プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

脱「原発ゼロ」エネルギー基本計画

2014-04-12 11:34:25 | 日記
 安倍政権は原子力発電を、「運転コストが低く変動も少なく、需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置づけ、原発の再稼動(や新増設も)を含む新「エネルギー基本計画」を閣議決定しました。川内原発が今夏にも運転再開の見通しで、事実上、原発再稼動を止めることは(残念ながら)最早不可能で、多くの国民の声(願い)は潰(つい)えることになりそうです。

 しかしながら、課題は山積しています。玄海原発では、あと3年運転すると使用済燃料の貯蔵庫が満杯になるとのことです。他の原発も似たようなものです。(今後国が全面に立って取り組むそうですが)未だ最終処分場は何処にもありません。「『安全神話』に陥り、十分な過酷事故への対応ができず、悲惨な事故を防ぐことができなかったことの反省」を口にしながら、(地震によるサプレッションルームの損壊など)事故原因すら明らかになっておらず、また東電や政府の対応に関する情報すらまともに開示されず、況(いわん)や、過酷事故時の実効的な避難計画すらありません。3号機からの逆流で独立した4号機建屋の「反省」に立てば、独立したベントラインは「必須」ではないのでしょうか?彼ら何を「反省」したというのでしょうか?国にも電力会社にも、原発を運転する「資格」があるとは到底思えません。

 危険な「もんじゅ」も維持するそうです。廃炉どころか、(にわかに、「旧科学技術庁」村が予算を取るために言い出したそうですが)「放射性物質を減らす技術の国際的な研究拠点」にするそうです。しかし、放射性物質の減量には、燃やす放射性物質を「分別」し、燃料に「加工」する技術が必要だそうです。しかし未だに六ヶ所村の再処理工場は止まったままでプルトニウムを取り出すことすらできていません。今後もできないでしょう。MOX燃料も、これまでイギリスやフランスに作ってもらっていました。それも品質が悪く、安全性に懸念があったうえに、安全性を示すデータも改竄されていました。六ヶ所村のMOX燃料加工工場も4度目の延期で、工場すら完成していません。

これでも「再処理やプルサーマルを推進」すると同「計画」は謳っています。「夢」の高速増殖炉は既に破綻しているのに、さらに技術的に未知で困難な「夢の夢」を追い続けるというのでしょうか?ちなみに、先の「分別」「加工」は、「放射線が強く遠隔操作が必要で取り扱いが難しい」、しかも、仮に「分別」「加工」できたとしても、「一度燃やして減るのは1~2割。繰り返し分別、加工して燃やす仕組みが必要で、新型の原発や再処理工場も建てなければならない」そうで、高レベル放射性廃液のガラス固化すらできない現状で、そのような「夢の夢」を追い続け、その付け(税と危険の負担を)国民に押し付けるのは、止めて戴きたいと思うのです・・・

P.S. 同「基本計画」は、将来の原発の割合にするのか、再生エネルギーをどれだけの割合にするのか、曖昧な文言ばかりで具体的な目標値が示されていないそうです。新規参入した企業の幹部は、「エネルギーミックス(の具体的な数値)が示されれば、もっと投資を加速できるのに」と言っているそうです。景気高揚に資する最も重要な「設備投資」が、曖昧な計画が阻害しているのです。基本計画に具体的な数値目標がないことに対して、新潟県の泉田知事は、「極めて異例の計画。そもそも計画なのか」と指弾しています。蓋(けだ)し、言い得て「妙」だと思います・・・

P.S.2 「生命より経済優先なの?」、いわき市から京都市に子ども2人と避難した女性は、地元に残た旦那さんとは別居、同居していた実母とも別れて暮らしています。「家族、地域、友達、子どもの学校、全部バラバラ。原発に依存すると危険なのは明らかなのに」と。「何故、なし崩しで再稼動するの?」と訴えるのは、南相馬市から京都府宇治市に避難、移り住んだ女性。「将来は不安ばかり」だと見通せない不安な心境を吐露されています。50キロや100キロ離れていても、原発があれば、不安は拭い去れません。危険といつも隣り合わせでいることに違いはありません。ましてや、事故を経験した方々に、避難を余儀なくされた住民の方々は尚更だと思うのです・・・

P.S.3 1万4千点を超える点検放置問題があった「もんじゅ」ですが、さらに新たに9点の点検放置が見つかりました。実は点検チームは2つあり、それぞれが点検を実施する「ダブル・チェック体制」になっていたそうなのですが、一方のチームが点検していたために、規制委員会への報告では「未点検」とはしなかったとのことです。放置は問題外ですが、(確かに「未点検」ではありませんでしたが)自らが決定した点検のやり方、「計画」を反故にする日本原子力研究開発機構への信頼はさらに揺らぎます。自ら課した点検すら行なわない日本原子力研究開発機構、運転再開の「準備」すら規制委員会に停止させられている日本原子力研究開発機構、そこが世界的な「拠点」となることができるとは思えないのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年4月12日)