幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

小諸城址(懐古園)

2021-04-10 | お城

小諸城址(長野県小諸市)では25日まで桜まつりが行われている。

 

多くのお城がそうであるように、小諸城も明治維新を迎え廃城となった。

その後、立派な公園に生まれ変わり、小諸の「懐古園」という名称は知らぬ人は無いのではなかろうか。

 

まず、「大手門」の見学から。

懐古園からはすぐ近くだが、今は市街地の中にある。

瓦葺の重厚な構えである。

 

大手門から、しなの鉄道の線路をくぐる通路を進むと、「三の門」にでる。

小諸城のユニークなのは、城下から見ると低い位置にあり、大手門から緩やかに下っていく感じになるのだ。

多くのお城が、本丸をめがけて登っていくのと逆になる。

 

この城の石垣は、自然の石をほとんど加工せずに積んであるように見える。

ゴロゴロとした石は、その辺から運んできた石そのものである。

天守台跡の石垣も、石がそれほど加工された形跡はない。

 

天守台跡に上ると、眼下に満開の桜が広がる。

そして、目を遠くにやると、雪をかぶった北アルプスの山が連なるのが見える。

アルプスの残雪と満開の桜、信州ならではの景観である。

 

園内をさらに進むと、その先は千曲川になる。

こちらから攻めるには、川を渡り、きつい斜面を登らなければ城には近づけない。

まさに、自然の作った要害と言えよう。

 

千曲川を見下ろす場所の近くに、島崎藤村の詩碑がある。

「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子かなしむ・・・」

 

新型コロナのせいか、桜の見ごろの時期にしては、人出はそれほど多くないという印象だった。

存分に、「日本100名城」に挙げられる城跡で、「日本さくら名所100選」に選ばれたさくらを見た一日であった。