ものわかりわるき男を諌めてはわれはにわかに苦味を帯びる
男たちぶらりぶらりと垂れ下がりたばこを吸いにパーゴラへゆく
ふらふらのからだとなりて帰りゆく午後五時五十五分の男
むこうずねの痛みたしかに感じつつわれはなんにも覚えていない
近づけば怯ゆる犬をこころ根のふかきところでわが笑いおり
揚げ物の中身何だかわからないけれどわたしはソースをかける
喧騒をふところ深くのみ込んでわたしの池は蓮をはぐくむ
ブロッコリースプラウトって言うときの声はじけてる春のRADIO
眠たいと思ったときに眠りたい午後のひかりはきな粉のごとし
黄桃はきみのまぶたのやわらかさ生クリームを添えていただく
_/_/_/ 未来7月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ ニューアトランティス欄 _/_/_/