老酒にゆらゆらとける角砂糖世界の終わりを見ているみたい
からころと振れば音する角缶のサクマドロップスそのハッカ味
そこここにころがっている幸せのきれいに焼けているパンケーキ
三十年がんばっている冷蔵庫ときどき変な音たてながら
たましいの停留所には屋根があるたやすく蒸発しないようにと
ほそぼそとことば遊びをしてる間にああ還暦が近づいてくる
「柿の実よ甘~くな~れ」と唱えればわずかながらに渋抜けるかも
今はもうそうなっているのかもしれず核のボタンをダブルクリック
美術室のとなりは美術準備室閉じ込められている空がある
しまむらのワゴンにごろごろ置かれたる狂いたいのよの靴下の束
_/_/_/ 未来2月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ ニューアトランティス欄 _/_/_/