幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

島根の旅・「月山富田城跡」

2022-09-18 | お城

月山富田城跡(がっさんとだじょうあと)は、戦国時代、尼子氏が代々居城としたところとされる。

安来市にある山城であり、興味深い数々の遺構が残っている。

見学ルートがよく整備されていて歩きやすく、段々に造られた曲輪の跡を見て回れる。

 

月山のふもとには安来市立の歴史資料館があり、その脇に建つ案内板。

 

見学ルートに従って月山を登り始めると、結構この坂はきついが、馬乗馬塲、千畳平、太鼓壇などの平らな場所がありそのつど一息つける。

まもなく、尼子氏の忠臣「山中鹿介」の銅像の前に出る。

「ねがわくは、我に七難八苦を与えたまえ」と祈る姿か・・・。

 

山道を進むと「花の壇」に出る。

発掘調査で明らかになった当時の建物が復元され、休憩が出来る。

目を上に転じると、頂上の三の丸付近を望むことができる。

 

さらに一段高いところにある周りに石垣が積まれた大きな曲輪が「山中御殿」である。

城主の館があった場所であったとみられている。

 

さて、これからが高齢者にとっては難所の「七曲り」であり、山中御殿から石段を登り山道にとりつく。

 

つづら折りの急な登りが続き、汗を搾り取られる。

一歩歩むごとに高度を上げていく。

 

途中に、「山吹井戸」が現れる。

今は飲める状態ではなさそうだが、当時、籠城戦においては、この水は何にもまして強い味方であったはずである。

 

山中御殿から20分ほど頑張ると三の丸、二の丸、本丸のあるてっぺんに到達する。

頂上は平らに整地され、涼しい風が吹き抜け汗ばんだ肌に気持ちが良い。

この城の主にでもなったつもりで、しばらく市街地を見下ろしたり周囲の山々の景色を楽しむ。

 

 

今回の登城で、この月山の中腹に住むというある男性にお会いした。

月山富田城の四季を、自ら撮った写真を展示して紹介したり、草刈りや道の普請のボランティア活動をされているという。

リピータには「城主」と呼ばれているのだそうだ。

我々にも、気さくに話しかけていただき、見どころなどを説明していただいたのには感謝している。

お陰で、うっかり見落とすところだった場所にも、一足伸ばすことが出来たのだった。

塩谷口の石垣の先は、転がり落ちるような急な坂になっていたが、そこもきれいに草が刈られ人が通れるようになっていた。

 

 

 


島根の旅・「砂の器」の舞台を訪ねて

2022-09-17 | 旅行

旅行情報誌の記事に誘われて、「砂の器」(松本清張)の舞台になった場所を訪ねた。

小説のあらすじを述べるわけにはいかないが、物語の中に、「亀嵩(かめだけ)」という地が登場する。

亀嵩とはどんなところなのか一度行ってみたいと思った。

東京から夜行の寝台特急「サンライズ出雲」に乗ってみたかったので、乗れば、寝ている間についてしまうという安易な考えで計画を練った。

ところが、いざ実行に移そうとしたらどのクラスも予約がとれず、その案は断念せざるを得ないことに。

計画を練り直したのだったが、山陰は遠かった。

東京から岡山まで新幹線のぞみ。

岡山で特急やくもに乗り換え、ほぼ日本を横切り日本海側の宍道(しんじ)へ。

 

宍道から木次(きすき)線に乗り換え亀嵩まで。

木次線はディーゼルカーのワンマン運転で、単線のため、木次駅では上り下りの列車の行き違いのための待ち合わせ。

ホームの駅名の表示も面白い。

 

東京を朝8:30発の「のぞみ」で出発した列車の旅は、目的の駅「亀嵩」についたのは日も傾く17:37であった。

朝から夕方まで、ほぼ一日列車の旅を楽しんで(?)いたことになる。

亀嵩の駅は無人で、どこか懐かしい風情のトタン屋根の平屋。

「驛嵩亀」と、旧の字体(驛)で書かれた駅名は右から左へ読む。

駅舎内にはお蕎麦屋さんが営業しているが、時間が合わず、お蕎麦は別な機会に譲るとする。

 

その日は、亀嵩温泉の一軒宿の送迎車で送ってもらい、のんびりと湯に浸かって体を休めた。

翌朝、宿から歩いて10分ほどのところにある「湯野神社」に行ってみた。

本殿に向かう石段の登り口にある鳥居の脇には、「砂の器 記念碑」と彫られた立派な石碑が建っている。

 

頑張って急な石段を登ると本殿の前に出る。

いろいろお願いしても、神様も東京の人間までは手が周らないのではないかと思い、今回の「旅の無事」だけをお願いした。

注連縄は、小ぶりではあるが、あの出雲大社にある注連縄と同じ形をした重厚感のあるものだった。

また、一段下がった広場には四本柱で屋根のある土俵が作られている。

出雲の神様は、相撲に関連する神事を司っておられるのかもしれない。

 

木次線は山あいを走っていて、登りに差し掛かるとディーゼル・エンジンはうなりを上げ、「頑張っているぞ!」と感じさせてくれる。

逆に、平らだったり下りになったりすると、軽やかなエンジン音を響かせ心地よい走りを見せる。

漂ってくる排気ガスの匂い、時々生じる舌を噛みそうになるほどの縦揺れなどが、楽しい路線であった。

この路線は「撮り鉄」さんたちにも人気があるのか、カメラを提げた人を何人も見た。

それはそうと、亀嵩(かめだけ)、木次(きすき)、宍道(しんじ)など、ちゃんと読めずに恥をかきそうな駅名が多いこと。

 

 

 


旬の「するめいか」で一杯

2022-09-12 | グルメ

食事に出かけると、お奨めのメニューに「するめいか」があった。

するめいかはこれからが旬のようだ。

 

「するめいかとセロリの塩・レモン」は、私にとって始めての食べ方である。

細く切られたイカとセロリに塩味がついていて、好みならレモンを絞ってもいい。

私は、料理にレモンが添えられていても、まず、それを使うことはない。

若いころからそうであった。

レモンがついてくると、何もかもレモンをかける人もいるが、料理がレモン風味になってしまうのが嫌なのである。

芋焼酎の香りとほのかに感じる甘みはそのままに、塩味のイカが良く合う。

 

〆は、このところ変わることなく、冷たいうどんにする。

冷麺っぽく載せられているキムチが食を進め、結構食べたあとでも、キンと冷えた出汁の利いたこのうどんは入ってしまう。

 


取って(撮って)みたくなるお月様

2022-09-11 | 日記

昨日は仲秋の名月。

俳句にさしたる興味がない私も、小林一茶の句「名月をとってくれろと泣子哉」は知っている。

夜になって空を見上げるとまん丸のお月様(満月)が出ていた。

街灯の少し上、手が届きそうではないか。

子供ならずとも、手に取ってみたくなるが、それは叶わぬこと。

まん丸お月さんを、スマホを取り出してパチリ!。

 

 


ロウバイのタネ

2022-09-10 | 花木

遊歩道の脇に10本ほどの「ロウバイ」が植えられている所がある。

毎年春も浅い頃、透明感のある黄色い花を楽しむことができる。

たまたま青々と葉が茂ったてっぺんを見上げて見ると、実がついていた。

 

干からびた実をつけた小枝を折ってみた。

 

殻を裂いて、中の種子を取り出してみる。

小豆ほどの大きさの種子が出てくる。

蝋梅は「梅」の字が用いられているが、この実もタネも梅とは全く異なる。

来春、芽が出るのかどうかを楽しみに、植木鉢に蒔いてみようかと思っている。