ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

「プリンス・オブ・ダークネス」ではないぞ。

2006-07-04 | 映画
ダークネス」(ジャウマ・バラゲロ監督)を見た。

先ずは、この作品のイントロダクションだ。

レジーナ(アンナ・パキン)の一家は神経症を患う父マーク(イアン・グレン)の療養のため、アメリカからスペインの郊外へと引っ越してきた。この町はかつてマークが生まれ育った場所で、祖父アルベルト(ジャンカルロ・ジャンニーニ)もこの地で医師として働いている。一家は、緑に囲まれた静かな家で楽しい生活を迎えようとしていた。だがやがて、家の中で原因不明の停電をはじめ怪異な現象が度々発生するようになり、幼い弟ポールは怯え、マークも情緒不安定になっていく。原因がこの家にあると感じたレジーナは調べを進めていくうち、仲介の不動産業者も不明だったこの家の、唯一の手がかりだった設計者から、四十年前に7人の子供が失踪し、見つかったひとりの証言も要領を得ず、結局六人が失踪したまま迷宮入りとなった事件とこの家が関係あるらしいと知る。そして、この家は魔術的な意味を持って設計されているとわかる……。

「シャイニング」のような状況の父親。

「ブレア・ウイッチ」のラスティン・パーの被害者か、はたまた、「シャイニング」のエレベーター前の双子か、それとも「キングダム」ででもあるのかという感じで、闇にちらつく子どもたちの姿。

「リング」のように、次第に解きほぐされていく謎。(合理的な解明の、真反対に解明されてはいくのだが)。

ウロボロスの蛇。三人の老婆。皆既日食の訪れ。

……実に雰囲気のある、面白い作品だ。

そしてラストの見事なダウン・ビートっぷりも!!!、お勧めできる。

表題に「プリンス・オブ・ダークネス」ではないぞ、と書いたが、いやいや、闇の公子ものではないだけで、ほとんど「クトールゥ神話」的である。原初の闇が、禍々しい儀式によってこの世を再び覆うという想が、普通のホラーではなく、コズミック・ホラーっぽいじゃないか!

と、思っていたら「ネイムレス/無名恐怖」という、ラムゼイ・キャンベル原作の映画を監督しているよ、この監督!

うー。それでは、次は「ネイムレス」を見なければ!

*「プリンス・オブ・ダークネス」といえば、ジョン・カーペンターの「パラダイム」である。

*コズミック・ホラーっぽい作品といえば、ジョン・カーペンターの「マウス・オブ・マッドネス」。