麦畑

太陽と大地と海は調和するミックスナッツの袋のなかで

木の花の

2017-12-29 15:10:10 | 短歌

 

木の花のぽたんと落ちて脇をゆくわれにいやしき詩ごころ起こる

オシロイバナ、キバナコスモス、桜木の下にあらそい咲きてうるさき

むきだしの蘂の黄色はみだらなりキク科の草のちいさき花の

枯れ花をあたまにつけてヒガンバナ待ち人来ずの姿に立てり

川沿いのコンクリートの遊歩道 川のかたちにゆらりと曲がる

六弁のましろき花のうつくしき君の名前を知りたしわれは

通り雨、どうしようかという顔に鷺立てりけり刈田の真中

カーラジオつけっぱなしのゆうぐれのそして九月の竹内まりや

ゆうやみは日光街道沿いにたつはちみつ屋さんに灯りをともす

霜のごとましろき花と葉を持てる銀竜草をむかし見たりき


  ※ ルビ  真中(まなか)


_/_/_/ 未来1月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ 笹公人 選歌欄 _/_/_/

 


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