麦畑

太陽と大地と海は調和するミックスナッツの袋のなかで

コンクリの

2019-03-05 01:29:32 | 短歌

 

コンクリの床にべらべら置かれたる紅ずわいその紅のあざやか

まひるまの競りに売らるる紅ずわい十杯ごとに並べられつつ

二階からわれら見おろす昼の競り声もろともに写真撮りたし

一年中いろりに火種入れている合掌造りの家のけむたさ

こきりこという竹の棒打ち鳴らしうたいはじめる老いの語り部

読み進む「北国新聞」に金沢の柔道女子の躍動ありぬ

べんがらの色の違える店ふたつひがし茶屋街奥にありける

きもの着てあるく女性の居りしかど語るを聞けば異国のことば

「あんころ」という名のままの菓子ありて二十個入りを購い帰る

雪吊りの名のみ借りたるYUKIZURIという菓子ありて買わず帰り来


_/_/_/ 未来3月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ ニューアトランティス欄 _/_/_/

 

 

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