和同開珎
先日のハイキングで登った蓑山の下山は、秩父鉄道の「和銅黒谷駅」側に下るコースを採った。
ガイドブックにも、このコースがよく紹介されている。
和銅黒谷駅の駅舎は、レトロないい雰囲気が残っている。
この駅と国道140号を挟んだ反対側に和銅遺跡がある。
ここで算出した銅が献上され、それを機に年号は「和銅」と変わったのだという。
日本通貨発祥の地として、遺跡には「和同開珎」の大きなモニュメントが建っている。
そばを流れる沢の向かい側の斜面に露天掘りのあとがある。
上から流れ落ちて来たような灰色の泥を手に取ってみた。
粘土質ではない、砂のような触感がした。
沢に架かっている橋を渡り、反対側の急斜面の階段を登る。
息を切らせながら登ると、銅が採掘されていた跡を真上から見ることができた。
「和同開珎」について習ったのは中学生の頃だったろうか。
手元の歴史年表を引いてみると、”708(和銅1)武蔵国 和銅献上 改元”とある。
和同開珎の材料となった銅は、秩父の山中、まさにこの地で採掘されたものだったのだ。