前記事の『お願い鈴木と呼ばないで』に載せた自作を載せておきます。
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◇ 題詠「鈴」
銀の鈴ゆらせばがらんと鳴るならん地下コンコースに小雨が兆す
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◇ 作品五首
さくらプロムナード
あきらめのように川辺のさくら花ぱらりぱらりと咲き始めたり
ひとりでは生きて行けないことわりの皮膚科のとなりに薬屋が添う
あたたかき缶コーヒーを飲み終えて口とがらせてふーとふく息
大鴉いよいよさわぐごみ捨て場わが劣勢を思いつつ過ぐ
パンくずをあらそい食らう鴨と鯉 橋の上からわれは見るひと
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