Chance is with the music

音楽を糧にしつつ、日々を過ごしてます(家主:yucca)

GRAPEVINE@JCBホール

2008-09-28 23:57:46 | LIVE
バタ犬解散後最初に観に行くライブということで、いつもより少しだけ特別な思いで迎えた今回のライブ。思えば、あっちの解散ツアー日程が発表された時には「じゃあ9/28のバインライブは傷心モードを癒してもらうライブだ!」と決めて、空回りぎみに自分を励ましていたものでした。何はともあれ、この時期にバインのライブがあってマジで良かったです。さすが私の愛する兄さんたちだ!(←何様)

というわけで、初めて足を運んだJCBホール。あんまり下調べせずに行ったら、いきなりエスカレーターで地下にもぐるわ、ロビーにはカウンターやスツールがあってきれいだわ、ペットボトルホルダーがカラビナだわ、自販機で売ってるブリックパックの飲み物が150円だわと、とにかく驚きの連続でした。しかしそれ以上に驚いたのは、やはりホールの構造。アリーナから見上げても、3階席が近いのがよくわかる。1階席なんてVIPシートかとすら思いました。今後機会があれば、長丁場のライブのときなどはぜひ座ってみたいです。

今日のライブは開演前に片平さんがDJでご登場。2月のクラブサーキットではルーツミュージックとかブラック系主体だったと思いますが、今回は一転してかなり現代的な選曲でした。私は知らない曲ばかりでしたが、とても気持ちよく聞かせてもらいましたよ。

で、片平さんが退場後、少しの間を挟んでいよいよ開演。メンバーが登場すると、いつも以上に男性率の高いフロアの前方にさらに元気な男子たちが押し寄せてきたため、後ろ寄りにいた私の前にはあっさり壁ができてしまいました。あー、今日もメンバー観察は難しそうだなあ。

ようやく人の流れも落ち着きフロアが静まりかえったところで、高野さんの鍵盤が響く。1曲目、Sing。ゆったりとした音と田中のボーカルに、まずは心地よく身を任せようと音に聴き入ったまでは良かったのですが・・・あれ、音がなんか酷いんですけど(汗)やたらうるさいバスドラとこもりすぎなベースの音が、せっかくの名曲を台無しにしていますよ。まさに初めての会場の罠、あああ・・・。

さらに、人の壁の隙間からステージに目を凝らしたところでまた動揺。どこを探しても西川さんがいませんよ。ギターの音はしているのに、一体どこへ?そんな感じで音を堪能するヒマもないうちに、Sing終了。結局、この時の西川さんが実は座ったままでギターを弾いていたと知ったのは帰宅してからのことでした。ああ、相変わらずファンの予想の斜め上を行くお方です。

それでも、次のCORE→スレドニでは、音の太い曲ということもあり音の悪さもそれなりに紛れ。さらに、いつもにも増して絶好調らしき田中ボーカルがいきなり炸裂しまくりで、なんとも痛快。これはちょっとやそっとの音の悪さなんかに振り回されている場合じゃないぞ自分。

で、3曲終わったところでいつものようにちょっとしたMCが挟まれたのですが。ここで田中の口から「Sマップには負けへんぞーー!」という台詞が飛び出したものだから、場内大爆笑。実はこの時隣の東京ドームでは、Sマップのライブが行われていたのですよ。「言わんとこうと思うてたのに言うてもうたーー!」と笑顔でのたまう田中氏。しかしバインとSマップってよく考えるとほぼ同世代なんですよねえ。ゴローちゃんと田中氏がタメって、なんかすごくないですか(←何が)

で、「アルバート・キングに捧げるブルースロック!」という田中のシャウトと共に始まったSuffer The Child。これがやばかった!うねるベース、絡みつくような田中ボーカル、絶妙に隙間を埋めていくギター。ツアー前半戦や赤坂初日に聴いたときには、音源に近い雰囲気の音でしたが、それに比べると湿度が30%くらいアップしたような、それでいて不思議と心地よくまとわりつくような音色。たった3週間足らずの間に、何がどうなったらこんなことになるのか。このバンドの実力をまたしても垣間見た瞬間でした。

さらに、Suffer The Childのアウトロでどしゃどしゃーとなったところから、そのまま金やんのベース→亀ちゃんの威勢の良いドラムの順で冥王星のイントロになだれ込む。ステージが見えなくともその勢いありすぎな感じが伝わってきて、ここらへんはもう聴きながらニヤニヤが止まりませんでした。勢いが余りすぎたのか、続くジュブナイルまでテンポが速くなりすぎて雑になっていましたねえ、わはは。

そうしてイキのいい曲が一段落したところで、再び田中氏のMCがあったのですが。「ここからはオトナっぽい曲が多いんですが・・・自分の記憶や人の内面と向き合って聴いてくれるとええかなと思います」「3,000人が3,000通りの聴き方で楽しんでください」と、田中氏にしては珍しく、お客に対して具体的なメッセージを真面目に語ったのには驚きました。かと思えば「3,000人ってすごいなあ、ありがとうございます・・・(ここで客席の照明が点く)・・・おおおすごいなあ、Sマップには負けへんぞーー!」と叫ぶ一幕も。もしかするとこのへんは、初めてバインライブに来たお客をそれなりに意識してのMCだったのかなあとも思ったのですが、どうでしょうか。

そこから中盤戦は、想うということ→指先→スラップスティック→鏡→エレウテリアという流れ。オトナなミディアム曲の固め撃ちという点では近年のツアーと同様ながら、カオスだったりヘビーすぎる曲がないので肩の力を抜いて楽しめました。指先はやっぱり超名曲ですねえ。スラップスティックでは、亀ちゃんのコーラスがすっかり上手くなっていたのにひそかに感動しました。さすが、MUSICAの取材でファルセット王子と呼ばれただけのことはありますね!(←褒めてます念のため)

で、田中がギターをアコギに変えて、また始まるために。この時、いきなり歌から始まる展開にアクセントを付けたかったのか、曲の前にアコギで4つ5つくらいコードを鳴らしていたのですが。そのコードが微妙に、曽我部さんのテレフォン・ラブのしょっぱなのあの部分と似てたものだから、あのまま田中が「午前3時~」と語りだすんじゃないかと思ったのは私だけでしょうか。

続くランチェロは大好きな曲だし、この日の演奏も非常にいい感じだったのですが、なぜこのオトナゾーンまっただ中でやるのかがいまいち不可解ではありました。いや、セットリスト内の置き所が難しい曲ではあると思うのだけども。

中盤で圧巻だったのが、Two。まず長い長いイントロで、田中氏が鍵盤の音を聴きながら声を響かせていく。まるでオペラ歌手か呪術師かと思うほどに情感のこもったその声に脳がトリップしかけたタイミングで、やっと歌が始まって。そしてアウトロでは、西川さんのギターがこれでもかと言わんばかりにドラマチックに鳴り響く。ツアー前半戦から既にヤバかった曲でしたが、この日はまさに集大成という言葉にふさわしい演奏だったように思いました。

それにしても、この日の田中氏のボーカルはとんでもなかった。かなりの高音でさえ、終始信じられないくらい太い声で、しかもほとんどピッチがずれることもなく歌い上げていましたね。根拠はないけれど、あの大きなハコに自分の歌声を響かせることを、この日の田中氏はものすごく楽しんでたような気がします。あああもう、この日本一のボーカリストめ!(←何)

そしてオトナタイムの締めはWants。このとき、西川さんのコーラスがいつになくはっきり聴こえたのにはびっくりしました。幸いこの時は西川さんの顔が見えたのですが、かなり難しげなコーラスのせいか、いつも以上に神妙な顔で歌っていたのがやけにインパクト大でありました。

Wantsを歌い終わると、「はい、戻ってこいよー」と客席に語りかける田中氏。で、さらに「3階ー!・・・はい2階ー!・・・1階ー!」とバルコニー席を煽ったていたのが、これまた新鮮なパフォーマンスでした。つーかそこまで言ったなら、いちばん威勢の良いアリーナのお客も煽ってほしかった・・・

終盤戦は、いつものように水道橋の女たちへ。アンチ・ハレルヤでは「若いのだけが~」のところの1フレーズの歌詞をまるまる変えていましたね。あそこまでガラリと変えていたのは初めて聴いた気がします。フラニーでは、間奏での西川さんのギターにもほれぼれしましたが、金やんのベースもえらいことになっていて痛快極まりなかったです。FLYでは田中ボーカルを堪能。あああ、どれもこれもたまりません。

超えるは、このツアーでとてもバインらしい1曲になったなあという気がします。1年前のリリース時は自分的にあまりピンときてなかったので、余計にそう思うのかもですが。

で、本編ラストでGlare。赤坂も同じラストだったのですが、これが私にとってはツアー後半最大のツボでした。それまでの明るい流れから一転して、最後にあの曲で締めるだなんて反則すぎます。大サビ前の西川さんのソロとか、アウトロでの高野さんの鍵盤とか、もうたまらなくグッときてちょっと泣いてしまいましたってば。最後には「ありがとうー、ありがとうー、アリガットサン!」と田中が叫んで終了。

そしてアンコール。「それじゃあ古い曲を」と田中がつぶやいた後に鳴らされたのは、久々に聴くあのイントロ。望みの彼方!うわああ私これライブで聴くのいつ以来だっけ?何気にもう3、4年くらい聴いていないかもしれないぞお。これは感激モノだ。

が、実際に耳を傾けてみると、どうもわたし的には今回の望みの彼方はいまいちしっくり来ず。ぶっちゃけこの曲に関しては音源のイメージがあまりに大きいせいか、今の力強い田中ボーカルにむしろ逆に違和感を覚えました。昔の折れそうなボーカルのほうが良かったなんていうとお叱りを受けてしまうでしょうか。ああでも、今になってもう1度ちゃんと聴いてみたい気もしてきました。ごめんよ田中。

気を取り直して。望みの彼方のあとは、出ました、恒例のおやつターイム!今日の金やんのもとに運ばれてきたのは、「じゃがビー」「チョコポテト」「じゃがりこ」という似た形状のお菓子3種。いくらなんでもそれは多すぎだろうよ・・・(汗)

そこで何故か田中のフリにより、3個のお菓子をボール代わりにジャグリングを披露する金やん(笑)で、その後1個1個順番に振ってシェイカーに最も適したモノを選んだのですが。最初に「普通だから」と除外したはずのじゃがりこがぶっちりぎりで音がよかったため、結局じゃがりこを採用せざるを得なかったのには笑えました。さらに、金やんが田中に向かってじゃがりこを1本放り投げ、それを田中が見事にお口でキャッチ。ここまで来ると、もはや何のステージだかよくわかりませんってば(笑)

そんな感じで今日も楽しく報道が演奏され。ぼちぼちラストかなー、今日は何で締めるんだろー、と思いをめぐらせていたらば、次に耳に飛び込んできたのはまたもや意外なイントロ。公園まで!えええ、これはマジで肝臓ツアー以来じゃないか!きゃあああ。気持ち良さそうに、そしてとても優しげに歌う田中の表情や、アウトロでの西川さんの炸裂スライドギターに喜びを噛み締めた1曲でした。

今ツアーは基本的にどこもアンコール3曲だったので、ここで終わるかと思いきやなんと更にもう2曲、その未来とEveryman,Everywhere。最後に田中氏が酔っぱらっていたのはさすがにどうかと思いながらも、異例のアンコール5曲でしかもこの締めくくりかたというのは、やはりツアーファイナルに近い感覚なんだろうなあ、ああやっぱ兄さんたちさすがだわ、と噛み締めつつ、2時間半に及ぶ長丁場ライブは終了となったのでありました。

そんな感じで。視界や音の悪さはありつつも、それ以上にツアー終盤にふさわしくバンドの進化を感じまくることのできた、極めて濃くて楽しいライブでありました。赤坂2日目&横浜を泣く泣く欠席した無念さもやっと晴れましたよ。さあ、残すはツアーファイナル沖縄だ!バインのツアーファイナルを地方で向かえるのは初体験なので、あんなことやこんなことが楽しみで仕方ありません。田中氏、魂だけじゃなくてちゃんと体ごと沖縄に来てくださいね。桜坂セントラルで待ってますから。

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SUPER BUTTER DOG@日比谷野外大音楽堂

2008-09-13 23:59:12 | LIVE
バンドの解散発表からちょうど100日。ついにバタ犬のラストライブの日を迎えました。既にこのラストツアーの福井・大阪公演を観てきたぶん、それなりに心の準備はできているような気もするのですが、その一方あまりにもライブの内容が良すぎて、解散発表の時よりもはるかに解散を理解しがたいと思う自分もいて。でも、最後までそんな風に良いライブで締めくくってくれるなんて、きっと幸せなことなんだろうなあとも思ったり。ああもうワケがわかりません。とりあえずキーワードは「最後ってことは全部使うってこと!」で。

ライブ当日、その2日前に観た大阪ライブの感想文を朝から突貫工事で書き上げると、福井の物販で買った白Tシャツに着替え、sora-sodaタオルとサントリー烏龍茶を手に野音へゴー。そして開場時間の30分ほど前に到着すると、既に現地はとんでもない人の数で、それだけでみんながどれだけの思いを抱えてこの日を迎えたかが伝わってくるようでした。そんな人波をかき分け、福井でお知り合いになった地方遠征組のみなさん&そのお友達の輪に加わると、中から聴こえてくるリハの音に体をゆらしつつ開演前のしばしのリラックスタイム。

そして入場。一流ミュージシャンの皆様や関係者の方々から届いたたくさんのお花を眺めつつ中に入ると、ステージの上には大阪や福井では見かけなかったセットががあります。機材の後ろに、白地にポップな色で「Super Butter Dog」と書かれた、5枚の大きなパネル板。これにより、明るいうちは照明を生かせないぶん殺風景になりがちな野音のステージが、ちゃんとバタ犬らしい雰囲気になってて、率直にこれはいいなあと思いました。まさかこのパネルに仕掛けがあるとはこの時は思いも寄らなかったのですが。

今日の座席はBブロック12列目の上手側。Bブロックの最後列なので圧迫もなく視界も良好な席でした。そこで今日ご一緒するOさんと合流すると、今日も客入れSEにツッコミを入れたりアンケートに記入したりして開演を待つことしばし。

と、定刻を10分ちょっと過ぎたあたりで突然会場に鳴り響く、変に聴き覚えのある曲。これは・・・えええとまさかサザエさんの、あのエンディングのイントロだっけ?!驚いて顔を上げると、突然曲に合わせステージ上のパネルの1枚が回転し、ポーズをキメたTOMOHIKOが登場。はあああ何じゃそりゃああーー?!(爆笑)

続いて、同じように「ちゃちゃっちゃーららん、ちゃちゃっちゃーららん、ちゃちゃっちゃーららんらん、カン!」の音にあわせ、周ちゃん、池ちゃん、竹っち先輩、タカシくんの順にメンバーが各パネルからご登場。で、5人揃ったところでサザエさんの曲がAメロへと展開するのと同時に、5人が定位置に着くという。もうなんですか、この最高にイカしたオープニングは!ちなみに裏返ったパネルには、あのベター盤のジャケにも使われたメンバーの笑顔な顔塗り画像が、それぞれ貼り付いていました。つまり5人の背景に5人の超どアップが並んでいるわけですね。わはははは。

客席から大きな拍手と笑いが起きる中、タカシくんが確か何かひとことふたこと言ったあと、今日も犬くわのイントロがうねるように響き出す。そしてタカシくんがMEGちゃんを呼び込むと、赤いノースリーブに身を包んだMEGちゃんもご登場です。あああ、ついに始まってしまったーーー。

同じセットリストとは言え、野音で聴く音は福井のホールとも大阪のZeppとも全く違うわけで。同じ曲を今回3通りもの響きで味わえる喜びと、もう2度とこの曲をライブで聴けないのかというセツナさを抱えつつ、噛み締めるようにその音に耳を傾ける。ああ、メンバーはどんな思いでステージに立っているんだろか。

と、2曲目のスーパーフリークを歌い終わったところでタカシくんから「実は・・・10年以上黙ってたことがあるんだけど、最後だから言っていい?」と意味ありげな台詞が飛び出す。この唐突すぎる言葉には、池ちゃんも「え、え?何?」とやや動揺ぎみなご様子。そうして会場中がタカシくんの秘密に息を呑んだところで、タカシくんの告白。「実は『真夜中のスーパーフリーク』の歌詞の8割は、うちの母親が書きましたあああ!」・・・・・・は?

次の瞬間、会場中から巻き起こる驚愕の声と爆笑の渦。「いや、先に『スーパーフリーク』ってことで曲ができたじゃん?すっごい変態っていう意味だからどんな歌詞にしようか悩んで・・・(中略)そしたら歌詞を見たうちの母親が『こんなの全然スーパーフリークじゃない!』って・・・(中略)だって『風が吹きつける夜中たまらず1人ベッドを抜け出して』だよ?こんなのオレに書けるわけないじゃん!」タカシくん・・・何という言い訳(爆笑)

メンバーもさすがにこの事実には驚いていたようですが。そのうちタカシくんと池ちゃんとで「ほら、うちの母親俳句やるじゃない?やっぱ違うなーと思った!昔『タカシ、たくさん本読みなさい!』って言われたのにオレ読まなかったし。」「あのお母さんねー、『池ちゃんは体が大きいからパン2つ食べなさい』って言ってくれるからー」と、結局いつものグダグダトークに流れていって、なんとなく円満にまとまったのでありました。

で、FUNKY労働者は2児のパパ・池ちゃんに捧げられ。YO!兄弟からは今日も田中さんがパーカッションとして加わり。前半のハイライトとも言うべき日々GO GOが始まった頃には開演直後より客席の揺れ具合も大きくなっていました。ああやっぱりこの曲のグルーヴ大好きだ。

そして、間奏にていよいよスペシャルゲストのご登場です。きたきたきた、RHYMESTERの宇多丸さん&Dさん!リハの音漏れを耳にした時点で2人の存在は既にわかっていたのに、何でしょうこのワクワク感といったら!

大歓声に応えつつ、そのまま日々GO GOの間奏でリズム隊の音に乗せて、順番にカッコよくライムを聴かせてくれた宇多丸さんとDさん。去年のRIJFではやはりこの曲でDさんが飛び入りしてくれましたが、今日は2人ですからテンションもあの時以上に上がりまくりです。あーでもどんな詞だったか全く覚えていないのが悔しいですよ。

さらに、RHYMESTERとバタ犬といったらもちろんこの曲。This Y'all,That Y'all!うわあああ、ついにこの曲を生で聴ける日が来たーー!

タカシくんを含めた3人の華麗なマイクリレー、盟友が並ぶ姿を観て笑顔の竹っち先輩、超カッコいいリズムを延々と繰り出す周ちゃんとトモヒコ、そしてA~Bメロでは鍵盤の出番がないため手持ち無沙汰ぎみにノッている姿が愛らしい池ちゃん。そのステキすぎる光景に、この瞬間ばかりは今日が解散ライブであることを本気で忘れさせてもらいました。まさしく歌詞の通り、会場中がイイ顔になって踊りまくったひとときでしたね。最高の時間をありがとうございました、お二方。

ゼッショー終わりのMCは、残念ながら記憶になし。外出中とコードは、ちょうど日が落ちた薄暗い雰囲気にとてもマッチしていて。さらに音と音の合間に一瞬静寂が生じるたびに、周囲の虫の声がりりりりと聴こえてくるのがたまらなくステキでした。そういえば虫って音は聴こえるのかしらん。

で、続く5秒前の午後で、それまで5人の笑顔が存在感を放ち続けていた背後のパネルが90度回転。そして遮るものがなくなった状態でもって、後ろから白いライトが5人を照らし出した、あの演出にはやられました。陽が落ちて照明が映えるタイミングで、タカシくんのどこまでも伸びる声や心地よい池ちゃんの鍵盤の音と相まって、なんつーか光と音が一緒になって体に染み渡っていくようでした。

そうしてゆったりとした時間が過ぎると、いよいよライブ本編も終盤へ。今日も会場にあのチャイニーズなドラム&ベースの音が響き出すと、池ちゃんワンマンショーの時間ですよ。いやあ楽しかった。覚えている限りの内容を挙げると

・昨今コンビニ等でウーロン茶を見かけなくなったことを嘆き、スタッフにウーロン茶を持ってくるよう暗にリクエスト→スタッフ側からまさかの「ないです」宣告。
・「うんうん、なになに?うん、なになに?」←これがツアー中の池ちゃんの流行語だったらしい。
・手拍子をするお客に「もっと腕を高く挙げて!」と要求→みんなが腕を真上に上げたところで「うわあ、三十三間堂みたーい」
・そうこうしているうちにスタッフがペットボトルを持ってくる。それを一気に飲み干して一言。「うん、これは黒烏龍茶だね!」

こんな感じだったでしょうか。あと、この野音では見られなかったんですが、福井や大阪では池ちゃんのMC中にタカシくんと竹っち先輩がギターを弾きながら、2人並んでステキなステップを披露してくれていたのも思い出しましたよ。

で、そろそろグダグダになりそうかというタイミングになった時のこと。

「全然解散感ないでしょー?・・・でもねー、解散しちゃうんだよね・・・。」

池ちゃんのこの一言を聞いた瞬間、それまで割と普通にライブを楽しんでいた自分の中で、セツナモードなスイッチがON。ああ、本当にこのひとたち解散してしまうんだ。そう思うと同時に涙がだーっと。うわあああん!

そこから先は本編終了まで、何度も涙でぐしゃぐしゃになりながら全力でステージに向かう自分がいました。ウーロン茶では精一杯「ウーロン茶!」コールを絶叫し、あの長い長いアウトロで5人のプレイを目と耳に焼き付け。コミブレでは、この曲が自分とバタ犬との出会いだったことを思い出しつつ、「悩むこたないのによおおー!」とシャウトするタカシくんの声を心底男前だと感じ。五十音では、あのシャチホコ帽子をかぶったタカシくんと一緒に「さしすせそさ空を見上げ~」で夜空を見上げ。何よりも大好きだった、あの池ちゃんのあかさたなコールでは、両腕を挙げて力の限りジャンプ。マッケンLOでは、ほの暗い照明に照らされたステージから放たれるグルーヴのあまりのカッコよさに、あらためて惚れ直したりもして。

そうして、あっという間に本編ラストの曲、セ・ツ・ナ。このとき、曲が間奏にさしかかったところでタカシくんが突然「ずっとこのバンドをやってきたけど、バタードッグの言いたかったことは、次の歌詞に尽きるんだぜ!」とシリアスな顔で叫び。そしてひと呼吸おいてから「足りねーって放つメッセージ無くね?」と渾身のシャウト。ああそうだ、こういう不器用なスタンスでもって、こんなに粋な歌詞を書き、こんな最高のファンクに乗っけて、こんな風に全身でパフォーマンスしてくれる。だから私はこのバンドが大好きだったんだよ。

今回のツアーで本編がこの曲で終わるのは何故なんだろ、やっぱり解散はセツナいから?ともちょっと思っていたのですが、このタカシくんのシャウトで全て納得できました。そうして胸がいっぱいになったところで、本編終了。

そう言えば今回のツアーでは、メンバーがステージを後にするとき必ず池ちゃんが5人の最後尾を歩き、その際客席の手拍子に合わせて腰やお尻を叩いて、最後まで笑いを獲得しておられましたね。この日もそんなパフォーマンスのおかげで、一瞬寂しさがよぎった会場中がすぐに笑いとアンコールの拍手に包まれました。ああもう、池ちゃん大好きだ!!

そしてライブはいよいよアンコールへ突入。メンバーに続いてMEGちゃんも再び姿を現し、池ちゃんとタカシくんがしばし談笑。ここ、何しゃべってましたっけねえ。盛り上がってたはずなのに思い出せないのが悔しいですわ。

で、じゃあ曲に行きまーすと言ってタカシくんのギターが鳴り出す。が、ここで池ちゃんが「ちょ、ちょっと待って・・・?」とタカシくんを制し、何やら慌てて合図。タカシくん、どうやらこの曲でゲストの栗原さんを呼び込むことを完全に忘れたまま、曲を始めようとしたようでございます(爆笑)

というわけで、演奏を止めてばつの悪そうな表情をするタカシくんの横に、テナーサックスを抱えた栗原さんが苦笑しながらご登場。タカシくん、いくらラストライブとは言え、さすがにそれはぶっ飛びすぎでしょう。わははは。

そうして初期メンバー7人がやっと揃ったところで、メロディーの毛布にくるまって→終電まぎわのバンヂージャンプ→かけひきのジャッヂメント、とFREE WAYからの3連発!いやーステキでした。音源とアレンジはさほど違わなかったと思うのですが、生音だとコーラスやサックスが加わることで黒っぽいサウンドにいっそう磨きがかかるというか。この3曲に関しては今ツアーまでライブで聴いたことがなかったこともあり、そのカッコよさに普通に聴き惚れてしまいました。これを10年以上前にやってたということに改めて驚きです。

というわけで、このひとときだけは解散ライブというより同窓会を観るような感覚で、1度めのアンコールが終了。とはいえ、最後の瞬間がひたひたと近づいていることだけは、どうしても意識せずにはいられませんでしたが。

そして当然のように鳴り止まぬ拍手のあと、ダブルアンコール。これがまたやばかった。1曲目ヒマワリ!新潟不参加だった身としては、この曲が聴けなかったら心残りになるところだったので、ものすごくうれしかったです。ほのかに照らされたライトの下、ダブルアンコールとは思えないほど抑え気味なサウンドが、夕闇に映えてとてもカッコよかったですよ。

さらに2曲目が、まわれダイヤル。あああこの流れ、なんとステキな333号室メドレーでしょうか!ここでまたも涙腺崩壊。おかげでサビでタオルを回しながら涙を拭くのが大変でした。

が、続く3曲目で急展開。ダイヤルからどう繋いだのかよく覚えてないのですが、いきなりスネ毛が始まったのには面食らいました。大阪まではこれがライブ最後の曲だったのに、なるほど今日はこう来たかー・・・え?タカシくんってば、歌いながらなんか最前列の女の子をステージに上げてるんですけど!おおおおお?!

タカシくんは女の子がステージに上がると、彼女のほうを向きハンドマイクでスネ毛を熱唱しつつ、歌詞に合わせてアクションを交え彼女にアピール。そしたらば、彼女も見事にそのタカシくんの動きに合わせ、ステップを踏んだりタカシくんと絶妙の距離を取ったり、そして極めつけはスカートの裾をちらりちらり。これは・・・まさにスネ毛の歌詞にふさわしすぎるパフォーマンス!これにはタカシくんも大爆笑です。うわああ彼女すごすぎるんですけど!

結局アウトロ手前でタカシくんにより解放されるまで、客席の視線を独り占めだった彼女。いやあ彼女こそまさしくファンの鑑じゃないでしょうか。終演後は、誰もが彼女のパフォーマンスを大絶賛してました。

しかし、スネ毛の見せ場はまだまだ終わりません。さっきまでの騒ぎが嘘のように、長い長いアウトロではぶっといリズムとしびれるようなギター、そして何より5人が時折目を合わせながらグルーヴの波を作り出していくさまに、ただただ圧倒されました。腰が砕けんばかりに踊らせてもらったのは言うまでもありません。

ここでダブルアンコールが終了。そしていったんステージ前方に整列した5人は、深々とおじぎをして退場。既にこの時点で、何とも言えずこみ上げてくるものがステージからこぼれ落ちていたような気がします。

そしていよいよトリプルアンコール。この時だったか、タカシくんがたくさんの外聴きのお客さんの存在に触れ。そして「聴こえてるかーー?」と外に向かって呼びかけたらば、外からものすごいボリュームの歓声が帰ってきたのには本当に驚きました。いったい外には何百人くらいいらっしゃったのでしょう。あの時、メンバーだけでなくたくさんのお客さんが後ろのほうを向いて外聴き組に拍手を送っていましたね。あの瞬間も、間違いなくこの日の名場面の1つだったと思います。

そうしてみんなが笑顔になったところで、タカシくんがアコギをぽろりと鳴らす。サヨナラCOLOR。ただただ泣きました、でもこの曲で涙するのは、これが最後でありたいと思いました。この曲に関してはそれ以上何も言えません。

曲が終わると、5人は再びステージ前方で横一列に並び、1人1人が順にご挨拶。残念ながらあまりちゃんと覚えていないのですが、

池ちゃん:「またいつかこうして集まりたい。だからその時まで・・・お前ら死ぬなよ!!」
トモヒコ:「本当に楽しんだライブでした。また遊ぼうぜ!」
タカシくん:「解散感ないよねえー・・・またやるよ?」
竹っち先輩:えー思い出せませんごめんなさい。14年間ありがとうみたいな感じだったような。

そしてマイクが左端の周ちゃんに渡る。何せ寡黙な男として名高い周ちゃん、いったい何を話してくれるのか?とおそらく会場中が息を呑んだことかと思います。

ところが、周ちゃんは躊躇せずひとこと
「どうもありがとう。」

そしてメンバーのほうにくるりと向きを変えて
「みんなもありがとう。」

まさかの、そして何よりも胸にしみる一言とワンシーン。ああ、周ちゃんにこんなにも泣かされる日が来るだなんて、ファンになった頃は夢にも思いませんでした。この「ありがとう」は間違いなく一生忘れません。

さらに、ここでメンバーから「デビューから僕らを支えてくれた人」として、マネージャー黒嶋さんの名前が呼ばれ。で、PAにいた黒嶋さんがステージに上がると、5人からの感謝の気持ちとして、バラ111本がプレゼントされるというサプライズ。そして6人でもう1度深々とおじぎをすると、上から「FUNK YOU VERY MUCH!」というメッセージの書かれた大きな幕が落ちてきて。いよいよこれがフィナーレなのか、と思いきや。

タカシくんが「最後は踊って終わろうぜ!」と叫び、再び定位置に戻るメンバー。その瞬間大歓声に包まれる野音。そして始まったバタ犬のラストナンバーは、あいのわ。ああ、やっぱりこのバンド最高だ。こんな風にカッコよく解散の幕を引けるバンドがいるだろうか。もう大好きなんだよ、名曲すぎるんだよ、だから永遠に曲が終わらなければいいと思うんだよ。無理だとわかっているけれども。

そしてライブ終了。最後にもう1度、全員並んで手を繋ぎ深々とおじぎをした5人は、ついにステージから去り、SUPER BUTTER DOGは解散を迎えたのでありました。

+ + + + + + + +

ええと、ここまで超長文乱文をお読みいただいた方、本当にありがとうございます。普段は感想文にこんなあとがき的なものを書くことなどないのですが、あまりにも今回のやつは自分の中で特別すぎるため言い訳っぽいことを。

文中、特にサヨナラCOLORやラストのあいのわに関しては何を言いたいかよくわからない記述になっているのですが、私のボキャブラリーではあの時の自分の感情をどうしてもうまく表現できなくて、最低限これだけは書けると思った気持ちだけ乱暴に書き連ねています。ワケわからん文章ですみません。

私は2001年以来のバタ犬ファンなので、特別ファン歴が長いワケでもなく、胸を張ってファンらしく発言できることも何もありませんが。彼らの音楽に触れていた間は私にとって本当に幸せな時間だったので、そのことを彼らに心から感謝したいと思います。いろんなことがありつつも、バンドを続けてくれて本当にありがとう。そしてお疲れさまです。

それにしても、あそこまで復活を匂わせた上で解散ってすごいですよねえ。どこまで正直なんだあの人たちは。しかしそれがたまらなく魅力だと思うわけで、ここは私もバカ正直に、池ちゃんとの「その時まで死なない」という約束を守りつつ、いつか彼らが戻ってきてくれることを信じていようと思いました。

ひとまず今は、これから各自活躍していくであろう5人とバタ犬の更なる発展をお祈りして、心の中で三本締めをして終了とさせていただきます。いよおー。

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SUPER BUTTER DOG@Zepp Osaka

2008-09-11 23:37:23 | LIVE
先日の福井での、温かくも楽しいライブの余韻もまだ脳内をぐるぐるしているうちに、今度は今ツアー3本目となる大阪遠征へとゴー。いまの自分の1つ1つの行動はすべて、バタ犬解散へのカウントダウンであることを実感し切ない気持ちになりつつも、やっぱりバタ犬ライブを観られることはうれしい、この複雑な気持ち。ああもう、なんて罪なあの5人衆よ。

今回も高速バスでもって大阪に到着すると、梅田駅周辺でだらだらと時間をつぶしてからZepp Osakaへゴー。Hatchや大阪城野音、インテックスあたりには遠征したことはあったものの、意外にもZeppは初めてだったので、微妙に緊張しながら現地に到着。そこで今日ご一緒させていただくNさんと合流し、入場したのでありました。

ここから先はうまいこと文章をまとめる自信がないので、箇条書き風に書き連ねさせていただきます。

・今回のツアーの客入れ&客出しSEは、どうも「別れや旅立ち」がテーマらしく。入場すると、往年のベタな泣きのメロディーの数々がこれでもかといわんばかりに耳に飛び込んできます。割と遅めに入場したのでたくさん聴けたわけじゃないけれど、「あなたに会えてよかった」では本気で涙が出そうになりましたってば。福井では「ラブ・イズ・オーヴァー」とかオフコースの曲がかかっていたような。まったくもう、ナーバスな気持ちになっているファンに対して酷いイヤがらせだわーと苦笑しつつも、いかにもこのバンドらしいメッセージの伝え方がとても愛おしいと思ったり。

・開演前のステージ上には、鍵盤の右側にMEGちゃん用らしきマイクスタンド。そしてドラムの左にはこぢんまりとしたパーカッションのセットが。MEGちゃんの出演は事前に告知されていたけれど、それ以外のゲスト情報は聞いていなかったのでドキドキ。

・微妙に位置取りに失敗し、フロア中央やや後ろよりの一角で開演を迎えることに。Nさん、いい場所に行けずにすみませんでした・・・

・5人が登場し定位置につくと、犬くわのイントロを鳴らしながらタカシくんが「この曲と言えば!コーラス、MEG!」とMEGちゃんを呼び込む。そしてM青っぽいワンピースに身をつつんだMEGちゃんご登場。

・私はMEGちゃんのいるライブを観るのはこれが初だったのですが、ソウルフルだけど主張しすぎない声がタカシくんのボーカルとよく合いますね。続くスーパーフリーク→ゆっくり~までは、6人での音を堪能させていただきました。

・スーパーフリーク後のMCで、池ちゃんがいつものようにヤヤウケトーク。そんでお客のリアクションの様子に
池「なんか、キャンプファイヤーみたーい」(←意味不明)
タ「キャンプファイヤーみたいに、ゆっくり回って回って・・・」
で、ゆっくりまわっているようだになだれ込んだ、はず。

・3曲終わっていったんMEGちゃん退場。

・東京から「『新幹線』っていう奴?」(by池ちゃん)で移動してきた際、TOMOHIKOがやたらと「十三」(大阪某所の地名)の方向を気にしていたらしい。その後新幹線を降りて移動中もリハ中も、ずーーっと十三十三言ってたそうな。その後TOMOHIKOが無事十三に行けたのかどうかは不明。

・そう言えば福井の感想文で書き忘れたTOMOHIKOネタ。バンド内でいろんな伝説を残しているらしい彼は、ブラックの缶コーヒーを投げて壁にぶつけると、衝撃によりコーヒーがカフェオレに変わると信じていたそうな。どんなでんじろう先生だよ。

・福井では全く気づいていなかったのだけど、FUNKY労働者のときのタカシくんのギターが、なんとあの「Wタカシ印」の青いストラトでした。ご一緒していたNさんの指摘で初めて気づいて、次の瞬間2人で「きゃー!」と叫んでしまいました。いやあさすがでしたNさん。まさかあの場であんなポイントで楽しめるとは思ってなかったので、とてもうれしかったです。

・YO!兄弟の前にパーカッショニスト・田中慶一さんがご登場。この方を知らなかったのでググってみたところ、これまでさかいゆう氏や椎名純平氏などのライブに参加されていたようなので、竹っち先輩方面つながりの方なのでしょうか。

・田中さんはYO!兄弟から日々GO GOまでの3曲に参加。特にYO!兄弟ではあったかいボンゴの音がよく馴染んでてステキでした。

・この日の日々GO GO明けMCはやや短め。しかし記憶に残りづらいステキぐだぐだMCは相変わらず。とりあえず、タカシくんが2月のファンキー大百科と同じ「某橋田先生のモノマネ」を池ちゃんに要求していたのにウケました。無茶ぶりで困ったときの、下駄の鼻緒みたく下がった池ちゃんの眉が、タカシくんのお気に入りらしい。

・結局えなりくんのモノマネでもって、次の曲紹介をした池ちゃん。しかしあのモノマネで「それでは次の曲。『幸楽の夜食はうどんが多い』」と言われてから、外出中に入るほうが無茶というもの。というわけで、静かなイントロの1フレーズ目で笑いが止まらなくなったせいで演奏が止まり、結局もう1度外出中をやり直すことになったのでした。解散ライブでこんなアクシデントが起きるバンド、他にいるかよ。

・そういえば福井で気づいたのだけど、コードの鍵盤の音ってループを鳴らしてるんじゃなくて池ちゃんの人力演奏なんですね。竹っち先輩のエフェクトもそうですが、この曲での5人の集中力のすごさには圧倒させられました。つーか今まで気づいてなくてごめんなさい。

・ウーロン茶では、今日は池ちゃんのボリューム測定器こそ飛び出さなかったものの、2階席のみコールを要求するなどやはりレベルの高いコール&レスポンスが繰り広げられました。で、タカシくんから「長すぎる!」とツッコミが入ったところで、満を持して曲へゴー!

・そうしてウーロン茶が始まった時の、フロアの爆発っぷりはすごかった。ウーロン茶コール、そしてジャンプ、挙げられたたくさんの腕。全員のバンドへ愛情と、ライブ前半戦でこみあげてきたいろんな思いが、全部まとめてスパークしたかのような光景でした。

・もちろん自分もその例外ではなく。ウーロン茶の瞬間に脳内ネジがぶっとんで以降、ライブ後半戦はひたすら踊り狂っていた気がします。残されたわずかな時間の間、彼らの姿だってしっかり目に焼き付けておきたかったはずなのに、気づけばろくにステージも観ずにグルーヴに身を任せていた自分がいました。

・そんな状態だったので、コミブレでMEGちゃんがタンバリンを持って再登場していたのも、曲後半まで気づかずじまい。ごめんねMEGちゃん。

・五十音では、全力で「あ・か・さたな!はまやら・わーお!」を叫んで跳んで拳を突き上げました。ああ、やっぱりバタ犬ライブのお約束のなかでは、ダントツでこのフレーズが大好きだ私。

・MEGちゃんが再び退場。そしてマッケンLO→セ・ツ・ナ。この終盤戦、そして本編が終了してからのフロアの盛り上がりは、後ろから観ていて壮観の一言につきました。それなりにいろんなライブを観にいっているつもりの自分ですが、あれだけの歓声と手拍子、そしてフロア中を渦巻く熱い空気は他のどのライブでも実感したことはありません。長いアンコール待ちの間もまったくトーンダウンすることがなかったのもすばらしかった。

・そしてメンバー再登場。福井ではそのままだったタカシくんの衣装が、ここでは別のシャツ&帽子にチェンジしていて、それだけ汗だくのライブだったんだなあと感じました。

・ここでタカシくんの口から、大阪へのあふれる思いが。デビュー直後東京では反応がからっきしだった時も、大阪では温かく迎えてもらったこと、その後もいろんな思い出のあるライブがあったこと、メンバーの出身地ではないけれど、まさしく大阪はバタ犬第2の故郷であること。そうか、大阪のこの熱さは単なる土地柄やスタンディングという理由だけでなく、根っこにあるファンの思いが他の土地とは一味もふた味も違うからなのですね。なんとうらやましい関係でしょう。

・アンコールでは三たびのMEGちゃん登場。あいのわでもコーラスに加わるとは予想外でしたが、これが意外にもすごくステキでした。「君」と「僕」のいる曲の風景に、2人の歌声がとてもマッチしていましたね。Cメロでの「言葉じゃない~」のところで上でハモっていたのが素ですごいと思いました。

・新潟福井ではまわれダイヤルだったアンコール2曲めは、MEGちゃんを意識してバンヂージャンプにチェンジ。まさかこれが聴けるとは思ってなかったので、これには感動しました。なんてカッコいいソウルナンバーなんだろうこの曲。これが1stアルバムの曲だとは、つくづくこのバンドのすごさを思い知らされます。

・そしてMEGちゃんとお別れしたあとだったでしょうか。タカシくんの口から、「バタードッグは、楽しいことばっかりじゃなくて、辛いこともあるから毎日は楽しいってことを歌い続けてきたバンドだったと思う」という旨の言葉が。確かにその通り、むしろそういう点においては、どんなバンドよりも秀でていたバンドだと思う。でも、だからこそ今その意味を実感するのはたまらなく切ないですよ。

・アンコール3曲が終わると、本編後に続き2度目のメンバー紹介がタカシくんにより行われる。周ちゃんが大きく手をふってお客に応えてくれていたのは、確かこのあたりだったでしょうか。あれはすごくうれしかったなあ。

・WアンコールでのサヨナラCOLOR。歌い出しから明らかに感極まっていたようだったタカシくんでしたが、こみ上げてくるものがあったのか、2番の途中でついにマイクから離れ、お客に歌を委ねる一幕が。

・それで、自分も慌ててみなさんと一緒に歌ったのですが。そしたら歌詞を口に出した瞬間、いきなり涙がばーっと流れてきたのには自分でも驚きました。ぶっちゃけ、いままでサヨナラCOLORでは1度も本気泣きしたことなんてなかったはずなのに、どうしていまさら?タカシくんの様子に感動したから?いや、もしかすると、私がこの曲を口に出して歌ったのは、この時が初めてだったからかもしれません。口ずさむことであらためて感じさせられる一面が、この曲にひそんでいたとは。あああ、今までこんな大事なことに気づかないまま、この曲をいつまで経っても受け入れずにいてごめんね、タカシくん。

・そんな風に1人でテンパっていたら、サビのところでタカシくんが再び歌いだしてくれたので、胸をなでおろして歌終了。

・しかし、サヨナラCOLOR終了後に5人が楽器を下ろし、ステージ前に並んでおじぎをしたのには再び動揺。えええ、まさか今日はこれで終わりなの?違うよね、まだ福井のときみたく、もう1曲あるよね?!

・Zeppを埋めるファンのそんな思いが通じたのか、それとも最初からフェイントをかますつもりだったのかはわかりませんが。おじぎを終えたあと、顔を見合わせた5人は再び各自の定位置に戻りスタンバイ。やっったあああああ(号泣)

・ラストはやっぱり、え、スネ毛?!暑苦しくて濃い歌をぞんぶんにぶちまけた後は、アウトロで延々とグルーヴの渦。そして最後に竹っち先輩とタカシくんのギターが少しずつトーンダウンして、タカシくんのギターがゆっくりライブに幕を降ろす。まるでこの1曲が2時間のライブを凝縮しているかのような、そんな締めくくりでありました。最後のギターの一音の残像が消えたところで、静寂をやぶり大歓声と拍手が巻き起こったあの光景は、まるでクラシックのコンサートのようでした。

・客出しSEはおニャン子クラブの「じゃあね。」ほんとにもう、誰だよこんなの仕込んだの!池ちゃーん!?(←根拠なし)

そんな感じで。大バコのスタンディングだけに、そりゃあ音の良し悪しとか視界の面では辛い部分もありましたが。それ以上に、バンドの持つ熱いファンクネスと大阪のお客さんとの化学反応のすごさに、ただただ圧倒し感動させられた一夜でした。あの場でみんなと一緒に踊り、精一杯腕を挙げながら、原点回帰しつつも
おそらく今までいちばんカッコよかったであろうバタ犬を観られたことは、幸せというより他にありません。

さあ、良い座席で良い音と地元感あふれる空気を楽しんだ福井、バンド第2の故郷ならではの超絶に熱いライブとなった大阪のあと、泣いても笑っても残るは日比谷のみ。それで最後。普段は自分を励ますのなんて好きじゃないけども、こればっかりは一生後悔しないように、とにかく全力でがんばっていけ自分。

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SUPER BUTTER DOG@福井市文化会館

2008-09-07 23:50:00 | LIVE
バタ犬の解散が発表されて以来、多くの方にご協力いただいて入手した3公演ぶんのチケット。その中でもこの福井公演に関しては、メンバー3人の出身地である聖地でのライブということで、とにかく遠征そのものをとことん楽しんでやろうと決めておりました。だって、バタ犬が解散しちゃったら、もう福井に来る理由が無くなっちゃうかもしれないじゃないか。

ということで、前夜に東京からバスで京都入りすると、JRの快速電車に乗り込みひとまず敦賀市までゴー。そこでレンタサイクルを乗り回して日本海沿いの港町を満喫したあとは、現地の方からいただいた情報を元に池ちゃんたちの母校の最寄り駅・武生へ移動。でもって意味なく武生駅前をうろつき満足したあとに、満を持して福井市へと移動すると、疲れた体とはうらはらに「いよいよ来たぞ!」という思いが体の中にみなぎるようでありました。

ひとまずグッズの先行販売でTシャツ2着とパンフを入手すると、いったん繁華街に戻って腹ごしらえ&着替え。そこで思いがけぬお誘いをいただいたおかげで、開場時間前に再び現地に向かった際いろんな方とはじめましてのご挨拶をさせていただくことができました。正直、今まで自分と同じくらい熱いバタ犬ファンの知人は周囲にいなかったので、とてもうれしかったです。お会いしたみなさん、ありがとうございました。

さて入場。福井市民文化会館はキャパ1000人程度のホール。2階なしの1フロア構造なのですが、特に後ろ2/3部分の傾斜がかなりきついので、さほど奥行きはなく後ろの方でもかなり見やすそう。私の座席は6列目の下手側だったのですが、ここも視界抜群で5人の表情まで確認可能な距離で感激です。

着席後は、ありえない選曲の客入れSEに耳を傾けつつ(このへんは大阪の感想文あたりで語ります)待つことしばし。定刻を10分ちょっと過ぎたところで、いよいよ開演ですよ。うおおおお、気合い入れてけええ自分!

いつものように5人5様の衣装でステージに現れたメンバー。本日のタカシくんの帽子は、コックさんのように山高で、なぜか前のつば部分が巻き物のようにぐるぐる巻きになったカラフルなやつですよ。それをかぶったまま、ギターストラップをうまいこと首にひっかけようとするさまがちょっと微笑ましかったり。

が、そんな一瞬の油断のあとに耳に飛び込んできたイントロは、まさかのあのダーティーな低音。犬にくわえさせろ!ベター盤と同じ始まりとは言え、人を食ったようなこのどファンクナンバーから幕を開けるとは。小奇麗なホールに響き渡る「犬にくわえさせーろー」のフレーズがいきなり痛快すぎてたまりません。ああ、ひょっとして今日は全然しんみりせずに楽しんじゃえるのかもしれない、そうなればいいのに。

が、続く2曲目、真夜中のスーパーフリークでもって早くもその可能性はこっぱみじんに。スピーディーかつカッコよいバンドの音や、間奏でステップをキメるタカシくんの姿に、今度は「なんでこれほどのバンドが解散してしまうんだよう。」という思いが溢れてきて、うっかり涙。さらにゆっくりまわっているようだでは、途中で「大阪日比谷はメグちゃんがコーラス参加するから、この曲を5人バージョンで聴けるのはこれっきり」ということに気づき、また涙。序盤から泣きすぎじゃないか自分、しっかりしろ。

3曲終わったところで、短めのMCタイム。なんと言っても福井は池ちゃんと竹っち先輩、周ちゃんの故郷なわけで。その場所ではじめてバタ犬ライブができる喜びを、なぜか東京出身のタカシくんが嬉々としてその事を語っていたのが印象的でした。さすがに「福井のみなさん、帰ってきましたよおおお!」と叫んだ時には「お前が言うのかよ!」と会場中から無言のツッコミが入ったと思いますが。

MCのあとはファンキー労働者。そういえばこの曲も含め、特にライブ序盤ではメンバーが手拍子を客席にうながす場面が多かったのはちょっと意外でした。しかしそのおかげで、この日は多数派だったかもしれない、あまりバタ犬ライブに来たことがなさそうなお客さんたちも、それぞれ楽しそうにノっていて。決して「いきなり大盛り上がり!」みたいな展開ではなかったけれど、少しずつ客席のエンジンが温まっていくような、そんなライブだったような気がします。そういえば、続くYO!兄弟のイントロ前では、池ちゃんから「みんな今日は隣のひとを兄弟だと思って、手とか繋いじゃって!」という発言もありましたね。そんなこと言われたら、そのまま隣のひとにキックまでしちゃうぞお(←やめろ)

お客さんの反応でもう1つ印象的だったのが、曲が終わり少し間が空くたびに、後ろの席のほうから飛んでくるいろんな声。どうやらこれが単なるファンじゃなく、地元関係者のみなさんの声援だったらしく。しかも「言われた本人だけがわかる」たぐいのネタも盛り込まれていたようで、竹っち先輩も思わず苦笑。で、それを察知したタカシくんが竹っち先輩に話を振ろうとしたのだけど、竹っち先輩がスルーを希望したため「オッケーー」とつぶやいて次の曲に入るタカシくん。そのイントロは、O.K!うまいことやるなー(笑)

O.Kでほっこりしたあとは、なんと日々GO GO。まさかこの曲をこんなに早い段階でやるとは思わなかったので、これには驚きましたが。しかし思いかえせば、この曲こそが前半のハイライトでしたね。基本的にBメロ以外はずーっと同じリフの曲なのに、ステージの上の温度がどんどん上がっていく様子がびしびしと感じられて。5人のファンクモードがいよいよ覚醒したかのようなその音に、気づけばガンガン踊っている自分がいました。ハンドマイクで歌うタカシくんは、しまいにはステージのいちばん前までせり出し、最前列のお客さんを指名して「ともにゴーだ!」と歌わせる一幕も。いやああれはすごかった、超楽しかった。

そうして長い長い日々GO GOが終わると、その熱を冷ますかのような、タカシくん&池ちゃんのぐだぐだMCタイムに突入。ええと、何を話していましたっけね。K点超えとか、「おばあちゃんしね」とか、某スキマさんの全力少年とか、15歳のアヤちゃんのダンスとか、新潟からのバス移動がミステリーツアーになりかけたとか、相変わらずゆるすぎな話ばかりだったような。

しかしそんな中でも最高に笑ったのは「周ちゃんが今日身内を招待するために、たくさんの人の名前をリストアップしていた。あんなにたくさんの字を書く周ちゃん見たの初めて!」という池ちゃんの話。さらにそこから「しかもちょっと丸文字っぽかった」「さっきステージに出る直前に『余計なこと言うなよ』って耳元で言われた」と池ちゃんから次々に余計なことを暴露される周ちゃん(爆笑)で、その周ちゃんはと言うと、池ちゃんの話がエスカレートするにつれ座ったままどんどん深くうつむいてしまって。たぶんあれは笑いをこらえていたんじゃないかと思うんですが、スティックを握り締めたままかたくなにうつむく周ちゃん、かわいかったなあ。

そんなMCを繰り広げながら、アコギを手にするタカシくん。それで次はいったい何の曲をやるんだろう?と期待を膨らませていたらば、ようやく一区切りしたMCの後に突然タカシくんが歌い出したのはなんと、外出中。最初はアコギ1本でゆっくりゆっくりと始まり。次にドラムが加わって、さらに鍵盤、エレキギター、ベースと音数を増して行くにつれ、タカシくんの声も切なさを含んでぐんぐん響き渡り。もとよりタカシくんのボーカルはすばらしいのですが、このあたりからの歌声はもう本当に神がかっていましたね。ホールの音の良さも相まって、まるで夢のような音色でした。

外出中が終わっても静まりかえったままの客席。そこにごく小さな鍵盤の音が聴こえてくる。少しずつ鍵盤のボリュームを上げる池ちゃん。コード!浮遊感のある音と、ステージの上で回り始めたミラーボールの光があまりに心地よくて、これには一瞬意識が飛びそうにすらなりました。ここで脳を麻痺させられたのかどうかわかりませんが、続く5秒前の午後→メロディーの毛布にくるまって、あたりはほとんど記憶がありません。大阪ではしっかりしなければ!

ここでしっとり系の曲が一段落すると、再びギターをエレキに持ち替えるタカシくん。と同時に響いてくるおなじみのリズムの音に、客席からは歓声と手拍子が起きます。さあ、こうなるともちろん池ちゃんのマイクパフォーマンスの出番ですよー!

まず「なんで勝手に手拍子してるんだよ。お前ら、あの茶色い飲み物の曲やると思ってんじゃねーの?!」と言い放ち。続いて、2月のファンキー大百科の時と同様の携帯電話ネタを披露したあとに「イーアルファンキーウーロン茶」コールを開始。で、最終的にはお客に「ウーロン茶!」コールを要求していたのだけど、これがレキシの「マゲ」コールのとき以上に延々と、しかもハイレベルなコールを求められ続け。すみません池ちゃん、もうこれ以上声を張り上げるのはキツイっす、というギリギリのところでやっとOKをいただき、ついにFUNKYウーロン茶が始まった時には本気でうれしかったですよ。どうやらその気持ちはみんな同じだったらしく、曲中の盛り上がりはハンパない状態でした。竹っち先輩のギターソロも、ノリノリで前に出てきたTOMOHIKOもカッコ良かったですわー。

ウーロン茶の後、池ちゃんと「盛り上がったねえ~~」などと話しながら、やおら帽子を脱ぎ代わりにキンキラキンの魚の形のかぶりものをかぶったタカシくん。で、そのかぶりものの意味にお客一同が胸をときめかせていたらば、そのいでたちを見た池ちゃんに「なんか、さかなクンっぽくね?」と指摘されたものだから、突然メガネをはずしてさかなクンのモノマネまで披露してくれたタカシくん。あのタカシくんのパフォーマンスには、まさにその直後始まったファンキーな終盤戦への決意を垣間見た気がしました!(←おおげさ)

というわけでいよいよライブはクライマックス。まずコミブレで死ぬほど踊り、続く五十音ではもちろん「しゃっちほっこ~」でタカシくんの頭上を拝み。この時点ですでに軽く燃え尽きかけていた自分。頭の中が真っ白で、もう何の曲があとに残されているのかもわからない状態で。そこへあの周ちゃんのドラムのイントロが聴こえてきた瞬間、ダメ押しのように脳内ネジがぶっとびました。マッケンLO!おおおおこの曲を忘れてる場合じゃないだろうよ自分ーー!

この曲のイントロでは、池ちゃんがお客をお約束のセリフであおるのがお約束なのですが。今日は明らかに様子が違いました。「残りはあとちょっとだけど・・・最後ってことは、全部使うってことだよおーーー!」と、セリフこそさほど変わり映えしないものの、マイクを握り締め声を張りあげる池ちゃんは、切実さがにじみ出るような表情で。今日はMCでも「コタツトークっぽい」とタカシくんに冷やかされるなど、終始いつもと違う雰囲気をかもし出していた池ちゃんでしたが、このマッケンLOのシャウトにこそ、今の池ちゃんの本音がにじみ出ていたような気がしました。もちろん、これで私の涙腺がやられたのは言うまでもありません。

マッケンLOの後はセ・ツ・ナ。それで本編終了。このラストはもう圧巻というしかありませんでした。骨太なリズム、それでいて心地の良いスキマだらけの音、2本のギターは絶妙に絡み合い、ボーカルは天井知らずに響き渡る。この人たちが解散するだなんて、悪い冗談としか言いようがないだろう。やってる本人たちだってそう思わないのか?そんなことを考えずにはいられないくらい、最高のフィニッシュでした。

引き続き頭の中が真っ白のままだった自分は、あいのわとサヨナラCOLOR以外にどの曲がアンコールであり得るのか、想像もつかないままでした。ただ、1曲でもたくさんの曲を聞かせて欲しいと願いつつ、ひたすら手拍子アンコール。

そしたらば、再びステージに現れた5人は、、まず1曲目にあいのわをぶちかまし。2曲目にはなんと、まわれダイヤル!うわああ、なんというバタ犬らしさあふれる流れだろか。わかっていたけど、まわれダイヤルってこんなにも名曲だったっけ。ああもう、いったいこの人たちは今日何度私を泣かせれば気が済むのか。もはや軽く恨み言すら言いたくなるくらいです。

さらにダメ押しのように3曲目でかけひきのジャッヂメント。このあたりは正直、あんまり記憶はありません。ただ、ついさっきまでは1曲でも多く聴きたいと願っていたはずなのに、この3曲で「今日はこれでおしまい」と言われても構わないとすら思ってしまった、そのくらい満ち足りたひとときだったはず。

とは言え、そりゃあやっぱりダブルアンコールもあるわけで。予想はしていたとは言え、ローディーさんがタカシくんのアコギを用意する姿を見て、微妙にブルーな気分になりかけました。サヨナラCOLORでもって終了、という展開だけは正直、勘弁してほしかったのです。お願いだからファンキーで終わらせてください5人衆、そうでなきゃ私はこの切なさに耐えられない。

そんなことを考えているうちに5人が再登場。そして始まったサヨナラCOLOR。タカシくんの歌も、バンドの音も、とてもすばらしかったです。泣いているお客さんもいました。だけど、やっぱりこの曲の世界には素直に入り込めない自分がいました。どうやらこの曲に対する天邪鬼な思いは、最後まで引きずってしまうようです自分。

サヨナラCOLORが終わり、大きな拍手に包まれるホール。それで、やはりこの曲で終了なのかと思っていたら、なんと竹っち先輩のところに違うギターが運ばれてくるではありませんか。えええ、もしかしてまだ次の曲があるの?!

しかし、竹っち先輩はすぐそのギターをかけようとせず、歌い終わって立ち尽くしたままのタカシくんの様子を伺いながら、躊躇している様子。あああ、お願いだからもう1曲歌うと言ってくださいタカシくん、そしてそのギターを鳴らしてください竹っち先輩ーーーー!

そうして数秒の間の後、閉じていた目を開いたタカシくんは、竹っち先輩のほうを見てアイコンタクト。それを確認してギターを肩に掛ける竹っち先輩。その様子にたまらなく胸がいっぱいになり、これは最後の最後も泣かされる展開かと思ったのですが。

次の瞬間、タカシくんのシャウトとともに始まったまさかのナンバーに、仰天。ス、スネ毛ーーーー(爆笑)バタ犬の中でもいちばんおバカで濃くて、でも意味不明に切ないこのナンバーを、最後の締めに持ってくるとは!あまりに最高すぎる演出に、もはや涙も通り越してただただ狂喜。さっきまで珠玉のバラードを鳴らしていたとは思えない、5人の超絶グルーヴに酔いしれながら、「バタ犬最高!福井最高!」と何度も心の中で叫んで、そしてついにすべての曲が終了となったのでした。

そんな感じで。ライブが死ぬほどすばらしかったのはもちろんですが、思いがけない出会いがあったり。メンバー3人の地元のすばらしさを素直に実感できたりして、最高すぎる福井の旅でありました。これで、残り2公演も燃え尽きようという気合と泣きまくる覚悟ができた気がします。どうか大阪も日比谷も、こんな風に満たされた思いで会場を後にすることができますように。そんなことまでも、てるてるアフロにそーっとお願いしてみましたよ。

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RISING SUN ROCK FES@石狩湾新港(まとめ)

2008-08-16 18:04:09 | LIVE
今年で4回目の参戦となったライジングサン。いつものようにライブ感想文を書く気力がちょっとないため、ものすごく今さらなのですがまとめレポでご勘弁ください。


<観たライブ>
・1日目
lego big morl(4曲)
曽我部恵一ランデブーバンド(2曲)
スチャダラパー(3曲)
JUN SKY WALKER(S)
BARBEE BOYS
藤井フミヤ

・2日目
怒髪天
COOL WISE MEN
Mr.Children
椎名林檎
EZOIST外伝
東京スカパラダイスオーケストラ


<良かった思い出>
・バービーが全く色あせていなくて超カッコ良かったこと。あんなすごいライブができるなら、ぜひまた活動してほしいです。

・チェッカーズ時代の曲を織り込んだフミヤのセットリスト。NANA→運命→YOU LOVE ROCK'N ROLLが全部わかった自分にちょっと浮かれました。初めて観たフミヤの生ステージングにも感動。

・REDの前でスクービーのモビーさんを発見。今回唯一目撃できたミュージシャンが、なぜか出演者じゃないモビーさんでした。

・2日目オープニングの怒髪天が圧勝すぎ。ふんどしステージ最高。「さわおダッシュ禁止ギター!」で笑い死に。

・林檎姫はライブ自体もとてもすばらしかったのですが、それと同じくらいあの衣装にやられてしまいました。清楚なブラウスに超ショートパンツでピアノを弾くって、おそるべき自己プロデュース能力。

・EZOIST外伝のすべて。あれほどいろんな意味でレベルの高いカラオケ大会は絶対あの場所でしか観られないでしょう。さんざんバカをやっておきながら、ラストに「雨上がりの夜空に」の大合唱で感動的に締めた反則っぷりも素晴らしい。

・同じくEZOIST外伝で、まさかのミスター(=鈴井貴之氏)登場。いやーどうでしょうファンとしては最高のサプライズでした。

・去年のトイレ問題が見事に解決されていたのには感激しました。あんなところに水洗トイレまで設けるってすごい。終演まで大半のトイレが生きていたおかげでほとんど並ぶこともありませんでした。ウェスさんありがとう。



<反省したい思い出>
・初日昼過ぎの大雨を駐車場でやり過ごしていたら、そんな人ばっかりだったのか雨があがった直後に入場ゲートが大渋滞となり、1時間以上並ぶ羽目に。くるりのワンダーフォーゲルはゲート外から聴き、ドーパンの無限大ダンスチューンはテントを建てながら聴くという超不覚。

・疲れがピークだったため、2日目夜のロザリオスをスルーしてテントで寝ていたこと。もはや私は加藤ファン失格なのかもしれません。や、ちょうどサンステがブレイクタイム(というか、清志郎さんだったはずの時間帯)だったため、実はイカエリアまでREDの音はしっかり聴こえてきてたんですよ!(←いいわけ)

・タイミングがあわず、祭太郎のパフォーマンスを観られなかったこと。祭太郎タオルも速攻で売り切れたらしく買えませんでした。がーん。


<微妙な思い出>
・フミヤの華麗なターンやマイクさばきなどのパフォーマンスを観て、20代前半くらいの女の子たちが「ヒロミゴーみたーい!」とバカウケしていたこと。そうかなるほど、チェッカーズ世代でないひとにはあれはそう見えてもおかしくないのですねえ。

・EZOIST外伝のとき、目の前にいた大学生風のスタッフが堂々と写メを撮ろうとしていたこと。「あのー、スタッフさんですよね?」と問いかけたら「はい。」と返事があったので「撮っていいんですか?」と訊いたらば、「え、え?ダ、ダメなんですか?」とわざとらしく返されてしまったのには興ざめでした。知らないなんてあり得ないだろうし、万一知らなかったとしても仕事中に撮るなよ・・・


<ミスチル問題について>
「セットリストがフェス向けでなかった」「メジャーナンバーがなくて期待はずれ」と評されているミスチルの件。確かに、あれなら少年をはずして3曲目あたりに名もなき詞を入れておけば良かったんじゃないか、と思ったのが正直なところです。だけどもファンのはしくれとしては、Worlds endではじまったのはすごくうれしかったし、掌を中盤のハイライトにもってきたのはさすがだと思いました。あんなフェスのメインステージで「ひとつにならなくていいよ」というメッセージを放つことができるのはミスチルならではだと思う。だからこそ、より多くの人に耳を傾けてもらうためのセットリストである必要もあったはず。

あと、ミスチルにとっては「客層」よりも「タイムテーブル」こそがライジングと他のフェスとの最大の違いであったという点も、もう少し意識してやってほしかったかも。ピースフルにトリを飾るような内容じゃなくて、あの時間帯をばしっと締めるライブであってほしかった。できることなら来年以降、ぜひリベンジしてほしいです。


<大トリ・スカパラ>
PAテントの上手側脇あたりで観てました。しかしぶっちゃけ、大トリの感慨よりも冷牟田さん不在のライブを初めて生で観ることに意識が向いていたため、普通に踊りまくりつつも内心そこまで盛り上がったり感動することができませんでした。セットリストは好きな流れだったし、個々のパフォーマンスはいつもながらステキだったのですが。ああ、ルパンの間奏でオルガンを抱える沖さんの姿や、センターマイクで叫ぶ加藤さんの様子を観て、いつか素直にテンションが上がるようになるだろか。

ラストにふみおさんが姿を見せるやいなや、そこそこの盛り上がりだった周囲のお客さんまでが一斉にうわあああって沸き上がった瞬間の、あの光景はとてもステキでした。それで満足してしまったため、「アンコールで谷中さんに本気で名前を呼び忘れられた加藤さんが、Come On!を演奏しながら本気でいじけていた」様子を完全に見逃したのは、ちょっと心残りですよ。


<個人的MVP>
増子兄さん。怒髪天でもエゾイストでも、終始頼もしくてバカバカしくて楽しすぎました。エゾイストでミスターを引っ張り出してくれた仕事っぷりもすばらしい。


そんな感じで。長丁場ゆえいろいろありましたが、今回はかなりマイペースで楽しめたなあというのが率直な感想です。ガチャガチャもやらなかったし、ごひいきバンドが少なかったのでどのライブもかなりリラックスして観た気がするし。相変わらず体力的には厳しいフェスですが、スローに楽しむための術を参戦4回目にしてやっと会得できたと言えるのかもしれません。ウェスさん、今年も楽しい2日間をありがとうございました!また来年ー。

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