薫 風 ~KUNPOO~

初夏に薫る爽やかな風に思いをよせ、YukirinとKaorinが日々の出来事などを綴るページです。

藝術の秋!?

2006-11-11 | 音  楽
■ ということでブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました。プログラムは、リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」、チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」、そしてブラームスの「交響曲第1番」という超ポピュラーな組み合わせ。とはいってもどの曲も今まで生では聞いたことがなかったので、チケット発売等同時に即購入してしまいました。

■ 今回の会場は長野県松本文化会館。アパートから歩いていける距離にあるから便利だけれど、やはり市民芸術館と比べると建物の雰囲気(優雅さ)は大分落ちますね。“140億円もかけて松本市には贅沢だ!!”という意見も一方ではあるけれど、たまには庶民でも贅沢な気分を味わいたいものです。

■ 今回は最前列ではなく、9列目の中央付近をGET!(2階の最前列がビップ席のようですが・・・)。でも、この曲目にしては、今日の観客数は意外に少なく、せいぜい半分くらい?私たちより前の席にはほとんど人がいない(ように感じられる?)寂しい状態でした。

■ ピアノは長野県出身の山本貴志くん(といっても、べつに友達でもなんでもないが・・・)。弱冠23歳の彼は、ハンガリーのオーケストラ・メンバーに囲まれると、まるで子供のよう。とはいえ、昨年10月にワルシャワで行われたショパン国際ピアノコンクールで第4位入賞という実績の持ち主。その演奏は“すごい!!」の一言に尽きます。「超絶技巧」とは、このことか。

■ 誰もが知っているホルンからのスタート。一瞬のうちに会場内は緊張感に包まれます。そしてピアノ・ソロのパートでは、まるで呼吸もできないような張り詰めた空気が観客席まで伝わってくる感じがしました。ほんの一部分しか指の動きは見えませんでしたが、“人間の手って、ここまで動くのか!?”と思わずにいられないほどでした。しかし、いくつもの鍵盤を驚異的なスピードで叩くことも確かに凄いけれど、こんな曲を書いた人はもっとスゴイ?第3楽章が終わると拍手はしばし鳴り止まず、「凄~い」という溜息まじりの声が客席のあちこちから漏れ聞こえてきました。

■ 休憩をはさんで後半はブラームス。ベートーベンの第9にプレッシャーを受けつつも21年の歳月をかけて完成されたこの第1番も素晴らしい曲。サイトウキネンの第1回コンサートでも取り上げられましたね~。N響アワーなどでは何回も見たけれど、あ~、やっぱり実際に目の前で聞くといいなぁ。いままでCDを聞いていただけではわからなかった音(パート)まで発見できたりして・・・。

■ てなわけで、大のお気に入りの2曲を聴くことができ大変満足できた秋の休日でした。観客数が少なかったのが少し残念な気がするけれど、「ブタペスト」では少し押しが弱いか・・・。それにしても「のだめ」の影響か、“あの指揮者はもしやミルフィーでは?”とか“ティンパニーはますみちゃんか??”とか演奏中にバカなことを考えてしまいました。「のだめ」恐るべし。あと「スーパーピアノレッスン」も思い出しちゃった・・・

■ CDのお勧めは、チャイコフスキーのピアノ協奏曲はアシュケナージとマゼール指揮ロンドン交響楽団のもの。いまやN響の音楽監督(?)も務めるアシュケナージですが、まるでジャズを思わせるような、とても躍動的な演奏が魅力です。そしてブラームスの交響曲第1番なら、レヴァイン指揮のウィーン・フィルのものがお気に入り。特に第4楽章のフルートの音色が大好き。あくまで、個人的な見解ですが。