たてがみの柔らかそうな馬に乗る乗り換えなしの午睡のなかで
ハムレットにあらざるわれの逡巡はシャツをズボンに入れるか否か
木下道ゆきつつ思う木洩れ日をたまごボーロに例えしひとを
笹原は風がなければ絵のごとし縁に斑をもつ笹も混じりて
絶対に押すなよという姿にて池見るひとを押さずに過ぎる
園内にクシコスポスト流れくるピストルの音を伴いながら
石亀のおよぐ不思議を見ておれば空を飛ぶかもしれぬと思う
坂東の道はうねりを持ちながら百年前にわたしをはこぶ
助手席に帽子を乗せてゆく道はカーナビが知りわが知らぬ道
時として電波事情は悪くなり映画批評はとぎれとぎれに
_/_/_/ 未来8月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ ニューアトランティス欄 _/_/_/