最近国技館でちょくちょくライブが行われているらしい。少し前にそんなことを知って以来、ほほうそれはいつかぜひ行ってみたいもんだと思っていたら、その後すぐに100sライブの開催が決まり大喜び。初めて足を踏み入れる国技館ってどんなんだろ。わくわくしながらいざ両国へゴー。
国技館の入場門には、国技館とはどこにも書かれてなくて、その代わり「日本相撲協会」というどでかい木の看板が掲げられています。なるほどつまりここは、今話題の相撲協会の拠点なのですね。勝手にそんなことを納得しつつ、建物の中に足を踏み入れると、広いロビーの両サイドには今回のライブの副題でもある「もう一度音志を洗濯したく候」と書かれたのぼりと、100sのロゴが飾られたちょうちんがずらり。うわあ、こういう遊び心とスペシャルな演出っていいですねえ。
気になっていた座席ですが。中の構造はまんま武道館を一回り小さくした感じ。私の席である1階桝席正面は、通常4人くらいが座りそうな桝の中に折りたたみ椅子が2個ずつ横並びで配置されていました。そのため、通常のホールの座席と比べ周囲に相当余裕があり、またステージもさほど遠くなかったので、とても見やすかったです。
定刻約10分押しで照明が落ちて。さあ始まるぞーと思ったら、突如国技館に「とざいトーザイーー」という声が響きわたる。びっくりしてステージに目をやると、ステージ中央部のせりが上がって登場したのは、なんと正座姿の足軽先生じゃありませんか!それだけでもびっくりなのに、江戸時代チックな口調の足軽先生の口からなんと、「これから鏡開きを執り行なう」と宣言されたからさらに仰天。えーーー!?
そうこうしているうちに、今度は東京音頭をBGMにして100sメンバーが登場(爆笑)。6人が木槌を持ち酒樽を囲むと、足軽先生が「『よいしょ、よいしょ、よいしょ』の掛け声の3つめのときに樽を割るのだぞ」と説明。観客も一緒に掛け声を合わせ、見事に鏡開きが終わった時には、すっかりお祭り気分でありました。いやーナイス演出です!
が、そんなゆるいお祭り気分を自ら打ち破るかのように、鏡開きのあと間髪を入れず、一義くんの「でーーーー!」という声が響き渡る。ちょっと慌しく幕を開けた1曲目は、百来来ツアー本編と同じく、そうさ未来は。おおお、ツアー本編と同じ幕開けだー。
個人的には、ツアー序盤の横浜BLITZ以来となる100sライブでしたが。BLITZで観たときよりも、より一層タフさを増したかのような6人のプレイ。一義くんはマイクスタンドと共にとことんアクティブに動き回り、力強さを増したリズム隊はところどころアレンジを変えている部分もあったり。この国技館公演に対するメンバーの気合が、ひしひし伝わってくるようでした。
が、それだけに前半の音の悪さには本当に泣かされました。小野ちゃんのギターはやたらキンキンして聴こえるし、全体のバランスも悪い。あと、まっちいのコーラスのピッチが頻繁にずれていたような気がするんですが、あれは音響の問題なのか本人の問題なのか。せっかくの特別な場で、せっかくの良い曲たちを堪能できなかったのは、正直ちょっと心残りです。
それでも、ハニカムのアウトロからの流れで始まったQ&Aとかは、ものすごく聴きごたえがありました。特にトムくんのドラム、とってもすばらしかった。
本編も折り返しをすぎたあたりで、短いMC。ここで一義くんが「いやあ祭りだねえ・・・祭りと言えばあの曲だけど・・・あれ、小野ちゃんがいない、小野ちゃんは!?」と思わせぶりな言い方をしたものだから、「!!」と一気にテンションが上がる。もしかして・・・と思った瞬間、始まったまんまるのイントロに合わせて、ステージ中央のせりから登場したのは、蜂の着ぐるみを着た小野ちゃん!!きゃあああああ!(※注 アルバム特典のDVDに収録された、まんまるのPV映像内にて、罰ゲームとしてこの着ぐるみを着た小野ちゃんが登場してて、ツアー中それをずっとネタにされていたのです)
小野ちゃんはローディーさんからギターを受け取ると、着ぐるみのままでギターを弾き始め。最初のほうこそ、ずーっとうつむいたままで演奏していましたが、後半は明らかに動きがヤケクソぎみだった気がします。つーか、あんな大きな着ぐるみを着てても普通にギターを弾ける小野ちゃんがすごい。
1曲終わると小野ちゃんはギターを置き、黙って早足に退場。後で池ちゃんも言っていましたが、あのPVのときよりこの場面のほうがよっぽど罰ゲームだったんじゃないかと思います。しかしおかげで、私はますます小野ちゃんファンになってしまいましたよ、ふふふ。
そういえば、今回は特別追加公演と銘打っていたので、セットリストもずいぶん変えてくるだろうかと期待していたのですが、意外にも基本的な流れはツアー本編とほぼ一緒。唯一違っていたのが、つたえるよの代わりにやった、終盤のセブンスター。個人的にはこの曲は大好きなのでうれしかったです。ここらへんから音響もずいぶん改善されて、6人の音をちゃんと堪能できるようになりましたし。ああ、最初からあのコンディションだったらどんなに良かったか。
ラスト前のももとせは圧巻。BLITZで聴いたときよりもずっと力強さが増していて、いまの100sの核となる曲の1つではないかと実感させられました。
もしこのままをやって、本編終了。で、アンコール。ここではツアー同様、一義くん、まっちい、池ちゃんのソロ曲がそれぞれ披露されることに。で、まず最初が一義くんの「永遠なるもの」だったんですが・・・。ええと、実は私、100sを結成する以前の一義くんの曲をほとんど知らなくて、この曲にまったくついていけず(ちなみに「犬と猫」も知らなかった)。とてもいい曲だったような気がするので、今更だけどちゃんと聴いてみようと思いました。ごめんなさい一義くん。
で、まっちいソロのあとは今日も来ました、レキシ!最初に足軽先生があのまんまの衣装で登場したので、今日はひょっとして歴史ブランニューデイをやるんじゃないかと密かに期待していたのですが。フタを開けてみれば、今日もやっぱりGOOD BYE ちょんまげ。いや、大好きなんですが(笑)。
前回のBLITZの時は、ただただレキシの熱いパフォーマンスに夢中でしたが、風とロックを経て今回、あらためて冷静に聴いてみると、これ1曲だけであまりに時間長すぎですね(笑)。しかも、ツアーの時よりはるかにお客の人数が多かったせいか、池ちゃんの煽りについていけてなさげなお客さんも多くて。しまいには「お前ら座れー!」→(お客さん着席)→「正座だろー!!」とお説教モード(笑)。さすがにその様子に、池ちゃん大丈夫かしらー?と思っていたら、まっちいが「長いよ!」とすかさずツッコミを入れてくれました。まっちいナーイス判断。
その後はレキシとしてのメンバー紹介などが行われましたが。ここで1度は着席していたお客さんの大半が立ち上がってしまってたものだから、池ちゃんが再び「誰が立っていいって言った!」と怒る(笑)。で、今夜の池ちゃんはどこまで鬼コーチなんだろうと半笑いで成り行きを見守っていたらば、「みんなを座らせたのは、このためだったんです・・・全員起立ーー!」と叫ぶ池ちゃん。そうして呼び込まれたのは、着替えをしTシャツ姿の足軽先生ですよ、おおおお!
そんなわけで、最後は「平家の?」「おちむしゃ!」「源?」「よりとも!」「足軽?」「せんせい!」のコール&レスポンスを全員で。いやあ盛り上がった。しかし、あのどファンクのリズムでコール&レスポンスはちょっと無理があったと思ったのはここだけの話。
長い長いレキシコーナーのあとは、そのまま足軽先生もステージに残り、いきるもの。池ちゃんが全員を起立させた効果もあってか、クライマックスにふさわしい盛り上がりでした。そういえばアンコールが終わってハケる時に、まるでタモさんのようにお客の拍手のボリュームを自在に操っていた池ちゃんが激しくツボでした。
ダブルアンコールはキャノンボールで大団円・・・かと思いきや、最後に5人が並んでお辞儀をするかと見せかけて、フェイントで各自の立ち位置に戻り。一義くんが「もう1曲やるぞーー!」と叫んで始まったのは、1,2,3!うわああうれしい、これ聴きたかったんだようう。
そんな感じでライブ終了。6人はもう本当に完全燃焼といった感じでステージを去っていき、その姿はけっこうグっとくる場面でありました。
が、振り返ってみると、どうも個人的には完全燃焼とは言い難いライブだったような。それはMさんも日記で触れていらっしゃったけど、音の悪さとか、国技館というハコの大きさや特殊性とか、そういった条件がステージとお客との一体感を邪魔していたんじゃないかと思うのです。私に集中力が足りなかったのかもしれないけど、もっともっとライブにのめり込みたかった。特別なライブだったからこそ余計に。
とは言え、やっぱり自分は100sが好きだなあということを再認識させられたライブでもあり。あまり活発には活動しないバンドだけども、ぜひ遠くない将来、次の音源リリースやライブ活動など行ってほしいもんです。実際、このバンドはどんどんライブバンドっぽくなってるとも思いますし。ネクストステージに上がった100sが見られる日を、楽しみにしています。