湯原修一の歓喜悦慶と聊かの慷慨憂愁, etc.

いつとはなしに眠りにおち微風を禿頭に感じて目が覚める。
このような生活に変わったらブログが更新されないかもしれません。

♡ ノーベル生理学・医学賞受賞を喜ばれているであろう「北里柴三郎」さん

2015年10月06日 14時48分51秒 | 瓶覗色の思い[歓喜悦慶]
☆☆☆☆☆☆☆☆ おめでとうございます ☆☆☆☆☆☆☆☆

 「大村智」さん(北里大学特別栄誉教授)が
  2015年の「ノーベル生理学・医学賞」を受賞されました。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


経歴を拝見しますと、
1965年に北里研究所に入所されて以来多くの期間を
同研究所、北里大学及び関係機関でご活躍されてこられたようです。

北里大学は、その名称にあるように
「北里柴三郎」さんが1893年に設立された「土筆ヶ岡養生園」を源流とする大学です。
天下(?)の東京帝国大学と対立されて中央から疎んじられたため(?)、
「北里柴三郎」さんの業績をよくご存じない方もおられるかもしれませんが、
郷土(熊本県)生まれの偉人です。


今回目出度く「大村智」さんがノーベル賞を受賞されましたが、
「北里柴三郎」さんはノーベル賞が創設された1901年の
第1回「ノーベル生理学・医学賞」を受賞されてもおかしくなかった方です。

第1回の同賞受賞者はドイツ人の「エミール・アドルフ・フォン・ベーリング」さんで、
「ジフテリアに対する血清療法の研究」で受賞されていますが、
当人も認めておられるように、
この研究は「北里柴三郎」さんが中心になって行われたものとも云われています。

  「北里柴三郎」さんが受賞できなかった理由として、
   ・共同研究していたにもかかわらず
     「ベーリング」さんが単独名で発表した論文があったから
   ・賞選考の際に人種差別の意識があったから
  などと云われていますが、
  その当時に現在のような共同授賞の考え方があったなら、
  「北里柴三郎」さんも受賞されていたのかもしれません。


ちなみに、「北里柴三郎」さんの生誕地である熊本県阿蘇郡小国町に
北里柴三郎記念館」があります。

「大村智」さんは、
偉大な先輩である「北里柴三郎」さんの記念館を何度も訪れています。
いつか、今回の受賞の報告に来られるのかもしれません。

  「北里柴三郎記念館」は熊本県北部の奥深く入り込んだ山間にありますが、
  私も20年前頃に子供4人を連れて家族で訪れたことがあります。    
  当時は小さい家が1軒あっただけと記憶していますが、
  同Webサイトには「2014年にグランドオープン」とありますので、
  施設が充実されたのでしょう。
  辺鄙なところにありますが、近くに行かれる機会がありましたら
  立ち寄られてはいかがでしょう。

◇ ジョギングがてらに買った108円の本

2015年10月05日 23時19分33秒 | 日常・その他
10月に入り朝夕が涼しくなってきたので、
久しぶりにジョギングしました。(ずっと、サボっていました)

  ジョギングするときに携行するのは次の四つです。

    ・ハンドタオル
    ・住所・氏名・自宅電話番号を書いた紙
       ※途中で万一心臓発作等で倒れたときのためのもの。
         身元不明死体にならないための備えです(*)。
    ・小銭
       ※喉が渇いたときに自販機で飲物を買うためで、
         今回は250円をポケットに。
       ※途中で体調が悪くなったときに公衆電話から自宅へ
         電話して、救助を頼むため(*)。
    ・ウォークマン
       ※今回は充電していなかったので携帯せず。

        * : この心配性が心臓発作の原因になりかねませんが。


コースの途中に「BOOK-OFF」がありますが、
ブランクがあり息切れしてきたのでインターバルがてらに立ち寄りました。

  街の本屋さんで立ち読みすることはありますが、
  「BOOK-OFF」さんに入ることは年に1回もありません。

店に入るときには買うつもりはなかったのですが、
ポケットに250円あることを思い出しました。
これで買えるものはないかと、棚に並んでいる本の背表紙を見ていきました。

何気に見ていくうち、
読んでみたいと思っていた本のことを思い出しました。

「ドストエフスキー」さんの「カラマーゾフの兄弟」(**)と
「東海林さだお」さんの「丸かじりシリーズ」(***)です。
 
     ** :「カラマーゾフの兄弟」は若い頃(10代(?))のときに
        上・中・下を揃えましたが、数十ページで投げ出していた小説です
        図書館から今借りている「TRANSIT 第27号 美しきロシアとバルトの国々」
        の中にこの本のことが書かれてあり(30代、50代、70代で違った
        楽しみ方ができる)、再挑戦してみようという気になっていたのです。
    *** :「丸かじりシリーズ」は全部で40巻近く発行されているはずですが、
        家には30巻くらいあるので、未だ読んでいない巻のことです。

「ドストエフスキー」は偉人で「東海林さだお」は奇人ではないか!
両者は "月" と "スッポン" 、"禿げ" と "フサフサ" 。
あなたの好み(選定)はおかしい!
と指摘される方があるかもしれませんが、
「東海林さだお」さんは露文科中退(****)ですし、あながち無関係とは言いきれません。

   **** : 自身のエッセイで書かれていますが、
        露文科に入った理由は
        『「ドストエフスキーのあの小説は ・・・」などと語ったらモテるかもしれない』
        という不純な動機だったそうです。
        結局、難しいロシア語に挫折して中退されたとのことです。

それに「東海林さだお」さんは数々の受賞をされている方です。
もしかしたら、没後50年を過ぎたら末席くらいで "偉人" の仲間入りをされるかもしれません。

 ・文藝春秋漫画賞
 ・講談社エッセイ賞
 ・菊池寛賞
 ・紫綬褒章
 ・日本漫画家協会賞大賞
 ・旭日小綬章


「BOOK-OFF」さんの棚に「カラマーゾフの兄弟」がありました。
ただし置いてあるのは3巻ものの「上巻」だけでした。
それに250円では足りない値段がついていました。

日本人作家の「さ行」の棚を見ていくと、ありました。
「東海林さだお」さんの「丸かじりシリーズ」が数冊。

その中で家にないのは「鯛ヤキの丸かじり」だけでした。
青い値札シールには「¥108」と印字してありました。

  余裕で買えます。(250円が大金に思えました)

3巻で2000ページほどもある「カラマーゾフの兄弟」と比べると
「鯛ヤキの丸かじり」は約250ページです。

軽い本(重さも内容も)を右手に持ち、
夕食の時刻に間に合うよう、走ったり歩いたりしながら帰りました。


帰ってから、
気になっていた青い値札シールを慎重に剥がしました。
(青いシールの下に赤いシールが貼ってあったのです)
現れた赤いシールには「\300」と印字されていました。

「掘り出し物だった」と喜んだのものの、ふと考えました。
  これは、店側の販促のための小技の一つで、
  特価品ということを印象づけるために始めから2枚重ねて
  貼ってあったのではないのかと。

   たぶん、以前300円で売られていたものが値引きされた
   ものなのでしょうが ・・・

        斜めにものを見る悪い癖がある素直でない私です。

◇ 蚊に刺された頭に泣きっ面(?)

2015年10月03日 23時37分59秒 | 日常・その他
今日(3日)は父の月命日でした。

  月命日には住職さんにお出で頂きお経をあげてもらいます。

    今年は父の13回忌になりますので、今月末に年回忌法要をする予定です。
    そのときは東京に住む姉夫婦や静岡にいる長男も集まる予定です。

  このように書くと、いかにも信心深い人間と思われるかもしれませんが、
  お経をあげていただくときに私が仏壇の前に座っていることはまずありません。
  専ら母一人で住職さんに対応します。

月命日に関しての私の役割りは、
前日頃に、お供えする「花」と「菓子」を買ってきておくことです。

  「菓子」は仏様にお供えしたあと、お下がりとして頂きますので、
  菓子を選ぶときの判断基準は「私が食べたいと思う物」ということになります。
  (お経は聞かずとも、お下がりの菓子を食べ忘れることはありませんので)

今回買ったのは「香梅」さんの季節(秋)の生和菓子です。

「唐錦(練り切り)」 ※195円(税込) 以下同じ   「銀杏(鹿の子)」
 

「白菊(薯蕷饅頭)」                  「紅葉(練り切り)」
 

「りんご(外郎)」(左)と「黄落(薯蕷きんとん)」


住職さんは昼前に帰られましたので、お八つにお下がりを頂くことになりました。

  一緒に住んでいる家族は5人で、菓子が6個あるので私は2個食べるつもりでいました。
  2個食べるつもりではいますが、はじめから「私が2個食べる」とは言い出しません。
  黙っていても「肥後のイッチョ残し」(*)で1個残ると踏んでいますので、
  他の者が一個づつ食べた後、余った一個をみて
  「誰も食べないなら、勿体ないので私が食べて "あげる"」といい、
  "しかたがない" という風を装って頂戴するのです。

    * : 「肥後のイッチョ残し」の "イッチョ" とは、ひとつや1個の事。
       熊本人は大皿の料理(餃子や唐揚げなど)を大勢で食べる時、
       なぜか必ずひとつだけ皿に残ってしまう。
       最後のひとつは遠慮して誰も手を出さない行為を
       「肥後のイッチョ残し」と言う。
       他の地方にも似たような言い方の言葉はあるようだが、
       熊本ではこの「肥後のイッチョ残し」に出くわす機会が多い。
                        -九州あるある大事典より-

私が狙っていたのは「りんご」と「銀杏」でしたが、
お八つには「りんご」を食べることにしました。

  最後に「銀杏」が残るか否かは運次第です。


「りんご」を食べたあと、先週耕しておいた家庭菜園に野菜の種を播きに行きました。

  家庭菜園のある一角は、耕していないところが草ボウボウになっています。
  今の時期は蚊が沢山いるので、家を出るときに虫よけ液を腕や首筋に塗っていきます。

陽も陰りはじめた夕方だったので
畑に着くと、「待ってました」とばかり藪蚊が襲ってきました。

私に沢山の蚊が纏り付きますが、防護した腕にはとまりませんでした。

頭がチクッとしました。
キャップを被ってこなかったことに気付きました。
髪の毛を "薄く短くしている" 私の頭は無防備だったのです。
( "毛点" のあるところか "盲点" だったのです)

頭を蚊に刺されないように時々左手で頭上を払いながら種を播きましたが、
それでも何ヵ所か刺されたと思います。
(髪が薄い人には、頭皮を負傷しやすいというハンディと、
  雨の降り始めをいち早く察知できるというメリット(?)もあります)

  播いたのは「大根」、「ニンジン」、「青梗菜」、「春菊」です。


家に戻ってからカヅちゃんに、お菓子は全員食べたのかを尋ねました。
全員食べたとのことでしたので、
"肥後のイッチョ残し"となっているものを然りげ無く探しました。

見つかったのは「白菊」でした。
カヅちゃんに、『「鹿の子」は誰が食べた?』とききました。

『私が食べた』とのことでした。

  ああ無情。
  カヅちゃんには、食い意地が汚い私の狙い所が読めていたのかもしれません。
  もちろん、「私が食べるはずだったのに」なんてことは言えませんでした。


今日は私にツキがありませんでした。(不信心のバチが当ったのでしょうか)
「泣きっ面にハチ」ではなく「蚊に刺されたアタマに泣きっ面」となりました。

◇ 二次創作的「竹取物語」

2015年10月02日 15時02分34秒 | 日常・その他
今週の9月27日は中秋の名月でしたが、「かぐや姫」についての創作小話を ・・・

(前略)
(中略)

「かぐや姫」が腕を振るたびに
袂から打ち出の小槌のように砂金が溢れ出てきました。

金本位制に回帰するやもしれぬという情勢の中、
それを見た5ヵ国の首脳は「金」欲しさに、
『是非私の側室になってください』と言い寄りました。

5人の面相を見た「かぐや姫」は気が進みませんでしたが、
『もし私の願いを叶えてくれたら側室になります』と応えました。

   その願いは「核戦力を廃絶する」というものでした。



5人の首脳は「かぐや姫」に言いました。

・「ウラジーミ○・プーチ○」さん
   第三者も入れた合同のチームで
   プロセスを含めた検証が行われるのであれば前向きに検討する。

・「バラ○・オバ○」さん
   私には受け入れる意思があるが、
   戦争好きのネオ○ン連中から暗殺されかねないので約束できない。

・「ア○・シンゾ○」さん
   空自、海自、陸自の各戦力( "核戦力" を勘違いしている)は既にあるが、
   角(田中角○さんのこと)戦力は謀略によって潰されたので今はない。
   核製造工場だったと疑っている輩もいる福○原○については、
   メルトスルーしていてコントロールできない ・・・
     ところで、何の話でしたっけ?

・「シュ○・キンペ○」さん
   まだアメリカ及びロシアとの間で相互確証破壊(*)が成立していない。
   2020年頃までには移動式核戦力(戦略原潜等)の配備が完了する。
   その暁に、あらためて3か国対等の立場で核廃絶について話し合うことにしたい。

・「キ○・ジョンウ○」さん
   今休戦中だし試射準備中だ、それどころではないときに余計な話を持ち出すな。
     よく考えたらワシ自身が "金" だ。
     それに、綺麗どころの金( "キン" ではなく "キム" )はワシの周りに
     沢山いるので、砂金など要らん。

      * : "相互確証破壊" とは、一方が核兵器を先制的に使えば最終的に
         双方が必ず核兵器により完全に破壊し合う(双方の国とも壊滅する)
         ことを互いに確証するもの。
         理論上、相互確証破壊が成立した2ヵ国間での核戦争を含む戦争は
         発生しないことになるそうです。

  
結局、「かぐや姫」の願いを聴き入れてくれそうな者は一人もいませんでした。
(うち一人は「かぐや姫」の願いを理解困難であったため)
6000年を経ても直らない人間の愚かさに、見切りをつけた「かぐや姫」は
月から迎えに来たUFOに乗って去って行きました。

  「かぐや姫」が去ったあと、
   キョトンとしていた「ア○・シンゾ○」さんが、
   突然訳の分からないことを言い始めました。

     『「かぐや姫」の正体は韓○大統領の「パ○・ク○」さんではないか』
     『だって、元大統領の「パ○・チョン○」さんが "竹" 取の翁だから、
        その娘の「パ○・ク○」さんは「かぐや姫」ということになる ・・・』

            もちろん、取り合ってくれる首脳は誰もいませんでした。


「かぐや姫」からの報告を受け、
地球監視衛星でもある月の裏側では、
地球浄化のための準備が進められることになりました ・・・・・・


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[ご参考(になるかどうか)]

 「うつぎれい」さんのブログで月の裏側の画像(google moon)が
 紹介されています。→ そのブログ記事
 その画像は日本が打ち上げたJAXAの月面探査船「かぐや」が撮ったものです。
 「かぐや」は巨額の費用のプロジェクトでしたが、
 世を惑わすような不都合な物が写り込んでいるのか、
 撮られた画像のほとんどが非公開になっていると云われています。

   ※月面の人工物("人工" と言ってよいのか?)について時々話題になりますが、
     この画像を見てどう思われるかは、人それぞれです。
     なお、このサイトの信頼性については確認していません。
    
      上の文章(取り消し線入り)は誤解を招く恐れがある不適切な表現だったので
         次の文章(青色字)へ修正させていただきます。  <修正日:2016.11.20> 
   

     なお、「うつぎれい」さんのブログには他にも興味深い記事が沢山載っている
     ようです。(まだ全てには目を通していませんが)

   ※JAXAさんの月面探査プロジェクトについては
     同組織のWebサイトをご参照くさい。

◇ ヤブラン(藪蘭)はスイセン(水仙)のお母さん?

2015年10月01日 23時54分40秒 | 庭の草木や生き物たち, etc.
庭に咲いていたヤブラン(藪蘭)です。
(1種間ほど前に撮ったものです)


ヤブランは名前のとおり、近くにある山の藪の中にも多く自生しています。
家の庭には何株か生えています。

特に構ってあげなくても元気に育ち、年々株が大きくなっていきます。
秋にかけて淡紫色の花を咲かせます。

  ヤブランは "ラン(蘭)" とい字がついていますが蘭の仲間ではありません。
    ヤブラン → キジカクシ目のキジカクシ科
    春蘭・寒蘭・富貴蘭など → キジカクシ目のラン科
  葉の形状が春蘭などに似ているのでヤブランという名前がつけられたのでしょうか。

モミジの木の下に生えている別のヤブランです。
近くに白と黄の曼珠沙華も咲いていました。



  -ここで、?と思われていたはずの記事タイトルの説明に移ります-

   ヤブランの学名は「Liriope muscari」で、別名「リリオペ」とも呼ばれています。
   「リリオペ」はギリシャ神話に出てくる泉の妖精の名に因んでいます。
     
   泉の妖精「リリオペ」はケフィソス川の神「ケフィソス」との間に子を設けます。
   その子が「ナルキッソス」で、
      泉に写った自分の姿に恋をして離れられなくなり、
      しだいに痩せ細って消えてしまい水仙になったという、
       "ナルシシスト" の語源になった美青年です。         
      
   ということで
   「ヤブラン(別名リリオペ)はスイセン(学名ナルシサス)の母にあたる」と
                                 こじつけた次第です。


ヤブランは山野の日蔭や半日陰で育ち、地味で清楚な花を咲かせます。
意外と、シックな装いを好むナルシシストかもしれません。


・・・・・・・・・・・ ギャラリー 032 (「ナルキッソス」さんを描かれている絵) ・・・・・・・・・・・
                          ライセンス(3点とも): (パブリック・ドメイン)

 ◆タイトル:ナルキッソス(Narcissus)

 ・画家:カラヴァッジオ(Caravaggio)
 ・制作年:1594年 - 1596年
 ・収蔵:パルベリーニ宮(国立古典絵画館)<イタリア>


 ◆タイトル:ナルキッソスとエコーのいる風景(Landscape with Narcissus and Echo)

 ・画家:クロード・ロラン(Claude Lorrain)
 ・制作年:1644年
 ・収蔵:ナショナル・ギャラリー<ロンドン>

    ※タイトルにある「エコー(Echo)」は美しい声を持つ妖精です。
    ※「ナルキッソス」と「エコー」の話はつぎのようなものです。

      エコーはおしゃべりが好きな妖精でした。
      エコーは浮気中のゼウス(全能の神で浮気者)を探しにきた妻ヘラを
      得意のおしゃべりで引き止めて、ゼウスの浮気がバレないよう手助けしました。
      ヘラは怒ってエコーに罰を与え、自分から話すことができないようにしました。
      エコーに許されたのは相手が喋った言葉の末尾を繰り返すことだけでした。
      ある日、エコーは美しい青年ナルキッソスに恋をします。
      しかしエコーは彼の言葉の末尾しか繰り返せません。
      不機嫌になったナルキッソスはエコーを冷たくあしらいます。
      エコーは悲しみのあまり姿を失い、ただ声だけがそこに残りました。
      この様子を見ていた女神ネメシスは他人を愛せないナルキッソスを
      自分しか愛せなくなるようにしました。
      ある日、ナルキッソスは泉の水面に写った自分に恋をします。
      彼はそこから離れられなくなり毎日水面に写る自分を見つめ、
      しだいにやつれはて、水仙になってしまいました。
      ナルキッソスがいた場所には水面に写る自分の姿を見つめるように咲く
      水仙の花があるだけでした。

        こだま(反響)を意味する言葉「echo(エコー)」は、
        この妖精の名(エコー(Echo))からきています。
        水仙の学名「Narcissus(ナルシサス)」は、
        ナルキッソスからきています。
          そして花言葉は「うぬぼれ」、「自己愛」です。


 ◆タイトル:エコーとナルキッソス(Echo and Narcissus)

 ・画家:ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(John William Waterhouse)
 ・制作年:1903年
 ・収蔵:ウォーカー・アート・ギャラリー<イギリス リバプール>

    ※泉の周りに水仙が描かれています。