麦畑

太陽と大地と海は調和するミックスナッツの袋のなかで

草を引く

2011-06-26 00:44:38 | 短歌

草を引く庭にはえてる夏の草 天気予報のはずれた朝に

腰いたいいちど曲がるとしばらくは曲がったままで歩くほかなし

わかるよね腰が曲がってしまったらひざも曲げざるをえないことは

地衣類とつわぶき残して草を引く十薬の根は切らぬよう引く

ハンミョウもクロオオアリも生きている僕の血を吸う蚊も生きている

広すぎる庭にはえてる夏の草 いいえそんなに広くないです

軍手には土の茶色がしみついていかにも軍手となりにけるかも

いしょっこてって昔じいちゃん言ってたな移植コテ持ちこもよみこもち

白式部・茗荷・紫蘭のエリアにて秋桜・蒲公英・杉菜を引きぬ

夏帽子 庭にはえてる夏の草 汗のにおいはきらいじゃないよ

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朝がたの

2011-06-22 22:27:25 | 短歌

朝がたの空に見えてる白いまるそれは月です月せまりくる

せまりくる月はおおきくなってゆくとなりの星に住むぼくの目に


真昼間の短い影はぼくの影ぼくにまとわりはなれない影

はなれない影をくっつけふらふらと芥子の花咲く真昼をあるく


冷蔵庫ぱかっと開けて永遠のつめたい風をうけていたいよ

いたいよと言えばいつでもひとりにて痛みはぼくのからだの一部

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いつか読む

2011-06-20 20:02:33 | 短歌

いつか読むつもりの本を重ねれば下のほうから土になってく

_/_/_/ NHK短歌 7月号(4月15日締め切り分) 題「重ねる」 _/_/_/
_/_/_/ 佐伯裕子さんに選んでいただきました。(佳作) _/_/_/

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もやもやと

2011-06-20 20:00:35 | 短歌

もやもやとしてる時間は労働と言えるだろうか技術者われの

_/_/_/ NHK短歌 7月号(4月15日締め切り分) 題「働く」 _/_/_/
_/_/_/ 坂井修一さんに選んでいただきました。(佳作) _/_/_/

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節電の

2011-06-15 17:08:12 | 短歌

    生活習慣病検診 (6月15日)

節電のために階段つかえとう立て看板はもの言わず立つ

受付にわれらはすわる昨日今日ふつかの便をむねに抱えて

紙コップひとりにひとつ渡されてせいいっぱいの尿をおさめる

針をさしどろどろの血を抜いている みたいだけれどこわいから見ない

血圧を測る機械ににのうでをしめあげられて苦しみはなし

レントゲン技師はわれらの息を止め管理区域に過ごすいちにち

みぎひだりCの切れ目の方向をわれ言うみぎと思えばみぎと

みぎひだりかすかな音の鳴るならばボタン押すとう単純作業

きゅうばんを胸のまわりに付けるならこころの動きわかるらしきも

豆を食え納豆を食えと医師は言うコレステロールのやや高きわれに

憂鬱のバニラの香りのバリウムをソーダでふくれた腹におさめる

バリウムに重くなりたる下腹によっこらしょって言うでもなしに

便を血を尿をとられてわたくしのこころの動きまでも見られて

そのうちに紙のいちまい届くらん神のおつげのごとく読むらん

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