も好演をしています。

【愛知県岡崎市を訪問】

1 八丁味噌カクキュウの工場  岡崎市八帖街字往還通69番地

     Hacchoumisohonsha
        
本社大正末期に建てられたのものでモダンです。)

     Hacchoumisotal2
        
   木の桶で2年間熟成させているところ

2 岡崎市内田修ジャズコレクション  岡崎市図書館交流プラザ りぶら2階

        Uchidajazzcollectionpumf_2
室内の撮影が許可されていないので、パンフレットだけです。聴いたプライベート・テープの中に、北村英治(cl)の低音部を用いた「Wihsper Not」の演奏があって、きわめてモダンでした。

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アル・コーン AL AND ZOOT

2013-10-23 21:32:05 | テナー・サックス

先週の土曜日、豊丘村在住の友人の案内で、マツタケ採りに行ってきました。長野県下伊那地方は、シーズンはじめは調子が良かったのですが、今月の10日を境に、雨不足なのか、ほとんど採れなくなっています。森林浴だけかなと言いながら、森の中を1時間ほど探索したところ、7~8本のマツタケの群落を発見しました。大きく傘が開いていて、取り残しですが、ビギナーズ・ラックとはいえ、自力で見つけたので、嬉しさもひとしおでした。賑やかなものがいいと、帰宅後はアル&ズートを。

AL COHN (アル・コーン)
AL AND ZOOT (CORAL 1957年録音)

  Alandzootcoral

正確には、「AL COHN QUINTET featuring ZOOT SIMS」なので、二人の双頭チームによるアルバムです。アル&ズートと呼ばれて、いくつものアルバムを録音していますが、最も知られているのは、「A Night At The Half Note」(United Artist)ですが、このアル・コーン名義のものもよく聴かれていると思います。

メンバーは、アル・コーン(ts, cl)、ズート・シムズ(ts, cl)、モーズ・アリソン(p)、テディ・コティック(b)、ニック・スタビュラス(ds)。一応、テナー・サックスのバトルといってもいいのですが、協調しているので、そういう色彩は薄いです。気楽に聴いているうちに、アルとズートのどちらが演奏しているかわからなくなることもありますが、音色が固く、よりメリハリをつけた方がアルで、柔軟な方がズートだと聴き分ければ、概ね当たっています。

曲は、スタンダードとアル・コーンの自作です。スタンダードないし準スタンダードが、「It's A Wonderful World」、「You're A Lucky Guy」、「Just You, Just Me」、アル・コーンの自作が、「Brandy And Beer」、「Two Funky People」、「Chasing The Blues」、「Halley's Comet」、「The Wailing Boat」で全8曲。「Barandy And Beer」は、「ブランデーとビール」ですが、お酒好きなズートを意識しての命名かもしれません。

スインギーで肩の凝らないセッションで、二人の掛け合いも協調性に富んでいます。「Two Funky People」では、二人がクラリネットを吹いて、なかなかブルージーです。「The Wailing Boat」は、スピード感が溢れています。二人のソロを比較すると、ズートの滑らかさ、フレーズの切れの良さが際立ちます。「Just You, Just Me」は、レスター・ヤングに名演がありますが、その後継者の二人もよどみのないプレイでスイングし、ドラムスとテナーのやりとりも楽しい。

【マツタケ採り 豊丘村】

採ったマツタケは、とりあず「焼きマツタケ」と、うどんにマツタケを入れて少しだけ煮た「マツタケうどん」(薄味にしました)にしてみました。父がパクパクと美味しいといって食べてくれましたが、実際、採れたての肉厚なマツタケの味は、香りや食感とともに最高でした。

      Matutakehayasi3
                  松林の中を彷徨中

      Matutakeshuukaku2201310_2
                                      本日の収穫

       Matutakeookisa201310
        サランラップの長さは22cmあり、それ以上の大きさです。

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エルヴィン・ジョーンズ DEAR JOHN C.

2013-10-20 10:08:43 | ベース・ドラムス

10月13日の夜、下伊那郡阿智村清内路に約280年前から伝わる「手作り花火」の諏訪・建神社への奉納を見学に行きました。住民有志で作る「下清内路煙火有志会」の会員(25人)が、8月下旬から1月半かけて作り上げた花火です。炎を吹き上げながら回転する仕掛け花火や、長い筒花火の「大三国」が披露されました。神社の境内は狭く、すぐ目の前で繰り広げられる、火の粉の乱舞は迫力満点でした。炸裂するドラムスです。

ELVIN JONES (エルヴィン・ジョーンズ)
DEAR JOHN C. (Impulse 1965年録音)

  Dear_john_c_elvin_jones

エルヴィン・ジョーンズは、ジョン・コルトレーン・グループのドラマーとして名を馳せましたが、その間、自らのリーダー作を3枚インパルス・レーベルに録音しています。コルトレーンの元を離れてやりたいことをやったのか、作風もバップからハードバップ、ややフリーがかったものとあって、僕はどれも好んでいます。とはいえ、やはり彼のドラミングを聴くとコルトレーンを思い出します。

メンバーは、エルヴィン・ジョーンズ(ds)、チャーリー・マリアーノ(as)、ローランド・ハナ(p)、ハンク・ジョーンズ(p)、リチャード・デイビス(b)。マリアーノ(as)が存分に吹いていて、彼としても快心の演奏だったのではないでしょうか。アルト・サックスの音色もいいです。デイビスの重量級ベースも注目されます。

曲は、ジャズ・オリジナルが主ですが、「アンソロポロジー」や「エヴリング・ハプンズ・トゥ・ミー」といった有名曲が入っています。ボブ・ハマー作「Dear John C.」、ジーン・ギフォード作「Smoke Rings」、ミンガス作「Love Bird」、アンソニー・ニューリー作「Feeling Good」、パーカー作「Anthropology」、フランク・シナトラのトミー・ドーシー楽団在団時のヒット曲「This Love of Mine」、エリントン作「Fantazm」、ボブ・ハマー作「Ballade」、マット・デニス作「Everything Happens To Me」の全9曲。バップからポップス曲まで、多彩な選曲です。

エルヴィン・ジョーンズ(ds)の多様でリラックスしたプレイが楽しめます。「Dear John C.」は、コルトレーンに捧げられた曲で、モーダルですが、マリアーノ(as)は抵抗なくプレイし、ローランド・ハナ(p)は、マッコイ・タイナーを想いおこさせ、コルトレーン・グループの雰囲気を感じさせます。バラードの「Smoke Rings」や「Feeling Good」では、マリアーノの美しい演奏に浸りました。「Everything Happens to Me」をはじめ、エルヴィンはエネルギッシュなプレイを展開していて、ドラムスだけを追いかけて聴いても飽きません。

長野県下伊那郡阿智村下清内路の手作り花火2013/10/13】


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メグ・マイルス JUST MEG AND ME

2013-10-16 20:14:04 | ヴォーカル(L~R)

先の3連休中、阿智村昼神温泉の日帰り温泉「湯ったり~な昼神」に出かけました。お風呂の後、「十字屋可否茶館」という。木立に囲まれた喫茶店に寄りました。小さなスピーカーからは、古いシャンソンが小音量で流れ、レトロなムードが醸し出されていました。珈琲はすっきりとした飲み心地で、美味しかった。駐車場には、愛知県の豊橋、豊田など県外ナンバーの車が目立ち、温泉を訪れたお客さんにも知られているようです。静かめのヴォーカルを。

MEG MYLES (メグ・マイルス)
JUST MEG AND ME (LIBERTY 1958年録音)

  Just_meg_and_me

メグ・マイルス(vo、1934~)は、映画やテレビで活躍した女優さんですが、テレビショーやナイトクラブで歌も歌い、歌手として2枚のヴォーカル・アルバムを残しています。シングル盤も録音をしていますが、ヒットには恵まれませんでした。このアルバムの他に、「Meg Myles at The Living Room」(Mercury)というライブ盤もあり、かなり張り切って歌っていますが、抑えて歌っているこちらの作品を取り上げました。

伴奏は、ジミー・ロウルズと彼の楽団との表記があるだけで、ピアニストのロウルズ以外はメンバーが不明です。オブリガートやソロなどを聴くと、腕達者な人たちが集まっているようです。また、編曲者についてもわかりません。ライナー・ノートは、スティーヴ・アレンが書いていて、かなり褒めています。彼女は、テレビのスティーヴ・アレン・ショーに何度か出演しているので、その縁での執筆でしょう。

タイトルにそった曲が集められました。スタンダードが主ですが、珍しいのも含まれます。「You Made Me Love You」、「You Brought A New Kind of Love to Me」、「You Took Advantage of Me」、「More Than YOu Know」、「I Wanna Be Loved」、「Ain't We Got Fun」、「Paradise」、「Last Night on The Back Porch」、「It's So Nice To Have A Man Around The House」、「I Never Knew」、「OH, You Beautiful Doll」、「Goodnight Sweetheart」で全12曲。「Last Night on The Back Porch」や「It's So Nice to Have A Man Around The House」、「I Never Knew」(同名異曲)などは珍しい。

ムーディーな美女ヴォーカルです。彼女は、ハスキーでやや辛口の声の質ですが、バックの甘い伴奏とあいまって、ゆっくりとしたテンポの曲など魅力的です。雰囲気たっぷりの「You Made Me Love You」、メリハリをつけて歌う「You Took Advantage of Me」、リズムにのって楽しげな「Ain't We Got Fun」、スローなテンポの定番曲「Goodnight Sweetheart」などいい雰囲気です。「You Made Me Love You」におけるトロンボーンなど、器楽演奏も楽しめます。ジャケットを見ると、LPで持ちたくなるかもしれません。

【十字屋可否茶館】

所在地:長野県下伊那郡阿智村智里503-189
電話:0265-43-2323

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