プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

樽葉町の帰還判断

2014-04-22 09:26:22 | 日記
 (NHKニュースによると)町の大部分が避難区域となり、早期の帰還を目指す「避難指示解除準備区域」に指定されている樽葉町は、国が実施していた生活圏の除染が先月終了し、期間時期を検討するために、住民の意見を聞く懇談会を始めました。

 初日の21日は、住民の8割が避難して来ている「いわき市」で開かれ、約60人の町民が集まりました。同懇談会で町側は、(除染後)住宅地の放射線量は(除染前の)約半分の0,44μSv/時に下がり、同町の有識者委員会は「住むことは可能」と判断したこと、町内に仮設の商店街が整備されることなどを報告しました。

 これに対し住民からは、「まだ放射線量が高い場所が残っていて、戻れる状況になっていない」、或いは「急がずに、慎重に判断してほしい」など、(当然だと思いますが)慎重な意見が相次いだそうです。

 町は、来月2日まで、県内外の避難先で懇談会を開催し、町議会とも議論した上で、来月下旬にも帰還の目標時期を決める方針とのことで、松本町長は、「住民の意見を聞いて判断し、戻る人も戻れない人も、生活再建ができるようにしたい」と話されています。是非そうして戴きたいと思います・・・

P.S.  0,44μSv/時ですと、年間被曝線量が約2mSvになります。厳重な放射線管理が必要な値の約2倍ですから、そもそも「帰還」云々以前の話だと(私は)考えています。「住むことは可能」との有識者の判断だそうですが、少なくとも「法的」には、そうした場所に国民を住まわせてはいけないということになっています。健康被害が危惧される中、何故帰還を進めるのか、私には理解ができません・・・

P.S.2 事故から3年が経ち、半減期が2年のセシウム134が半分以下になりました。原子力規制庁の調査では、2年前と現在の値の変化を比べると、平均的な減少の割合は約47%、その内、放射性物質が壊れて減っていく「自然減衰」分が約34%だったそうです。今後はセシウム134の自然減衰による放射線量の減少の影響も小さくなりますから、これから大きく線量が下がるとは考えられません。逆に、除染したのは家や道路だけですから、除染の効果が薄れ、(現在より)上昇する可能性が高くなっていると思います。住民の方が言われるように、「戻れる状況にない」というのが冷静な「判断」ではないかと思うのです・・・

P.S.3 政府が実施した「個人被曝線量調査」ですが、調査結果も隠蔽していましたが、調査をしたこと自体を隠していたそうです。しかも、中間報告を受けた昨年10月には、規制委員会の有識者会議が、被曝線量を従来の空間線量から個人線量計で管理する方式へ転換することを議論してた時期ですが、避難者や国民だけでなく、規制委員会にすら調査をしていることを明かしていなかったとのことです。放射線防護に詳しい獨協医科大学の木村准教授は、「結果を直ちに明らかにしていれば、自治体や住民はどう対応していくか、改善策を考えことができた」と指摘しています。情報を隠したまま、住民を帰還させることは、非常に大きな問題だと思います・・・

P.S.4 さらに、空間線量に0,7の係数を掛けて個人被曝線量を算定する政府ですが、これでは外部被曝のことしか考えていません。(生活環境によっても非常に大きく左右されますが)、内部被曝も試算に加えないと、(おおよその)被曝の状況すら分からないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年4月20日)