自然はともだち ひともすき

おもいつくままきのむくままの 絵&文

ひとりの季節

2009年08月17日 | 絵と文
息子一家が帰り台風のあとのように静まった空気の中から逃れて外へ出た
裏庭の通路を覆って茂る夏草に、体をかばいながらいつか格闘となって汗の雫が滴り落ちる
あ~あ ちょっとやせ我慢過ぎちゃったかな
ついさっきまで屈強の若者が2個、有り余る体力と時間を持て余していたのだから。

遊んでて体がナマるからどんどん用を言いつけてくださいとママが言う
ちらりと見るふたりの孫は耳をすまして反応をうかがっている様子
  “何とか、無事通り 抜け られ ます ように ”
  “ばぁちゃんのためなら… やっぱのんびり昼寝でもしてぇんだがなぁ”

わかってますわかってます
あんたたちが可愛いというより、自分のことは自分で、とする日頃のポリシー
ヒマを見てゆっくり少しずつするから。 心配しないで。 とか何とか
心の底から本音で断ったはずだけど、やっぱりコタえるこの結末もほんとは見えていたでしょ

古い言葉だけど、戦中戦後派ってこれなんだから
プラス性格とくれば私の行く先イバラの道? それもあり?

あのときほっと頬を緩めた彼らの表情だって何ともかわいいし・・・。
「若い時の苦労は買ってでも与えよ」 この信条に相克するばぁちゃんの悩み
まぁいいか、親じゃないのだもの 
ここは天国、そんな気分でのんびりお過ごし
3学期が始まればまたそれぞれに厳しい現実が待っている
それにしても体に似合わぬあの顔つき、なんてナィーブなんでしょう
世間ではこれをばばバカと----  はい、わかってます
ドンマイ、ドンマイ



リフォームしてひとり暮らしに新鮮な風を吹き込んだ割には屈託のある毎日だった
お互い健康で過ごせるのが一番の幸福と、それを実感できるのは遅すぎだと分かっても、後悔先に立たず。
家族の一員が健康不安を持って、今更の如く教えられる平凡な生活の尊さ
雑草の勢力をうらやましい思いで、抜く気も起きずぼんやり眺めていた
でもあれこれ迷い戸惑いつつも、汗にまみれて雑草を抜ける今はきっと幸せなひと時なのだと思う
めいっぱいしたいことも待ち構えている。明日からは自分のことだけ考えて一直線に進むしかない
なので、次のお正月まで、そのときまたみんな無事に顔を合わせられますように。

盆が過ぎて半分くらい戻ってきた夏に、忍び寄るあと半分の秋の気配が、優しく穏やかに生きる勇気を与えてくれている。

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