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一日一書 733 虫の音や・加舎白雄

2015-11-05 17:20:58 | 一日一書

 

加舎白雄

 

虫の音や月ははつかに書の小口

 

 

 

秋の夜、庭には虫の声がしきりとする。

月ものぼったころに、書物を閉じて灯火を消すと

わずかに差し込んだ月の光が書物の小口に照らしている。

 

そんな光景です。「小口」というのは本の背以外の三方の面。

紙の重なってみえるところです。

なんとも繊細な感覚の句。

「電子書籍」の時代には、こんな句はうまれませんね。

それにしても、どこか近代的な美で、

とても江戸時代の句とは思えません。

加舎白雄(1738~1791)には佳句が多くあります。

 

 

 

 

 

 


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