葛西臨海公園自然観察会(12月17日)習作21首
追いかけて左回りに追いつかずハシビロガモのつがいくるくる
群れになることを好んでホシハジロ双眼鏡のなかを泳げり
東京の海をわたってきた風に乾くのを待つトベラ赤い実
海のうえ小石のようなぷつぷつはスズガモですよ そうなのだろう
虫たちの勝手気ままに付き合ってハマヒサカキの花のにおいよ
遠い目で海をみつめてイソギクは黄色く咲いて茶色く朽ちる
帰るべき港はどこかハマユウの球根しろく根元にあまた
冬空に姿かたちを変えながらカクレミノの葉は悩んでいるか
むらさきの光る実つけてシャリンバイ花咲くことを忘れてしまう
ざっくりとエノキの枝は払われて立たされている感じに立てり
池のなか人工的に立てられた棒杭のうえをカワウは好む
センダンのきいろ丸い実のこされて美味しくない実のこされて 夢
そうやって恋人たちは化けるのかパンパスグラスのきつねのしっぽ
ヒヨドリはクロガネモチの赤い実をたべにきている 啼きすぎですよ
ふあふあの袋のなかに閉じこもりジグモは何を食べて生きてる
海辺にも植えつけられてサネカズラいにしえびとの髪のつややか
後の世も男時女時は分かたれてヤツデの雄花ヤツデの雌花
産卵のハラビロカマキリさかさまに力尽きたりビワの木の枝
仁丹に黒があるならこれだろうタンキリマメの実の黒光り
海風をさえぎるかたちイヌマキの赤い実の蜜青い実の毒
吹く風にしゃらんしゃらんと鳴りそうで鳴らないナンキンハゼ白い種
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