神の名を呼ぶをはばかるごとくにてGと呼ぶなり黒きあいつを
この星に四億年を生きているGはあるいは神かもしれぬ
黒きものましろき壁にしゃかしゃかと動いておれば騒ぐこころぞ
あるときは背にたたみしうすき翅ひろげてとぶは嗚呼おぞましき
Gを見るだけでもだめなひとといてわれはもっぱらGつぶすひと
のちの世はみずすましに生まれ変わりたしとつぶれる刹那にGおもうかも
一瞬でGを凍らすスプレーのあるとし聞かば試してみたし
一瞬にして凍りたるGあらば溶けたるときは動きだすかも
厚紙を組んで作られたる家に入らんとするGのそののち
蜂は刺す蛇はかみつくはてGは何するものぞ何もせぬのに
※ ルビ 背(せな)
_/_/_/ 未来6月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ 笹公人 選歌欄 _/_/_/