夕暮れの歩道に横たわる猫の色黒ければあやしかりけり
黒猫にあらざる茄子が竹かごに盛られてあれば動くことなし
家娘のすこし巻き毛の黒髪が真青き色に変わりゆくまで
焼酎を親にかくれて舐めしこと鈴木雅之黒かりしころ
ごく普通のガラスのコップうつくしくその外側にしずくをむすぶ
ガラスコップと氷のなせる空間に芋焼酎をとろとろそそぐ
ピーナッツのナッツは豆で良いとしてピーは何かな飲みつつ思う
茫洋としたる心地の夏の夜に芋焼酎をとろとろそそぐ
_/_/_/ 未来12月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ 笹公人 選歌欄 _/_/_/