安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

映画「探偵はBARにいる3」 (長野市 千石劇場)

2017-12-08 20:14:42 | 映画

映画「探偵はBARにいる3」を観てきました。札幌在住の作家、東直己さんの原作「ススキノ探偵シリーズ」を映画化したものですが、2作目を観たときに、長いシリーズにしてほしいと念願していたので、待望の新作です。

この映画の主役は、札幌の街といってもよく、そこが特に気に入っています。雪が積もった札幌、とりわけ、ススキノの街の光景には、いかにも怪しげなことが起こりそうな雰囲気があり、フィクションなのに実際にありそうな場面が続きます。札幌市民もエキストラなどとして参加しており、日本ハムの栗山秀樹監督が出演しています。

実際にロケをした場所の紹介がパンフレットに掲載されています。この地図をもってあちこち歩き回るのも楽しそうです。

探偵役の大泉洋、その相棒の高田を演じる松田龍平は、いいコンビになっています。熱血な探偵とクールな高田のやりとりが面白く、ユーモアも漂わせて、3作目で一段とよくなっています。ヒロイン役には北川景子が初出演し、華やかさに加え幅広い演技を行い、作品にかなりな魅力を加えています。

原作はハードボイルドですが、ストーリーには人情味も入るなど温かみもあり、登場人物のキャラクターや舞台設定、アクションの面白さなど、よくできたエンターテイメント映画です。今回の監督は、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」などを手掛けた吉田照幸が抜擢されました。

面白い映画で、いい出来でした。記念にパンフレットも買いました。

【探偵はBARにいる公式ホームページ】

tantei-bar.com

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ヨーヨー・マと旅するシルクロード (長野市 シネマポイント)

2017-08-14 20:13:14 | 映画

長野市のシネマポイントで、「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」というドキュメンタリー映画を観てきました。映画監督は、『バックコーラスの歌姫たち』(2014年)で、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞したモーガン・ネヴィル監督です。

   

世界的なチェリストのヨーヨー・マは2000年に「シルクロード・アンサンブル」を立ち上げ、伝統的な東西の音楽と現代音楽の融合を図り、音の文化遺産を世界に発信していますが、その歩みを追った映画です。音楽を創造する過程やステージにおける演奏が収められています。それと同時に、ヨーヨー・マの生い立ちや彼のチェロの演奏風景も捉えられています。

シルクロードなので、ヨーロッパから中東、アジアまで様々な国の民族音楽を演奏するミュージシャンが集まりアンサンブルとして活動しています。ケマンチェ、中国琵琶、バグパイプなど珍しい楽器が多数登場し、奏でられるリズム、音色に興味を覚えました。

   

ヨーヨー・マは、『新しいものは文化が交差する場所で生まれる」と発言し、その信念のもとに活動を進めているようです。確かにその通りだろうと共感しました。しかし、ヨーヨー・マの演奏するバッハの無伴奏チェロ組曲やサン・サーンスの白鳥、終わり近くで女性が演奏するショパンのピアノ曲の方がはるかに魅力的に聴こえました。西洋クラシック音楽が世界を席巻している理由が見えてくるような映画でもあります。

【ヨーヨー・マのCD「ドヴォルザーク&ハーバート チェロ協奏曲」】

   

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104
ハーバート:チェロ協奏曲第2番ホ短調 作品30

ヨーヨー・マ(チェロ)
クルト・マズア指揮ニューヨーク・フィルハーモニック

ヨーヨー・マが演奏した2曲の協奏曲をカップリングしたCD。ハーバートのものを聴きたくて購入したのですが、2曲とも素晴らしい演奏です。1995年録音。

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映画「カフェ・ソサエティ」を観ました。

2017-07-10 20:03:42 | 映画

長野市の映画館「長野松竹相生座」で、「カフェ・ソサエティ」(2016年アメリカ映画)を観てきました。監督・脚本はウディ・アレン、主な出演者は、ジェシー・アイゼンバーグ(ボビー)、クリステン・スチュワート(ヴォニー)、スティーヴ・カレル(フィル)。

   

パンフレット表紙。

(粗 筋)

もっと刺激的で、胸のときめく人生を送りたい。漠然とそんな願望を抱いたニューヨークの平凡な青年ボビーがハリウッドを訪れる。時は1930年代、この華やかなりし映画の都には、全米から明日の成功をめざす人々が集まり、熱気に満ちていた。映画業界の大物エージェントとして財を築いた叔父フィルのもとで働き始めたボビーは、彼の秘書ヴェロニカ"愛称ヴォニー"の美しさに心を奪われる。ひょんな幸運にも恵まれてヴォニーと親密になったボビーは、彼女との結婚を思い描くが、うかつにも彼はまったく気づいていなかった。ヴォニーには密かに交際中の別の男性がいたことに……。(公式ホームページから)

(感想など)

全盛期のハリウッドやニューヨークへ連れて行ってくれる映画です。豪邸、ナイトクラブ、美女、ギャング、犯罪とその時代の空気がつまっています。クリステン・スチュワートという女優がよく、クールで知的で、なにもかもわかって人生を歩んでいるといった雰囲気を出していました。ウディ・アレン監督の私生活も投影されているようなストーリーの映画でもあります。

   

クリステン・スチュワート。シャネルの衣装、宝石も豪華です。

公式ホームページには、「ロマンティック・コメディ」といった惹句が使われていますが、それは違うと思いました。ボビーとヴォニーのラブ・ストーリーではあるけれど、それはいってみれば夢の中のことで、二人は現実を直視して、それぞれの人生を歩んでいるので、したたかです。そういうのが人生だよという声がアレン監督から聞こえてきそうです。

   

流れる音楽は、スタンダードジャズです。クラブのステージで歌われたのは、記憶違いでなければ「Mountain Greenery」と「Jeepers Creepers」でした。他にもたくさんのスタンダード曲が使われていました。アレン監督の映画は、ジャズが使われるので、その面からも見逃せない映画でした。

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映画「ラ・ラ・ランド」を観てきました。 (長野市 グランドシネマズ)

2017-03-06 20:02:22 | 映画

アカデミー賞監督賞、主演女優賞、作曲賞、主題歌賞など6部門で受賞した注目のミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」が長野市でも上映されたので、観てきました。デイミアン・チャゼル監督の前作「セッション」は見ましたが、今度はミュージカルなので、どんな曲が流れているのか興味が湧きます。

   

粗筋ですが、ロサンゼルスの街を背景に、女優志望のミア(エマ・ストーン)と、いつかジャズを聴かせる自分の店をもつのが夢のピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)が出会い、二人は恋に落ちます。その後、二人はそれぞれの道へ進み、夢を実現させますが、5年後にセブの店でたまたま出会い、切ない別れのシーンでエンドとなります。

ハッピー一色で終わる映画ではなく、恋は過去の想い出となった現実も描かれていて、この終わり方で、一層この映画は印象的なものになりました。「雨に歌えば」を下敷きにしたと思われる夜の公園で二人が踊るシーンや、天文台で二人が踊り背景が宇宙的に展開するシーンなど、ロサンゼルスの街もうまく使った映像も美しいものです。

 

LA LA LAND(ラ・ラ・ランド)のパンフレット表紙。

 

オープニングのシーン

作曲はジャスティン・ハーウィッツですが、アカデミー主題歌賞を受賞した「City of Stars」や「Another of The Sun」などいいメロディの曲が挿入されていました。また、ジャズ的な編曲も用いられ、アップテンポのピアノトリオ演奏も背後で流れます。「ホーギー・カーマイケルの椅子」とか「Lighthouse」という店の名前が出てくるのもジャズファンには嬉しいです。

 

ジャズクラブのシーン

デイミアン・チャゼル監督のミュージカルとジャズへの想いが溢れている映画です。それにしても、R&B界のスター、ジョン・レジェンドの歌は素晴らしく、聴衆の動員力もすごいのには、映画の中とはいえ驚きました。でも、この映画を機会にジャズに関心を持ってくれる人が増えればいいなと願いながら、帰途につきました。

【映画 ラ・ラ・ランド(LA LA LAND)公式サイト】

gaga.ne.jp/lalaland

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映画「ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿」を観てきました。(長野市 シネマポイント)

2017-03-02 20:16:50 | 映画

シネマポイントは、長野市権堂のイトーヨーカ堂の5階にある小さな映画館です。メジャーな映画はほとんど上映されませんが、時々面白そうな作品が上映されます。今回、ミラノの歌劇場スカラ座のドキュメンタリーが上映されたので、観てきました。監督はルカ・ルチーニというイタリアの人です。

   

(パンフレットの表紙。写真はマリア・カラス)

2014/15シーズンのオープニング作品「フィデリオ」上演の準備の模様、出演した著名な歌手や指揮者、劇場関係者などへのインタビュー、歴史的なオペラの場面の映像放映、バレエ学校の練習風景、オペラ作曲家の初演作品の紹介などを通して、ミラノ・スカラ座の歴史と魅力が語られています。

インタビューで印象に残ったのは、ミレルラ・フレーニで、1963年「ラ・ボエーム」でミミを歌ったところ、指揮者のカラヤンが舞台に上がってきて、泣きながら『私が涙を流したのは母が死んだとき以来だよ』といって、賞賛されたことを明かしています。また、指揮者のダニエル・バレンボイムは、『マリア・カラスが歌った場所で私は歌えないと不安を覚える歌手がいる』と、この劇場の重みを述べています。

   

演奏や歌の場面では、ヴェルディ作「ナブッコ」の合唱「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」、レオ・ヌッチ、レナータ・テバルディやマリア・カラスの歌声などが印象に残りました。特にヌッチ(バリトン)の素晴らしさには驚きました。地元のスカラ座愛好会の人たちが上演について感想、意見を述べ合っている映像もあって、市民に愛され、支えられていることが描かれているのもよかった。

イタリアのミラノを訪れて、スカラ座でオペラを聴いてみたくなる、ドキュメンタリー映画でした。

【ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿 公式ホームページ】

milanscala.com

【岡田暁生著「オペラの運命」(中公新書)】

この映画を見て、「ミラノ・スカラ座」はじめオペラ劇場の歴史を知りたいと思い、図書館でこの本を借りてきました。

   

著者は、『本書の目的は、宮廷文化の夕映えが近代市民社会の熱気と溶け合って生まれるところの、オペラ劇場の一夜という「場」の興亡史を、時には作品を通して、時には上演ないし受容形態を通して辿ることにある。』と記しています。

オペラの名作を時代順に並べて解説したものではありませんが、それらにも言及しつつ、オペラ劇場の成り立ちから変容を辿っていて、エキサイティングに面白い本でした。1830年頃の「ミラノ・スカラ座」の客席を書いた絵(図版)も載っています。

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