小諸城址(長野県小諸市)では25日まで桜まつりが行われている。
多くのお城がそうであるように、小諸城も明治維新を迎え廃城となった。
その後、立派な公園に生まれ変わり、小諸の「懐古園」という名称は知らぬ人は無いのではなかろうか。
まず、「大手門」の見学から。
懐古園からはすぐ近くだが、今は市街地の中にある。
瓦葺の重厚な構えである。
大手門から、しなの鉄道の線路をくぐる通路を進むと、「三の門」にでる。
小諸城のユニークなのは、城下から見ると低い位置にあり、大手門から緩やかに下っていく感じになるのだ。
多くのお城が、本丸をめがけて登っていくのと逆になる。
この城の石垣は、自然の石をほとんど加工せずに積んであるように見える。
ゴロゴロとした石は、その辺から運んできた石そのものである。
天守台跡の石垣も、石がそれほど加工された形跡はない。
天守台跡に上ると、眼下に満開の桜が広がる。
そして、目を遠くにやると、雪をかぶった北アルプスの山が連なるのが見える。
アルプスの残雪と満開の桜、信州ならではの景観である。
園内をさらに進むと、その先は千曲川になる。
こちらから攻めるには、川を渡り、きつい斜面を登らなければ城には近づけない。
まさに、自然の作った要害と言えよう。
千曲川を見下ろす場所の近くに、島崎藤村の詩碑がある。
「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子かなしむ・・・」
新型コロナのせいか、桜の見ごろの時期にしては、人出はそれほど多くないという印象だった。
存分に、「日本100名城」に挙げられる城跡で、「日本さくら名所100選」に選ばれたさくらを見た一日であった。