真っ赤に紅葉したシマサルスベリ。
シマサルスベリは類似のものも含めて九州南部から琉球列島に自生しているようです。庭のシマサルスベリは長崎の友人から種を送っていただき、庭で発芽した苗が花を咲かせて実った実が、瓦礫の駐車場に落ちて発芽したものです。
長崎からいただいたシマサルスベリの種から発芽した実生苗には3種類ありました。同じ株のシマサルスベリの種なのですが、サルスベリとの交雑があったようです。
1 この赤花はサルスベリの特徴をもった葉で、花色も赤で、かなりサルスベリに近いものです。
2 この白花は花期が赤花とほぼ同じですが、葉が薄く先がとがっていることから、シマサルスベリに近いものと思われます。
3 こちらは2の白花が終盤になるころ咲き始める白花で、葉も薄く、先端がとがっているなど、この三株の中では、かなり純粋なシマサルスベリと考えられました。
2014年11月に紅葉したのは上記の内3番目の純粋なシマサルスベリでした。当時、長崎の友人からは、シマサルスベリが紅葉したのを見たことがないとのことでした。確かに四季のはっきりしている九州以北より、九州南部から琉球列島では紅葉は少ないと思います。でも気象条件が変わると、紅葉しないと思える木でも紅葉するものだとこの時思いました。
その時に、シマサルスベリが綺麗に紅葉する気候条件を考えたところ、氷点下にならない秋冷の日が続くことと分かりました。
ところが、この後、鉢植えから地植えに移してからは、その条件を満たした秋でも、綺麗に紅葉することがなくなりました。大きくなってからもきれいに紅葉することを期待していたのですが。
その原因は鉢植えの時は背が低く、寒風にさらされにくいからではないかと考えました。地植えにして背が高くなると寒風に曝されてしまうため、耐寒性のないシマサルスベリの葉はしおれてしまいます。地上20~30cm以下なら紅葉するが、1m以上で紅葉させるのはかなり難しいことのようです。あるいは寒風除けの常緑樹の近くならば紅葉する可能性があるようです。
というわけでシマサルスベリの紅葉は高木になってからではかなり難しいことに気が付いて諦めていたのでした。そんな時に実生苗を見つけたので、紅葉を毎年楽しみたいと鉢植えにしたところ見事に紅葉したのでした。
なぜか上に伸びないで、枝が横に広がっています。シマサルスベリが背が高くならないで、紅葉したいと言っているようです。
たぶん、これからは毎年こんなにきれいに紅葉してくれるのかとうれしくなってしまいました。私も高齢になり、庭木の手入れが難しくなってきたので、できるだけ鉢植えで楽しみたいものです。
シマサルスベリの葉のつき方が変わっています。多くの場合は、対生、互生、輪生などですが、シマサルスベリの葉をよく見ると、枝の一方に2枚連続していて、次に反対側に2枚連続しています。右右。左左。右右。左左と片側2枚ずつの互生というのでしょうか。
この葉のつき方をコクサギ型葉序といって、コクサギ、サルスベリ、ヤブニッケイなどごく限られた種類だけのようです。
コクサギ型葉序、この言葉も初めてです。さすがにお詳しいです。