薫 風 ~KUNPOO~

初夏に薫る爽やかな風に思いをよせ、YukirinとKaorinが日々の出来事などを綴るページです。

裁判長!ここは懲役4年でどうすか

2011-01-30 | 本  棚
◇ 北尾トロ『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』文春文庫。月刊『裏モノJAPAN』に「人生劇場」というタイトルで連載された裁判傍聴記をまとめたもの。裁判の傍聴マニアを取りあげ、コミックやドラマ化もされている。300ページ以上ある割には、文体・内容とも大したことはない。

◇ 印象的だったのは、交通事故の裁判。ちょっとした不注意で、天国から地獄へ突き落とされてしまう。どんなに謝罪したところで、被害者側の「誠意を見せろ」という言葉に、満足のいく答えはなかなか見つからない。殺人や強盗といった凶悪犯罪と異なり、誰にでも起こりうるような事例だ。

◇ 一応法学部の学生だった私も、実際に刑事事件の裁判を2回傍聴したことがある。ひとつは東京地裁での傷害事件。ふとしたことから喧嘩となり、たまたま当たり所が悪く(?)被害者が失明してしまったため告訴されたケース。たしかに、被告人が手錠をはめられ、逃亡防止用の縄につながれて法廷にはいってくるところは衝撃的だった。

◇ 2件目は、長野地裁松本支部での詐欺罪のケース。市内某大型スーパーで、盗んだクレジットカードを使用しようとしたところ、販売員にばれてしまったというもの。このときの被告は女性だった。厳格な検察官に比べて、裁判官が妙にフレンドリーな態度だったことが記憶に残っている。

◇ 弁護士は決して正義の味方などではなく、はたまた証拠ねつ造などの事件で検察官のイメージは地に落ちている。法廷にも市民感覚を反映させる趣旨で、裁判員制度も導入された。あの頃に比べれば、法廷内の様子もだいぶ変わったのかなぁ?

浅間温泉国際スケートセンター、ふたたび

2011-01-23 | 写  真
◇ 天気がよく、風もない穏やかな日和だったので、再度、浅間温泉国際スケートセンターへ。日曜日とあって、最後の賑わいを見せていた。

◇ このスケートセンターがオープンしたのは、昭和44年末。札幌五輪を控え、国内選手の強化育成のため造成されたもの。当初の予定では東北地方に建設予定だったが、なんでも大地震がきてそれどころではなくなってしまったため、急遽、長野県(の旧本郷村)が候補に挙がったようだ。「山を切り崩し平地にするため自衛隊の協力を得た」との記録が、旧村誌に残っている。

◇ 途中の美鈴湖も全面結氷していて、何人か氷に穴を開けてワカサギを釣っていた。いくら寒くても、もう氷の上に出て行く勇気はないなあ。

◇ いつもこのくらいの賑わいがあったなら、存続という道もあったろうに。署名集める時間があるなら、1回でも2回でも実際に利用しなければダメだね。

一番じゃなきゃダメですか?

2011-01-22 | 本  棚
◇ 蓮舫『一番じゃなきゃダメですか?』PHP研究所。ツイッターでもフォローしている行政刷新担当大臣兼食品安全・消費者担当大臣。たまたま立ち寄ったパレア松本で目にとまったので、借りてきてみた。

◇ 「世界一じゃないとダメなんですか?二位じゃダメですか?」スーパーコンピュータの開発を仕分けるときに発した言葉。それに対して文科省の担当者は、「夢です」。それが「どうしても世界一番じゃないといけない理由」なのか?報道された「事業仕分け」は9日間だけど、実はその前の1ヶ月あまり、本番の担当者に2回ヒアリングしていたという。 

◇ 一人歩きした感がある、この発言。とかく「事業仕分け」の乱暴さ、無意味さを強調するときに、象徴的によく取り上げられる。でも、私なんかも素朴にそう思ったけどなあ。気の強い女性は苦手だが、政治家になるまでの生い立ちにもふれられていて「へぇ~、なかなか」と思わされた一冊。

◇ なお、ツイッターについてもいろいろ書かれている。「ツイッターやって、何かよかったことはあるの?」「よかったかどうかはわからないけれど、キレイな月は見逃さなくなった」 ただそれだけのことなんだけど、見知らぬ誰かのつぶやきを、見知らぬ多数の人が温かく共有する。スマートフォンの登場による情報の即時性と相互性。ナルホド。。。実感

◇ 事業仕分けも含めて、(民主党政権は)「『世界一』、『一番』に挑んでいるのではなく、「初めて」のことにチャレンジしているんです。・・・『初めて』の積み重なりが、社会を新しくチェンジしていくんだと思います」と結んでいる。さてさて、社会が「チェンジ」する前に、政権が「チェンジ」しなければよいのだが。

氷の世界

2011-01-15 | 生活雑記
◇ 今年いっぱいで、浅間温泉国際スケートセンターが閉鎖となるので、お仕事をかねてムスメと出かけてみた。

◇ 曇り空で天候は怪しかったが、「お昼ころが一番混雑する」との情報を得て、11時ころイソイソと出かける。駐車場もけっこう自動車がいっぱいで、リンク上はそれなりに家族連れでにぎわっていた。今年度は、入場無料だ。

◇ 私が子どものころには、美鈴湖が全面結氷して、スケートもできたのになあ。たしか3面、リンクが作ってあって、その脇の方ではおじさんたちが氷に穴を開けてワカサギを釣っていたっけ。「ピキピキピキッ」とときどき氷の割れる音がして、怖かったなあ…。当時、小学生の入場料は一人50円で、スケートセンターよりも安かったのだ。温暖化がすすんだ今(?)となっては、とても想像だにできないことなのだけれども。

◇ ひとしきり写真をたったあと、ムスメが「スケートしたい」というので、フィギュアスケート用の靴をかりて、リンクに出てみた。結果的に、これはまったくの経費の無駄であった。わずか10数メートルよちよち歩きした程度で、二人とも足が痛くていやになってしまった。子どものころはもっと上手に滑れたのになあ。きっと貸靴がぼろいセイダネ。それでも「普通の靴で滑りたい」とムスメがいうので、いっしょに400メートルリンクを一周して帰ってきた。

◇ かつて「記録製造リンク」の名をはせたスケート場も、施設の老朽化と競技スタイルの変化(いまやワールドカップなどの主な大会は屋内リンクで開催される)によって、ついに幕を閉じることとなった。スケートに限らず、どこのスキー場も閑古鳥が鳴いているというし、これも時代の要請で仕方のないことなのかもしれない。

国連の政治力学

2011-01-14 | 本  棚
◇ 北岡伸一『国連の政治力学』中公新書。著者は、東大教授。専攻は、日本政治史。2004年4月から2006年9月まで、東京大学から外務省に出向し、特命全権大使、日本政府国連代表部次席代表としてニューヨークに勤務していた当時の体験をつづったもの。今年7月、松本市で国連軍縮会議が開催されるというので読んでみた。

◇ 国連の最大の目的は、世界の平和と安全の維持。「日本は国連通常予算の16.6%を支払っている。」アメリカこそ22%と日本より多いが、他の安全保障理事会常任理事国であるイギリス6.6%、フランス6.3%、中国2.7%、ロシア1.2%よりもずっと多くの金額を負担している。4カ国の合計額とほぼ同じくらいだ。それにくらべて、国連における日本の発言力、存在感といったら...

◇ 著者が在任中、日本の安保理常任理事国入りを目指してあの手この手で活動したが、結局実現はできなかった。政治家による重大な決意と強力なバックアップが必要だとした上で、「日本のような、核を持たず、アジアの国であって、途上国経験を持つ、シヴィリアン・パワーが、安保理の常任理事国となることは重要であり、むしろ日本の責任というべきであろう」と述べる。

◇ 「国連が生まれたとき、平和に対する主たる脅威は、国家であった。しかし、いまや非国家主体が重要となり、また、破綻国家やテロリズムや、大量破壊兵器の拡散、犯罪組織など、新しい脅威が増えている」という指摘は、「平和」という概念そのものの再考を促す。また、中国などが繰り返し発言する日本の戦争責任については、「日本は1972年になって中華人民共和国と国交を正常化した。そのとき中華人民共和国は賠償を放棄した」にもかかわらず、「1978年、日中平和友好条約締結以後、日本は中国に経済援助をはじめた」と明確に反論する。

◇ 本書は、既発表の論考を再編集されたものなので、多少統一感に欠ける感があるが、「外交は説得と交渉によって、合意に達するアートである」というとおり、現実政治の舞台裏を知るにはよい手がかりになると思う。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら

2011-01-13 | 本  棚
◇ 岩崎夏海『(略して)もしドラ』ダイヤモンド社。書店でおじさんが手に取るにはちょっと表紙の絵が恥ずかしいが、人気の本なので読んでみた。

◇ 結論から言えば、ドラッカーの「マネジメント」そのものを読んだ方が、時間の節約にもなってよいだろう。30年も前に出版された経営学の本が、なぜ今なお有益なのか?流通や消費の形態が著しく変化したとしても、経営のエッセンスは変わらないと言うことなのだろうか。

◇ 「人は、優れているほど多くのまちがいをおかす。優れているほど、新しいことを試みる」なるほど、失敗をおそれないチャレンジ精神が大事なんだね。これは、自分への慰めのコトバとしよう。

◇ 「この小説に出てくる登場人物の何人かは、AKB48という女性アイドルグループのメンバーがモデルになっている」というエピローグの一節を目にしたとき、「やられた~」と思った。かつて大学の先生がおっしゃっていたとおり、やはり本は後書きから読まねばならない。

これからの「正義」の話をしよう

2011-01-12 | 本  棚
◇ マイケル・サンデル『これからの『正義』の話をしよう」早川書房。ハーバード大学での政治哲学の講義をまとめたもの。対話形式による実際の講義の様子は、「ハーバード白熱教室」として、NHK教育テレビでも放送された。

◇ 「正義」とはなにか?古代ギリシャの時代から、人類がずっと問い続けてきた難問である。しかも、未だに明確な結論は見えない。「こんにち、生物学と物理学に関するアリストテレスの著作を読み、内容を真に受ける科学者はいない。だが、倫理学と政治学の研究者は、あいかわらずアリストテレスの道徳・政治哲学について読み、考察している」

◇ 本書では、具体的な(極端な)事例を挙げながら、幸福の最大化(ベンサムの功利主義)、自由の尊重(ノージックらのリバタリアニズム)、美徳の涵養(カントの道徳原理)と話が進んでゆく。そして最後に、「公正な社会は、ただ効用を最大化したり選択の自由を保証したりするだけでは、達成できない。公正な社会を達成するためには、善良な生活の意味をわれわれがともに考え、避けられない不一致を受け入れられる公共の文化をつくりださなくてはいけない」とコミュニタリアンとしての著者の主張が述べられる。

◇ 放送された講義を見ても、ユーモアを交え、巧みに学生に質問したり、意見を要約したりする技術はさすがだ。ハーバードで一番人気のある授業、というのも頷ける。そして、この手の本にしては比較的に読みやすいのは、翻訳者の力量によるところが大きいのだろう。政治哲学(史)を概観するには、ちょうどよい本かも。

パパは○歳?

2011-01-03 | 生活雑記
◇ 今日は○回目の誕生日。朝、目を覚ますと、布団の中でさっそくムスメが「Happy birthday to you!!」 と歌ってくれた。

◇ 「ところで、パパは何歳になったの?」と聞かれてので、みんなには内緒だよ~と口止めした上で、「26歳」と答えておいた。以前聞かれたときは「10歳」と答えていたのだが、最近になって「10歳じゃまだ子どもだよ」と鋭いツッコミを受けたのだ。

◇ そしてグランバザールで賑わう松本パルコのファイブフォルンで、みんなでランチ。ついでに、冬用のパンツがほしかったのでパルコのショップを覗いてみたけれど、もう私の買えるようなもの(着れるようなもの)を扱っているショップは、どこにも見当たらなかった。

◇ 来週は、井上百貨店か紳士服のアオキにでも行くとしよう。

本年は

2011-01-02 | 生活雑記
 昨年はほとんどブログを更新することが出来ず(奥様)、旦那様に任せきりでした・・・
新年を迎えたので、今年はブログも時々は更新したいと思っています☆

 という訳で、写真は昨年習った「シュトーレン」。ホシノ天然酵母を使ってあり、パサパサしておらず、本当に美味しい!日持ちもするので、長く楽しめるのがまた良いのです(*^_^*)

明けまして おめでとうございます。

2011-01-01 | 生活雑記
◇ 新年、明けましておめでとうございます。

◇ 西日本では大雪でしたが、松本のあたりは雪もなく、穏やかな日が続いています。まだ初詣にも行かない横着者ですが、今年一年、皆元気で幸多き年でありますよう、祈念いたします。

◇ 今年もよろしくお願いしま~~~す。