Chance is with the music

音楽を糧にしつつ、日々を過ごしてます(家主:yucca)

GRAPEVINE@JCBホール

2008-09-28 23:57:46 | LIVE
バタ犬解散後最初に観に行くライブということで、いつもより少しだけ特別な思いで迎えた今回のライブ。思えば、あっちの解散ツアー日程が発表された時には「じゃあ9/28のバインライブは傷心モードを癒してもらうライブだ!」と決めて、空回りぎみに自分を励ましていたものでした。何はともあれ、この時期にバインのライブがあってマジで良かったです。さすが私の愛する兄さんたちだ!(←何様)

というわけで、初めて足を運んだJCBホール。あんまり下調べせずに行ったら、いきなりエスカレーターで地下にもぐるわ、ロビーにはカウンターやスツールがあってきれいだわ、ペットボトルホルダーがカラビナだわ、自販機で売ってるブリックパックの飲み物が150円だわと、とにかく驚きの連続でした。しかしそれ以上に驚いたのは、やはりホールの構造。アリーナから見上げても、3階席が近いのがよくわかる。1階席なんてVIPシートかとすら思いました。今後機会があれば、長丁場のライブのときなどはぜひ座ってみたいです。

今日のライブは開演前に片平さんがDJでご登場。2月のクラブサーキットではルーツミュージックとかブラック系主体だったと思いますが、今回は一転してかなり現代的な選曲でした。私は知らない曲ばかりでしたが、とても気持ちよく聞かせてもらいましたよ。

で、片平さんが退場後、少しの間を挟んでいよいよ開演。メンバーが登場すると、いつも以上に男性率の高いフロアの前方にさらに元気な男子たちが押し寄せてきたため、後ろ寄りにいた私の前にはあっさり壁ができてしまいました。あー、今日もメンバー観察は難しそうだなあ。

ようやく人の流れも落ち着きフロアが静まりかえったところで、高野さんの鍵盤が響く。1曲目、Sing。ゆったりとした音と田中のボーカルに、まずは心地よく身を任せようと音に聴き入ったまでは良かったのですが・・・あれ、音がなんか酷いんですけど(汗)やたらうるさいバスドラとこもりすぎなベースの音が、せっかくの名曲を台無しにしていますよ。まさに初めての会場の罠、あああ・・・。

さらに、人の壁の隙間からステージに目を凝らしたところでまた動揺。どこを探しても西川さんがいませんよ。ギターの音はしているのに、一体どこへ?そんな感じで音を堪能するヒマもないうちに、Sing終了。結局、この時の西川さんが実は座ったままでギターを弾いていたと知ったのは帰宅してからのことでした。ああ、相変わらずファンの予想の斜め上を行くお方です。

それでも、次のCORE→スレドニでは、音の太い曲ということもあり音の悪さもそれなりに紛れ。さらに、いつもにも増して絶好調らしき田中ボーカルがいきなり炸裂しまくりで、なんとも痛快。これはちょっとやそっとの音の悪さなんかに振り回されている場合じゃないぞ自分。

で、3曲終わったところでいつものようにちょっとしたMCが挟まれたのですが。ここで田中の口から「Sマップには負けへんぞーー!」という台詞が飛び出したものだから、場内大爆笑。実はこの時隣の東京ドームでは、Sマップのライブが行われていたのですよ。「言わんとこうと思うてたのに言うてもうたーー!」と笑顔でのたまう田中氏。しかしバインとSマップってよく考えるとほぼ同世代なんですよねえ。ゴローちゃんと田中氏がタメって、なんかすごくないですか(←何が)

で、「アルバート・キングに捧げるブルースロック!」という田中のシャウトと共に始まったSuffer The Child。これがやばかった!うねるベース、絡みつくような田中ボーカル、絶妙に隙間を埋めていくギター。ツアー前半戦や赤坂初日に聴いたときには、音源に近い雰囲気の音でしたが、それに比べると湿度が30%くらいアップしたような、それでいて不思議と心地よくまとわりつくような音色。たった3週間足らずの間に、何がどうなったらこんなことになるのか。このバンドの実力をまたしても垣間見た瞬間でした。

さらに、Suffer The Childのアウトロでどしゃどしゃーとなったところから、そのまま金やんのベース→亀ちゃんの威勢の良いドラムの順で冥王星のイントロになだれ込む。ステージが見えなくともその勢いありすぎな感じが伝わってきて、ここらへんはもう聴きながらニヤニヤが止まりませんでした。勢いが余りすぎたのか、続くジュブナイルまでテンポが速くなりすぎて雑になっていましたねえ、わはは。

そうしてイキのいい曲が一段落したところで、再び田中氏のMCがあったのですが。「ここからはオトナっぽい曲が多いんですが・・・自分の記憶や人の内面と向き合って聴いてくれるとええかなと思います」「3,000人が3,000通りの聴き方で楽しんでください」と、田中氏にしては珍しく、お客に対して具体的なメッセージを真面目に語ったのには驚きました。かと思えば「3,000人ってすごいなあ、ありがとうございます・・・(ここで客席の照明が点く)・・・おおおすごいなあ、Sマップには負けへんぞーー!」と叫ぶ一幕も。もしかするとこのへんは、初めてバインライブに来たお客をそれなりに意識してのMCだったのかなあとも思ったのですが、どうでしょうか。

そこから中盤戦は、想うということ→指先→スラップスティック→鏡→エレウテリアという流れ。オトナなミディアム曲の固め撃ちという点では近年のツアーと同様ながら、カオスだったりヘビーすぎる曲がないので肩の力を抜いて楽しめました。指先はやっぱり超名曲ですねえ。スラップスティックでは、亀ちゃんのコーラスがすっかり上手くなっていたのにひそかに感動しました。さすが、MUSICAの取材でファルセット王子と呼ばれただけのことはありますね!(←褒めてます念のため)

で、田中がギターをアコギに変えて、また始まるために。この時、いきなり歌から始まる展開にアクセントを付けたかったのか、曲の前にアコギで4つ5つくらいコードを鳴らしていたのですが。そのコードが微妙に、曽我部さんのテレフォン・ラブのしょっぱなのあの部分と似てたものだから、あのまま田中が「午前3時~」と語りだすんじゃないかと思ったのは私だけでしょうか。

続くランチェロは大好きな曲だし、この日の演奏も非常にいい感じだったのですが、なぜこのオトナゾーンまっただ中でやるのかがいまいち不可解ではありました。いや、セットリスト内の置き所が難しい曲ではあると思うのだけども。

中盤で圧巻だったのが、Two。まず長い長いイントロで、田中氏が鍵盤の音を聴きながら声を響かせていく。まるでオペラ歌手か呪術師かと思うほどに情感のこもったその声に脳がトリップしかけたタイミングで、やっと歌が始まって。そしてアウトロでは、西川さんのギターがこれでもかと言わんばかりにドラマチックに鳴り響く。ツアー前半戦から既にヤバかった曲でしたが、この日はまさに集大成という言葉にふさわしい演奏だったように思いました。

それにしても、この日の田中氏のボーカルはとんでもなかった。かなりの高音でさえ、終始信じられないくらい太い声で、しかもほとんどピッチがずれることもなく歌い上げていましたね。根拠はないけれど、あの大きなハコに自分の歌声を響かせることを、この日の田中氏はものすごく楽しんでたような気がします。あああもう、この日本一のボーカリストめ!(←何)

そしてオトナタイムの締めはWants。このとき、西川さんのコーラスがいつになくはっきり聴こえたのにはびっくりしました。幸いこの時は西川さんの顔が見えたのですが、かなり難しげなコーラスのせいか、いつも以上に神妙な顔で歌っていたのがやけにインパクト大でありました。

Wantsを歌い終わると、「はい、戻ってこいよー」と客席に語りかける田中氏。で、さらに「3階ー!・・・はい2階ー!・・・1階ー!」とバルコニー席を煽ったていたのが、これまた新鮮なパフォーマンスでした。つーかそこまで言ったなら、いちばん威勢の良いアリーナのお客も煽ってほしかった・・・

終盤戦は、いつものように水道橋の女たちへ。アンチ・ハレルヤでは「若いのだけが~」のところの1フレーズの歌詞をまるまる変えていましたね。あそこまでガラリと変えていたのは初めて聴いた気がします。フラニーでは、間奏での西川さんのギターにもほれぼれしましたが、金やんのベースもえらいことになっていて痛快極まりなかったです。FLYでは田中ボーカルを堪能。あああ、どれもこれもたまりません。

超えるは、このツアーでとてもバインらしい1曲になったなあという気がします。1年前のリリース時は自分的にあまりピンときてなかったので、余計にそう思うのかもですが。

で、本編ラストでGlare。赤坂も同じラストだったのですが、これが私にとってはツアー後半最大のツボでした。それまでの明るい流れから一転して、最後にあの曲で締めるだなんて反則すぎます。大サビ前の西川さんのソロとか、アウトロでの高野さんの鍵盤とか、もうたまらなくグッときてちょっと泣いてしまいましたってば。最後には「ありがとうー、ありがとうー、アリガットサン!」と田中が叫んで終了。

そしてアンコール。「それじゃあ古い曲を」と田中がつぶやいた後に鳴らされたのは、久々に聴くあのイントロ。望みの彼方!うわああ私これライブで聴くのいつ以来だっけ?何気にもう3、4年くらい聴いていないかもしれないぞお。これは感激モノだ。

が、実際に耳を傾けてみると、どうもわたし的には今回の望みの彼方はいまいちしっくり来ず。ぶっちゃけこの曲に関しては音源のイメージがあまりに大きいせいか、今の力強い田中ボーカルにむしろ逆に違和感を覚えました。昔の折れそうなボーカルのほうが良かったなんていうとお叱りを受けてしまうでしょうか。ああでも、今になってもう1度ちゃんと聴いてみたい気もしてきました。ごめんよ田中。

気を取り直して。望みの彼方のあとは、出ました、恒例のおやつターイム!今日の金やんのもとに運ばれてきたのは、「じゃがビー」「チョコポテト」「じゃがりこ」という似た形状のお菓子3種。いくらなんでもそれは多すぎだろうよ・・・(汗)

そこで何故か田中のフリにより、3個のお菓子をボール代わりにジャグリングを披露する金やん(笑)で、その後1個1個順番に振ってシェイカーに最も適したモノを選んだのですが。最初に「普通だから」と除外したはずのじゃがりこがぶっちりぎりで音がよかったため、結局じゃがりこを採用せざるを得なかったのには笑えました。さらに、金やんが田中に向かってじゃがりこを1本放り投げ、それを田中が見事にお口でキャッチ。ここまで来ると、もはや何のステージだかよくわかりませんってば(笑)

そんな感じで今日も楽しく報道が演奏され。ぼちぼちラストかなー、今日は何で締めるんだろー、と思いをめぐらせていたらば、次に耳に飛び込んできたのはまたもや意外なイントロ。公園まで!えええ、これはマジで肝臓ツアー以来じゃないか!きゃあああ。気持ち良さそうに、そしてとても優しげに歌う田中の表情や、アウトロでの西川さんの炸裂スライドギターに喜びを噛み締めた1曲でした。

今ツアーは基本的にどこもアンコール3曲だったので、ここで終わるかと思いきやなんと更にもう2曲、その未来とEveryman,Everywhere。最後に田中氏が酔っぱらっていたのはさすがにどうかと思いながらも、異例のアンコール5曲でしかもこの締めくくりかたというのは、やはりツアーファイナルに近い感覚なんだろうなあ、ああやっぱ兄さんたちさすがだわ、と噛み締めつつ、2時間半に及ぶ長丁場ライブは終了となったのでありました。

そんな感じで。視界や音の悪さはありつつも、それ以上にツアー終盤にふさわしくバンドの進化を感じまくることのできた、極めて濃くて楽しいライブでありました。赤坂2日目&横浜を泣く泣く欠席した無念さもやっと晴れましたよ。さあ、残すはツアーファイナル沖縄だ!バインのツアーファイナルを地方で向かえるのは初体験なので、あんなことやこんなことが楽しみで仕方ありません。田中氏、魂だけじゃなくてちゃんと体ごと沖縄に来てくださいね。桜坂セントラルで待ってますから。


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2 コメント

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こんにちわ。 (うー)
2008-10-02 12:47:58
ちらちらとブログを読ませていただいていましたが、初めてコメントさせていただきます。
「アンチ~」での歌詞替え。『また大胆に替えてきたなぁ…』と思った1秒後。『……これって佐野元春のSOMEDAYじゃん!!』
最前列に居たにもかかわらず、爆笑してしまいました。それにしてもよく噛まずに詰め込めたもんですね。
さすがは日本一のボーカリストです(笑)

沖縄行かれるんですね!羨ましい!ぜひまたレポートを読ませてくださいませ。
Unknown (yucca)
2008-10-02 23:20:02
>うーさん
はじめまして、ようこそです。
アンチの歌詞ネタ、衝撃の新事実をありがとうございます!
早速SOMEDAYの歌詞をググりました。
「若すぎてなんだか~」のところですね?
おかげで私も爆笑させていただきました。
まさか佐野元春とは、田中氏恐るべしですね(笑)
よかったらまた楽しいコメントをいただけるとうれしいです。

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