上発地村から

標高934mぐらい日記

軽井沢ブランド

2015年08月28日 | Weblog
今日は白菜の防除作業から仕事が始まった。

去年までは必ず契約レタスの出荷をしていたのだが、今年の途中から二名箱詰できるスタッフが増えたため、出荷作業を任せて防除やその他の管理作業ができるようになった。いいタイミングで追肥したり草退治したり、中耕したり…

箱詰め作業は、詰めるテクニックと品質を見極める目が必要になるのでそれなりに大変な作業だ。
家族経営ではトップの親父さんがやって、息子には手を出させないみたいなところもあるだろう。
レタスの品質が問題無ければ誰が詰めても中身は同じ。あとは見た目綺麗に詰めればいいのだ。レストランの盛りつけみたいなもんだろう。オシャレに盛りつければそれなりに値段も高くできる。
ただ天候によってレタスは品質がブレる。1級品と2級品の間の1.5級品をどうしていくのかっていう問題がでてくる。
1級品のラベルを貼るのか、2級品のラベルを貼るのか。結局2級品のラベルを貼るのだが…

今日は午後、取引先市場の野菜担当者との立会のもと、出荷野菜の査定会があった。こんな感じの品質、箱詰め方法、選別基準で出荷していきましょうという、お互いのコンセンサスを確認する会議ということだ。

市場担当者はことあるごとに「軽井沢ブランドうんぬんかんぬん…」と、とにかく良品を安定出荷してほしいと言ってくる
「ブランド産地なんだからできるよね?」的な物言いでプレッシャーをかけてくるのだ。農家のプライドを利用したやり口にどうもカチンときて納得できないが、良品を一つでも多くというのは農家の目指すべきところであるのは確かだ。

商人の場合「すべてはお客様のために」というポリシーは正しいような気もするが、市場や仲買、小売りのいる農家の場合、ダイレクトに消費者につながっていないため、還元先がどこだかわからなくなってしまっている部分も少なくない。

お盆の村祭りの時、帰郷していた幼馴染と再会し、久々に長いことあれこれと話は盛りあがった。
彼は今福岡で暮らしているが、故郷の軽井沢のブランド力は素晴らしい、帰ってきても本当にいい所だと言っていた
野菜もブランドを前面に出して売っていけばいいんじゃないかと言うのだが、そこに俺は軽く反論した。

そもそもブランドなんて中身が無かったらすぐに消費者は見向きもしなくなる。中身とネームがそろってこそのブランドだろうし年々農業のやりにくい環境になっているなかで、軽井沢ブランドだけが独り歩きしたってしょうがないだろう。
実際軽井沢の農家は誠実だ。不断の努力と真面目な姿勢で品質を守っていると思う。

地元の流行ってる安くて美味くて良心的な食堂は決してぼろ儲けしていない、でも地に足付けて地域に寄り添い商売してるのだ。

軽井沢ナントカ ナントカ軽井沢 軽井沢産ほにゃらら…

ブランドは中身と並行して売っていけばいい。 発地は水位が高くて水はけがイマイチ、霧が多くて傷みやすいっていうディスアドバンテージもあるのだ。みんなが思うほどいいところばかりじゃない。

今日も一日中霧の軽井沢でした…

            今日の一曲  Amy Winehouse  「Back To Black」 
             https://www.youtube.com/watch?v=TJAfLE39ZZ8



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (オシガネ)
2015-08-28 22:52:57
実はオレも○○ブランドなんてものに辟易しているウチの一人だよ。やたら細いスーツ着たおにーちゃんが ブランディングが.........なんてしたり顔で言っているのを見ると虫酸がはしる(笑)
ブランド力があるなんていうのは、言い換えれば、中身は空っぽだけど、口八丁手八丁のお調子者の世渡り上手ってことだよね。
だけど、そんな言葉がはびこる背景には中身で判断しないで名前(ラベル)でその価値を判断したがる消費者にもっとも大きな責任がある。ほんとうにいものをつくっている者こそが正当な評価をうける世の中は生産者のやる気は変わってくるよね。
返信する
オシガネさんへ (やす)
2015-08-28 23:38:02
コメントありがとうございます。
本当におっしゃるとうりです。
頑張って ブランドと中身を守っている優良な会社や産地もあれば まさに口八丁でやっている エセブランドもあります。消費者や国民の質も問われると思いますが 作り手は真面目にやっていく姿勢を貫いていかないと そこが一番大事なところだと思います。
返信する

コメントを投稿