真昼間に飲む缶ビールうますぎる ファミリーマートのゴミ箱の前
濡れながら乾くティーシャツ アスファルトばかり踏みつつこの街をゆく
つややかに碍子のならぶ変電所 選ばれたひとが入れるところ
町中の放置自転車あつめられ致し方なく咲くねむの花
くさび型の赤い車が行き過ぎる 制限速度をはるかにこえて
何となく入ってしまうブックオフ 一〇八円で買う哲学書
待つように言われて待っている間はみだしたいと思っています
ハンバーガーよりもポテトが高いということに納得できない夏だ
※ ルビ 碍子(ガイシ)
_/_/_/ 未来9月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ 笹公人 選歌欄 _/_/_/