庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

タマムラサキとネナシカズラ

2021年05月23日 | 庭の花たち

5月に入り今年もネナシカズラが生えてくる季節になりました。
写真の右側のツルがネナシカズラです。エビネの花後とミョウガの葉に絡みついて、吸着して栄養分を吸い取っています。
また、左側のニラのような葉はタマムラサキですが、5月というのに茶色くなった枯葉が目立つことに気が付きました。
何事があったのかと、よくよく見ると、写真中央の下のほうのタマムラサキの茶色い葉にネナシカズラが絡みついています。

近づいてみるとこの通りです。

ネナシカズラが絡みついたミョウガとエビネは葉が枯れるほどのダメージは受けていません。なのにタマムラサキは葉が枯れ始めています。
ネナシカズラが絡みついても多くの植物は急速に枯れるようなことは有りません。それでも何らかの影響を受けて弱ったりします。でもその中にオニシバリのように、まるでマムシに噛まれて瀕死の状態になったようになり、ついには枯れてしまう木もありました。
これはいかん。タマムラサキはこんなに早く枯れ始めたのでは、タマムラサキの株も枯れてしまうかもしれない。
急いで絡みつかれた部分の葉を切り取ってしまいました。これで株全体に毒が回らなければよいがとしばらく様子を見ることにしました。


ネナシカズラが絡みついて枯れ始めたタマムラサキの葉をちぎってヒサカキにかけておいたところ、10日後に確認したら、何とネナシカズラはヒサカキに絡みついていました。

ヒサカキに絡みつくや全力でヒサカキに吸着して栄養分を吸い取っています。

すでにタマムラサキの葉は枯れてしまい、ネナシカズラはタマムラサキからは栄養を吸収できないので、自身の持てる力を振り絞って細いツルを伸ばしてヒサカキに絡みつきました。

そしてタマムラサキに絡みついていた部分と、そこからヒサカキ迄伸ばした細いツルの部分を自ら枯らしてしまいました。わが身を切り詰めて生き延びようとするネナシカズラの生命力です。


冒頭の写真をもう一度
じつはタマムラサキには2種類あって、葉が枯れ始めたのは左側下よりの葉の幅が広いものです。
中央上よりの葉の幅が狭いものもタマムラサキです。

赤色の丸の中が葉の幅が広いタマムラサキで、矢印はネナシカズラが絡みついた部分で切りとってしまいました。
黄色い丸の中が葉の幅が狭いタマムラサキです。
こちらは右側のネナシカズラに近いのに生き生きとしています。
まだネナシカズラが絡んでいないためでした。いたずら心に、もしこちらにネナシカズラが絡みついたらどうなるだろうと思いました。

早速試してみました。葉の幅が狭いほうのタマムラサキにネナシカズラを絡ませてみました。まもなく10日ほどになりますが、少しもダメージを受けていません。


葉の幅が広いネナシカズラはさらに葉の枯れが進んでしまいました。茎が3本あり、ネナシカズラが絡んだのは右端です。
それなのに他の2本も葉が枯れてしまいました。株がまだ完全に独立していないで、つながっているためでしょうか。

以上のことから葉の幅の広いほうはダメージが大きく、狭いほうは全くと言ってよいほどダメージが無く元気です。
この違いは何なのか。
タマムラサキには4倍体6倍体などがあるようですから、そういうものがネナシカズラの毒気に対してダメージが大きのかどうか。
興味深い疑問が湧いてきました。

或いは両者をタマムラサキとしているが、タマムラサキに似たヤマラッキョウもあるとか。もし、幅の狭いほうがヤマラッキョウとすると、
ヤマラッキョウはネナシカズラの影響を受けないが、タマムラサキは瀕死の状態にされてしまうことになります。
本来のヤマラッキョウに絡ませたらどうなるかも試してみたいところです。

また、今回幅の広いタマムラサキは他の事情があって枯れてきたことも考えられます。このこともたったの1例では排除できません。
幅広のタマムラサキの復活を待って、もう一度ネナシカズラを絡ませてみたいところです。
いろいろと興味深いことがあるわけですが、こう幾つも試してみる余裕はもはや我が身には持ち合わせていないのが残念です。

ネナシカズラ関連するブログ 20190912ネナシカズラには相性がある







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