上発地村から

標高934mぐらい日記

生と死の妙薬

2009年12月28日 | 独言
農薬を使用する職業のため、普段から農薬について学ぶことは
必要だと思ってはいるのだが、化学はなかなか不得手分野なので難しい。
僕ら農業者の農薬に対する関心事というのは、まず第一に病害虫に対して効果が高いか
次に価格、最後に安全性といったところになってくる。

筆者は冒頭で「農薬と医薬は本質的に何も違いが無い」と主張している
農薬は「殺す薬」 医薬は「治す薬」というイメージを勝手に持ってしまっているというのだ。

農薬について、知らない→怖い→農薬反対→有機栽培賛成 といったムードにながされる
のは好ましくない
まず農薬について、少しでも知ろうとすることが大切だろうと思う。農薬に関して平易に解説
してくれる書籍が少ないのも事実ではあるが・・・

もう一点 本書を読んでチョットビックリしたのが、カリフォルニア大学のエームズ博士の研究だ。
「植物は動けないかわり、害虫や病原菌に対して、自ら防御物質を作って抵抗する」
「米国人が食物から取る種々の天然防御物質の総量は一日平均1.5gで、これは農
作物から摂取する農薬の一万倍以上である」
また
「これまで57種類の天然防御物質の試験で、27種類に動物への発癌性が認められている」
というのだ。これに関しては議論の真っ最中だそうだ。
筆者は安全性の確認された農薬を正しく使い、健康に育てられた作物を確保すべきだと主張する。

農業者は医薬を取り扱うぐらい慎重に、農薬を正しく使用する義務があるのだろう。
「生と死の妙薬」というのは昭和39年に新潮社から出版されたレイチェル・カーソンの著書の題名である。

         今日の一冊 ”農薬の光と影” 村本 昇

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