雨のなか娘ふたりは浦安の夢のようなる国へゆくとか
すいているかもしれないね夢の国 雨の八月末日なれば
ゆるゆると黄色い車を走らせる娘ふたりをうしろに乗せて
ふわふわの娘ふたりを乗せてゆく久喜駅までをパジャマのままで
スティッチという青黒き生き物に下の娘は会いたいと言う
カリブの海賊には飽きるほど乗ってると上の娘は言いてにやける
早朝の稲垣吾郎はぎこちなく(今日の天気は)(雨)(のち)(くもり)
からっぽになってることを確かめる体を左にぎゅっとねじって
※ ルビ 体(たい)
_/_/_/ 未来12月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ 笹公人 選歌欄 _/_/_/