浦和から

浦和から古河までおおよそ五十キロ浦和高校生徒はゆくも

わが街の日曜の朝を走りゆく浦和高校男子生徒は

女子生徒ひとりも走っていなかったああ浦高は男子校なり

赤パンツ緑パンツ青パンツ学年ごとに色わけられて

全員がザックを背負って走ってるザックの中身がなぜか気になる

かどかどに保護者支援者立っている一人ひとりに声かけながら

寒くもなく暑くもなくて風もなく空はくもりで走るには良し

もし僕が今五十キロを走ったとしたら……なんて考えている

走るのに疲れて歩く生徒ありしかしとどまる生徒はおらず

がんばれと心のなかでつぶやいた走る彼らとそして自分に

公園で

公園でシャトルコックを打ちあってわずかばかりの風に笑った

ふりそうな感じののちに雨はふり芋の葉っぱをつよく打つのだ

_/_/_/ ＮＨＫニッポン全国短歌日和（１０月２４日放送） 題「打つ」 _/_/_/
_/_/_/ 一次選考通過作品として数秒のあいだ画面をよぎりました。（＾＿＾； _/_/_/

塗りたての

塗りたてのあなたの椅子の傍らにぼくは静かに立っているのだ

_/_/_/ 角川短歌１１月号　公募短歌館 _/_/_/
_/_/_/ 吉川宏志さんに選んでいただきました。（佳作） _/_/_/

できるだけ

できるだけ平たい石を選んでる父さんのほうが真剣になる

_/_/_/ ＮＨＫ短歌 １１月号（８月１日締め切り分） 題「石」 _/_/_/
_/_/_/ 今野寿美さんに選んでいただきました。（佳作） _/_/_/

ご無沙汰を

ご無沙汰をしまくっている友だちの自宅の前はしずかに歩く

_/_/_/ 夜はぷちぷちケータイ短歌（１０月１７日放送分） 企画「同級生」 _/_/_/
_/_/_/ 小島よしおさんに選んでいただきました。 （放送外） _/_/_/