「旧日立航空機株式会社 変電所」
それは、東大和市(東京都)の都立東大和南公園の中にある。
紅葉が真っ盛りで、公園内を散歩するにはとても良い日だった。
紅葉に囲まれた運動場の周りを歩いていくと、「旧日立航空機株式会社 変電所」の建物が目に入る。
東大和市は、空襲に痛めつけられた建物を後世に伝えるべく、市の文化財に指定したという。
そして、補強、改修工事をしたうえ、現在は水、日の週に二日公開している。
近くまで寄ると、壁面には、こっぴどくやられた銃弾の痕が痛々しい。
建物内部に入ると、ボランティアの方であろうか、親切に説明をして下さる。
お話によると、これは機銃が撃ち込まれて、壁に開いた穴だという。
二階、変圧器の鉄板を打ち抜かれた痕も残っている。
内部に残る設備の一部。
「西の原爆ドーム 東の変電所」と言われているそうだ。
ここにあった工場は、何回もひどい空襲を受けた。
変電所と給水塔を残し壊滅的被害を受け、尊い多くの人命も失われたという。
一帯は広い公園に生まれ変わっているが、地元の努力により「すさまじい攻撃の痕」は保存されている。
外壁に残るたくさんの弾痕を見ると、撃ち込まれる弾の下にいたらどれほど怖かったであろうか。
平和のありがたさを改めて認識したのだった。