顧客満足度を上げることに注力するということは、商売をしているなら正しいことだと思う人が多いだろうと思います。
つまり顧客満足度が上がればリピート率が上がり、それが売上向上に結び付くことになるのだろうと短絡的に考えてしまうからです。
ちなみに私たちがやっているようなサービス業で一品一品受注するような業態において顧客満足度を重視してしまうと、とんでもないサービス(対価を得られない)を提供することが常態化してしまう危険性があります。
その状態が表面化するのは、従業員が退職するにあたって業務の引き継ぎをするような時になって初めて分かることが多いのです。
「そんな事をやっていたのか!」と気付いた時には、もう相当な年月を経過していたという私自身の痛い経験はつい最近のことでした。
よく似ていると思われるかも知れませんが、取引深度を高める(深める)という違うアプローチがあります。
個々の取引先との取引深度がどの位なのかという判断が難しいのですが、関係者が納得できる客観的な基準を持っていることが最低必要なことになります。
この評価基準をもとに評価し、その時点から取引深度を高める努力を継続することが肝心だと思っています。
そして、半年くらい後に再評価してその違いを関係者全員で認識するということを繰り返す。
取引深度を高める一番のポイントは、取引先とのコンタクト密度ということになるので、いわゆる対価の得られないサービスを提供するような下請根性から、取引先の協力者という自負を持つことに繋がるメリットがあります。