Chance is with the music

音楽を糧にしつつ、日々を過ごしてます(家主:yucca)

GRAPEVINE@浜松窓枠

2008-07-06 15:06:45 | LIVE
今回のバインツアーの私の開幕戦となったのは、ツアー初日より1週間、5本目となるこの浜松窓枠です。個人的には、バインをこの規模の地方のハコで観るのは相当久しぶりのことなので、いろんな意味で期待を膨らませての参戦となりました。

入場すると、勝手に想像していたよりもこぎれいで居心地の良さそうなハコ。しかし当然ながらステージが低くて視界が厳しそうなので、どうしよーかなーと迷った結果いちばん後ろのPAスペースの壁に寄りかかってみました。ここなら音は間違いないはず、たぶん。

そして開演。新しいSEが流れる中、なんとドラムセット裏の幕の向こうからメンバーが登場したものだからびっくり。こういう些細なことがいかにも地方ならではっぽくて、それだけで簡単に楽しくなってしまいます。

毎度予測のできないバインワンマンの1曲目。さあ今回はどうくる?と耳を傾けていると・・・聴こえてきたのは、田中氏のギター。おおお、CORE!先日のGetting Betterでもこの曲から始まりましたが、ツアーでも同様にもってくるとは、ちょっと意外。しかし、今のバインワールドを感じさせるという意味ではどの曲より即効性の高い曲だけに、一気に引きこまれます。

そして2曲目がジュブナイル。これまたワンマンでは新鮮な曲順ではないでしょうか。しかし後で振り返ってみると、個人的にこれまでライブでピンときてなかったジュブナイルが、この位置でならとてもしっくり聴けたことに気づきました。明るめの曲なのにサビで盛り上がりきれないあの感じが、ハマっていたのかもしれません。そしてそこからさらに冥王星になだれこみ。まるでバラバラなカラーの3曲が、こう並ぶとこうも痛快に聴こえるものなのか。徐々に加速度を増していく田中のボーカルや西川さんのギターを聴きながら、しょっぱなからニヤケが止まりませんでした。うひゃー、今日はいったいどうなっちゃうんだろう。

冥王星の後はひと呼吸。で、その後に聴こえてきたギターリフに、またびっくり。I Must Be High!おおお今回もやりますかこれを!しかもイントロでの田中&亀ちゃんのお楽しみは、前のツアーとそっくりそのままです。よほどこのプレイがお気に入りなのか。そういう私もこの曲この音が大好きなので、不満なんてあるはずもありません。わーーい!

が、冒頭からかなりいい感じにフロアが盛り上がったことで、最初こそ頭がちらちら見えていた西川さんの姿が、男子ファンの塊に視界を阻まれ完全に見えなくなってしまいました。その他のメンバーも、田中&金やんが時折顔を覗かせる以外は全く見えやしません。あああ、覚悟していたとは言え今日はやっぱりブラインドライブか・・・(涙)

という訳で、今日は耳と妄想力で勝負することを決意したところで、I Must Be High終了。その後田中氏がMCを挟む前に、威勢のいい男子2名の声で「アーニキーー!!」という声が響きわたったのには爆笑させられました。このライブでフロアからメンバーへの掛け声が上がったのは、後にも先にもあれだけだったはず。あの時、西川さんをはじめメンバーはどんな表情をしていたのでしょうか。うーむちょっと見てみたかった。

田中氏が短いMCの最後に、「じゃあ懐かしいのを。」とつぶやいた後に聴こえてきたのは、これまた意表をつくイントロ。去年のツアーでアレンジが迷走していたのがまだ記憶に新しい、ナツノヒカリではありませんか!どうなることかと思ったのですが、キーを下げた点などは去年のアレンジを踏襲しつつもより西川さんのギターの出番の多い、微妙にロック感を増したアレンジになっていた気がします。個人的には、今年バージョンのほうが好きかも。続くCOME ONは、ライブ序盤にふさわしくアウトロ短めのバージョンだったのが新鮮でした。ただ本音を言えばこの2曲のところは、もっと違う選曲でもいいのになーと思ったのも事実。COME ONの代わりにSTUDYとかステキじゃないかと思うんですが、どうでしょう西川さん(←誰)

ここまでの6曲が、とてもライブ序盤&ツアーが始まって間もないとは思えないグルーヴを感じさせてくれたのはうれしい誤算でしたが。しかしそれ以上に、会場の音が素晴らしく良かったのには本気で感動しました。小ハコならではの響きすぎない音響と、5人の音がそれぞれはっきり耳に届くバランスの良さ。ほとんどステージが見えない状態でもさほど苦痛ではなかったのは、この音のおかげと言えるかもしれません。PA前に陣取って本当に良かったですわ。

・・・が、その後の想うということで、ボーカルマイクがハウリングを起こした際真後ろのPAさんが何やら慌てて口走っていたのには笑えました。振り向かずともその慌てっぷりが伝わるような空気。ああ、前も後ろもいろいろ想像が広がるわー。

想うということの後が、スロウ。この曲をちゃんとしたハコで聴くのは自分はけっこう久々だったのですが、サビでの田中氏の歌い方が高音部分でもしっかり声を張った歌い方に変わっていたと感じました。おそらく昔の田中だったら絶対出なかったような声。その声に田中の進化を実感しながらも、個人的にはこの曲だけはかつての華奢な声で聴きたいかも、と思ったのはここだけの話で。

そろそろライブも中盤戦というタイミングで、「じゃあ、アルバムの曲を。」と田中が一言。ここまで焦らしに焦らされた新アルバム曲が、いよいよご登場ですよー。

まずさらりと聞かせてくれたスラップスティックは、あんまり印象に残らずじまいで終了。しかし、その後の鏡にはやられました。序盤から調子の良さそうだった田中ボーカルが、ここでいよいよ本領発揮ですよ!あの歌詞と、絶妙の隙間を作りながら重みのある音を奏でるバンドの音が、あの声に一層のパワーを与えているかのような、力強くて説得力のある歌声。田中氏のボーカルは間違いなく無敵すぎると、息を呑みつつあらためて確信した瞬間でありました。

さらにエレウテリアで追い討ちをかけるように骨抜きにされ、また始まるためにでもアウトロでやられまくり。ステージが見えないのが本当に惜しい、だけど視界を阻まれても音だけでここまで感動させてくれるこのバンドって本当にすごい。そう思わずにはいられませんでしたよ。

また始まるためにが終わると、フロアが静寂に包まれたまましばらくの間があり。そして聴こえてきたのはアコギの音。Wants!うおおおそう来たかーー!

・・・と、感激でテンションが上がりかけた次の瞬間、思いっきりギターをトチりまくる田中氏(笑)この名曲を聴けるのを楽しみにしていた立場としては、正直がっくりきてしまいましたが、さすがにそのあとは見事に聴かせてくれましたね。田中ボーカルだけでなく、徐々に力強さを増していくバンドの音もすばらしかった。特中盤よりむしろ、音源同様ライブの最後に持って来たほうが良かったんじゃないかと思えるほどでした。大サビ前での西川さんのギタープレイ、いったいあの音をどんな奏でているのか、次のライブではぜひこの目で見なければ。

で、その後がSing。これまた意外な感じがしましたが、どうしても集中して聴くぶん神経を使いがちな中盤の潜水ゾーンにおいて、あの漂うような雰囲気とゆっくり伸びていく田中の声は本当に心地よく響きました。この曲、ライブではどこにもってくるんだろうと思っていましたが、この位置はアリだなあと納得。

だからこそ、そんなSingのあとに聴こえてきたのが、豚の皿の不穏なイントロだったのには正直困惑しました。良くも悪くも、これ1曲だけで空気を作りすぎてしまう豚の皿をこんな位置でやってしまわれると、ここまでの中盤の良い流れが完全にぶったぎられるというか。その後にやったTwoだってかなり濃い世界を作り出せていたのだし、敢えてこの曲を入れる必要はないんじゃないかと、少なくとも自分はそう思いました。が、おそらくバンド側はこの曲好きなんでしょうねえ・・・

が、その後のTwo→Glareの流れはすばらしかったです。特にGlareは、5人の音が混ざり合いじりじりと昇華されるかのような、切なさや力強さを含んだ音に圧倒されました。この曲、これからツアーが進むにつれどんどん存在感を増していきそうな気がします、なんとなくですが。

これでディープゾーンも一段落、ということで田中氏もフロアを見てニヤリとしながら「あとはリラックスして楽しんでくれ」とひとこと。それで何をやるのかと思ったら、アンチ・ハレルヤ!あーこれも好きですねえこの人たち(笑)。お約束のご当地ネタは「浜名湖旅行」だったと思うのですが、その後に田中が歌詞を噛んだか何かでワケのわからない状態になってしまい、フロアはえらい爆笑状態でした。続く女たちでも、曲の頭で「じゃあ浜松の女たちへー!」と田中が叫ぶなど、終始いい感じのぐだぐだ感でしたねえ。ただ、あんな歌詞の曲を捧げられても女としては素直に喜べない気がするんですが、どうでしょう各地の女性の皆さん。

そしてきました、フラニーと同意!あのイントロのギターが鳴った瞬間、一気にテンションは急上昇ですよ。当然フロアも大盛り上がり。それでやっと前のほうの視界が開け、ノリノリの田中氏や伸びた髪が男前な金やんの表情が垣間見えたものだから、そりゃあもうメーターが振り切れかけるほど痛快でありました。

ラストはFLY→超える、と極めて明るい流れで終了。超えるがラストって個人的には初めて聴くパターンだったのですが、このセットリストのラストとしてはすごくしっくりきたように思えました。やたら力強いわけでもシリアスなわけでもないけれど、こういう曲が着地点っていうのは最近のバインにはあまりなかったように思いますし、比較的暗めな今回のアルバムのツアーがまさかこんな形で締めくくられるなんて、なんか楽しいじゃありませんか。ぶっちゃけ去年のシングル化以来あまりこの曲にピンときていなかったのですが、今回初めて心底「いい!」と感動してしまいました。

そしてアンコール。けっこう長い間をおいて、黒Tシャツに着替えた田中氏とメンバーの登場です。そして「ええなあ浜松!また来るから!」とゴキゲンにのたまう田中氏。確かに後ろから観ていても、フロア全体が静かすぎず暴れすぎず、でも確実にいい感じで揺れていたあの感じは、ワンマン初上陸の土地とは思えないナイスな光景でした。たとえ同じように盛り上がっていても、はやり大バコだとステージとフロアのガチンコ感がお客には実感しにくいので、ああはるばる遠征した甲斐があったなあと、しみじみ噛み締めてしまいましたよ。

で、アンコール1曲目は・・・おおお忘れてた、報道!まだライブで聴けていなかったこの曲を、こんな位置で不意討ちぎみにやられてしまっては、それだけでときめいてしまうじゃありませんか!(←馬鹿)しかも音源より高野さんや亀ちゃんのプレイの自由度が高くなっていて、1人1人の音に耳を澄ましているだけでも楽しくってしかたありません。

でもって次はー?と視界の隙間に目をやると、そこに見えたのはベースを鳴らしながら前方に歩み出ようとする金やん。が、その姿にみんなが注目したであろう次の瞬間、モニターに足をかけた金やんがバランスを崩し倒れかけたものだからびっくり。一瞬緊張感が漂うフロア。その次の瞬間金やんが弾き始めたフレーズは・・・ナ、ナポリー!(爆笑)そりゃあ金やんの気合も入るわけだ!

という訳でずいぶんバタバタで始まったため、あんまりナポリ自体の記憶がありません。しかし個人的にはずいぶんライブでごぶさたしていたナンバーだったので、かなりうれしかったです。広島に行かない限りもうめったに聴けないのかと思っていましたもの。

ラストは、その未来を勢いよくやって終了。そうか、まだやるかその未来。別に嫌いなワケじゃないけれど、延々この曲をやり続けるよりはもっと他の曲をやってほしいというのが正直なところです。ドリフトとか、アダバナとか、BLUE BACKとか、アンコールでこのへんが聴けちゃったらうれしくてしようがないんですが。

ともあれ、テンポ良くアンコール3曲が終了して大きな拍手とともにメンバー退場。しかし、その後もずいぶん長い間、かなりのお客さんがダブルアンコールをねばっていましたね。結局5分くらい経ってもダメでしたが、あれはステキな光景でした。こんな雰囲気のいいハコで、あんなにメンバーもノリノリで、こんなにお客さんの雰囲気が良くて、浜松最高じゃありませんか。次回以降のツアーに浜松が加わる可能性は極めて高いとみました。

今回はほとんどステージが見えないという大きな不利はありましたが、それをほとんど苦痛に感じさせない、不思議な充実感のあるライブでした。小ハコゆえに見えなくとも距離の近さを感じられたり、音響の良さゆえプレイの素晴らしさを想像できたり、そういったことがプラスに働いたのでしょうねきっと。もちろん、ツアーが始まってまだ1週間ならではの、演奏の荒い部分はあれこれありましたが、それは今の兄さんたちにとって大きな問題ではないでしょうから。ぜひ今回もその勢いで、ライブ1本ごとに恐ろしく進化してってくださいね。では、1週間後に我が故郷でお会いしましょうー。


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