プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

野鳥の放射能汚染

2013-03-08 15:05:26 | 日記
 昨夜のNHKで、福島の野鳥の放射能汚染について特集をしていました。(以下、要約してご紹介します)チェルノブイリでは、事故後、(染色体異常でしょう)羽毛の色が変色する「部分発化」が5倍にもなったり、尾羽の左右の長さが違う鳥が増えました。「日本野鳥の会」では、福島第1原発から約60キロ離れた福島市で、生きた野鳥の体内汚染の調査を実施、コゲラやルリビタキの放射線の濃度を測定しましたが、どちらも検出限界以下でした。周りの空間線量は1.4μSv/時とかなり高く、その影響かもしれないとことでした。(簡易な測定方法なので、測れていない可能性が高いと思われます)

 そこで、死んだ鳥の死骸をゲルマニュウム測定器で測ると、シジュウカラの死骸から10ベクレル、キロ当たりで換算すると730ベクレルものセシウムが検出されました。放射能汚染された虫を食べている為と思われます。また、鳥が作った巣の材料である苔や泥を測定すると、約20グラムで2万5、800ベクレル、キロ換算で129万ベクレルもの数値が検出されました。苔は放射性物質を濃縮させると言われていますが、(非常に残念なことですが)同市の自然環境が深刻な放射能汚染に蝕まれているという現実が見えてきます。

 これまでも福島を訪れ、野鳥の調査・研究をしているアンダース・メイラー教授(米国)は、(高濃度に汚染された巣の中で、)孵化までの2週間を過ごし、その後も高い放射線を浴び続ける鳥に、(サンプル数はまだ少ないのですが)異常が起きる可能性があるとの見解を示されました。鳥は世代交代が早く、放射能の染色体等の遺伝子に与える影響がいち早く現れます。山林を除染できない(しても効果が見込めない)以上、モニタリングを続けながら推移を見ていくしかないのでしょう・・・

P.S. 福島市の深刻な放射能汚染について、市はこれまでに除染を行なってきました。市内から20分ほどの山間部にある大波地区では、土を剥ぎ取って覆土するなどして、毎時2.9μSvあった線量が0.4μSvに落ちています。(引用は『朝日新聞』)「地区内の住宅109戸の平均値(12年2月)では、玄関先の放射線量は毎時0.8μSv」でやはり依然高い数値です。住民の方からは、「もう一度除染して欲しい」との声が出ているそうで、国は避難し人のいない場所を除染する前に、住民が今尚住み続けるこうした地域での、(方法を模索しながら)何度でも徹底的に、そして集中的に除染を実施する支援をすべきだと思うのです。鳥に顕われた異変が、人に顕われる前に、(自治体任せにするのではなく)国が主導して是非行なって戴きたいと思うのです・・・

P.S.2 被曝の実態調査について、福島県医師会副会長の木田医師は、「事故後4ヶ月の外部被曝の推計調査に参加したのは県民の2割強」、「県が県立医大の委託して行なっているが、なぜ推計が必要か、きちんと県民に説明していない」、本来なら「健康影響を見守る調査は、何十年も継続が必要。県外への転出者が多いことなども考えると県の手には負えない。国が責任をもち直轄事業として行なうべきだ」と提言されています。特に戦後原発行政を強く推進してきた自民党には、その重い責任を果たすべきだと思うのです・・・

P.S.3 一方、国や県への不信を隠さない浪江町の馬場町長は、2年に1回の甲状腺検査を1年に1回とし、放射線健康管理手帳を全町民に配布、さらに今年から染色体検査を始め、染色体異常の有無を確認するそうです。非常に大切なことだと思います。また、被曝線量の推計が大切なのは、「線量が不明では、将来癌が発生しても、被曝が原因か判断できない。癌を診察しても原因は分からない。集団で発生率を比べて初めて、被曝の影響がわかる」のです。癌だけではありません。他の様々な疾患の発生率が有意に高ければ、被曝との因果関係が証明されます。被曝線量によって、罹患との因果関係が立証される大きな判断材料になります。その意味でも、(不安や恐怖心はあると思うのですが)できるだけ多くの住民の方の検査参加が必要だと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年3月8日)