薫 風 ~KUNPOO~

初夏に薫る爽やかな風に思いをよせ、YukirinとKaorinが日々の出来事などを綴るページです。

日本の総理学

2005-09-04 | 本  棚
■ あ~暑い!9月にはいったというのに、残暑が続いてますね。衆議院選挙も真っ只中。こちらも熱い闘いが続いているようです。

■ 中曽根康弘『日本の総理学』PHP新書。内容的には“総理学”というほどのことはなく、『自省録』(新潮社)と大差ないでしょうか。でも、新憲法施行後初めての総選挙(1947年)から2003年までの56年間、ずっと国会議員として政治に携わっていたという実績は、やっぱりすごい。

■ 戦後政治の総決算、三海峡封鎖、不沈空母発言など首相在任当時は何かと物議をかもした中曽根さん。マスコミなどには「政界風見鶏」と揶揄されることも多かったのですが、この呼称は自分でも気に入っていたというのが面白いところです。なぜなら「歴史的な大事業を成し遂げた人はみな風見鶏」であり、「スケールの大きい人物は小局にこだわらず対応を変えてゆき、大局を成就させる」のだから。まあ、“君子豹変”なる言葉もあるわけですが・・・。

■ こよなく政治(家)を愛した中曽根さんでしたが、小泉総理によって「終生比例名簿1位」の約束を反故にされ、自民党の国会議員として立候補する道を閉ざされてしまいました。そして参議院では、中曽根議員が郵政民営化法案に造反。どことなく因縁めいている気がしないでもありません。

■ 自分自身に向けたというメッセージ(岸元総理の葬儀で読んだ弔辞)も迫力があります。「大いなる志を遂げんとする政治家には、毀誉褒貶はつきものである。真の政治家は時代時代の宿命を負って行動し、時流におもねらず、国家百年の大計を自分自身の犠牲において断行し、その評価を構成の史家に託して消え去っていくのである。」

■ さて、このまま消え去ってしまうのか・・・

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