ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

「静謐な丘」へようこそ! 「憑き物の丘の家」はこちらではありませんからご注意を。

2006-07-22 | 映画
この基(もと)のゲーム、持ってはいるが、きちんとやったことがない。

しかし、根本がアドベンチャーゲームで、マルチエンディングでもあり、決定的に「正しい」ストーリーがあるわけではないと聞いている。だから、UFOエンディングなんていう意表を突いたラストもあるのだという。

取りとめもない話だったらどうしよう、と思ったらなかなかしっかりした作品じゃないか!

夢遊病の娘。うなされては口にする街の名。「サイレント・ヒル」。

この九歳の養女シャロンが口にする街が実在すると知った母ローズは、夫の止めるのも聞かず、今は封鎖された《ゴースト・タウン》だというこの街に向かって車を走らせる……。

静止しようとする女白バイ警官シビルとの出会いとか、柵で封鎖された街であることとか、異様な様子が提示されるが、娘の夢遊病が危機的状態にあるため、ローズは暗い夜道もものかは、ひたすらにサイレント・ヒルを目指す。しかし、突然車の前を横切った子どもの影を避け、車はスピン。ローズは気を失う……。

ローズが目覚めるとあたり一面は真っ白な霧に包まれ、かえって異様に明るい。助手席側のドアが開いており、そこにシートベルトをして乗っているはずのシャロンがいない!

「サイレント・ヒルへようこそ」

大看板に迎えられ、しかし、ローズはそれどころではない。シャロンを求めて霧の中へ駈け出す。霧に、灰が混ざって降っているらしい……。

シビルの再登場、ローズに手錠を掛け逮捕を宣言したかと思うと、爛れた肉の塊のようなクリチャーに襲われる、と、まあ、快テンポで映画は進み、不可解な場面(鐘の音が響くと突然遅い来る闇。闇に潜む怪物。顔のある巨大ゴキブリの群れとか)が続き、見る者を圧倒する。

……オチは語らずに、しておくが、まあ、バジェットの明らかな違いで「ネイムレス」とか「ダークネス」なんかよりは遥かに豪華だな。

怖い映画(ホラー)が好きな人、嫌いじゃない人は見て損がないだろう。

ゲームの映画化作品では「バイオハザード」と並ぶほどだと評価しちゃおう!

*“House on Haunted Hill”の旧作ではなく、リメイク版の日本公開題名は「TATARI」という。ロバート・ワイズ監督の「たたり」の原作はシャーリイ・ジャクスンの「山荘奇譚」で、その原題は“The Haunting of Hill House”。だから、リチャード・マシスン原作の幽霊屋敷映画は“The Legend of Hell House”で、同時期の「エクソシスト」がカタカナ題名でヒットしたためポスターまで用意されていた「地獄邸の伝説」という公開題名は没になった。

*なにが言いたいか? Hillの街なんて、由緒正しく憑き物がしているに決まっている、ということです。