さあ目地を磨いてくれと言うように使い古しの歯ブラシがある
風呂の目地磨けと言われわがみがく迷路のようなああ風呂の目地
洗濯機のホースに残る風呂の水じょろりこぼれて夏は来にけり
アクロンを水に溶かせば香り立つたぶんけものが嫌いなにおい
表地はウールすなわちけものの毛裏地はナイロン百パーセント
スーツから汚れが取れてゆくこともささやかな幸などと思えり
うつせみのスーツ陰干しかたちよし妻も娘もいない日はよし
購いてのち七年を経ておれば取れな皺も愛しきものぞ
_/_/_/ 未来８月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ 笹公人 選歌欄 _/_/_/
前記事の『お願い鈴木と呼ばないで』に載せた自作を載せておきます。
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◇ 題詠「鈴」
銀の鈴ゆらせばがらんと鳴るならん地下コンコースに小雨が兆す
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◇ 作品五首
さくらプロムナード
あきらめのように川辺のさくら花ぱらりぱらりと咲き始めたり
ひとりでは生きて行けないことわりの皮膚科のとなりに薬屋が添う
あたたかき缶コーヒーを飲み終えて口とがらせてふーとふく息
大鴉いよいよさわぐごみ捨て場わが劣勢を思いつつ過ぐ
パンくずをあらそい食らう鴨と鯉 橋の上からわれは見るひと
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『お願い鈴木と呼ばないで』という短歌作品集を作りました。
ネット上で行っている「鈴木歌会」参加者有志によるアンソロジーです。
配信形態はいくつかあります。
ネプリ・フリペ版； http://xfs.jp/NWax3 よりダウンロード。
キンドル版； アマゾンにて「お願い鈴木と呼ばないで」で検索。１００円。
冊子版； この記事へのコメントで申込み。頒価２００円＋送料。
どれも記述内容は同じですが、
キンドル版と冊子版にはスズキロクさんデザインの表紙が付きます。
多くのみなさまに読んでいただきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
