幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

平和の尊さを知る「旧日立航空機(株)変電所」

2021-12-01 | 歴史

「旧日立航空機株式会社 変電所」

それは、東大和市(東京都)の都立東大和南公園の中にある。

紅葉が真っ盛りで、公園内を散歩するにはとても良い日だった。

 

紅葉に囲まれた運動場の周りを歩いていくと、「旧日立航空機株式会社 変電所」の建物が目に入る。

東大和市は、空襲に痛めつけられた建物を後世に伝えるべく、市の文化財に指定したという。

そして、補強、改修工事をしたうえ、現在は水、日の週に二日公開している。

 

近くまで寄ると、壁面には、こっぴどくやられた銃弾の痕が痛々しい。

 

建物内部に入ると、ボランティアの方であろうか、親切に説明をして下さる。

お話によると、これは機銃が撃ち込まれて、壁に開いた穴だという。

 

二階、変圧器の鉄板を打ち抜かれた痕も残っている。

 

内部に残る設備の一部。

 

「西の原爆ドーム 東の変電所」と言われているそうだ。

ここにあった工場は、何回もひどい空襲を受けた。

変電所と給水塔を残し壊滅的被害を受け、尊い多くの人命も失われたという。

一帯は広い公園に生まれ変わっているが、地元の努力により「すさまじい攻撃の痕」は保存されている。

外壁に残るたくさんの弾痕を見ると、撃ち込まれる弾の下にいたらどれほど怖かったであろうか。

平和のありがたさを改めて認識したのだった。