プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

爆心地での癌リスク

2013-03-06 11:08:24 | 日記
 広島大学原爆放射線医科学研究所の研究によると、「(広島の)爆心地から1.2~2キロで被曝した人(2万1、468人)のうち、白血病を除く癌で死亡した人は2、220人」、「同時に、初期放射線だけを最大限浴びたと仮定した場合の死亡リスク場合の死亡リスクも計算し、比較した」結果、「爆心地から離れるにつれて放射線量が急激に減るため、(原爆の爆発による)初期放射線だけを浴びた場合の計算上のリスクは下がっていたにもかかわらず、現実には殆ど低下していないことが分かった」とのことです。(以下、引用は『朝日新聞』)

 同研究グループは、癌のリスクに関して、「初期放射線の影響は3割以下で、(飛び散った原爆の残骸等からの)残留放射線や(飛散した放射性物質を吸い込んだり、飲料水や食物から取り込んだ)内部被曝など、他の要因が7割以上と結論付け」ました。「土中や空気中の放射性物質を取り込んだり、『黒い雨』を浴びたりしたことなどが影響している」とし、被曝線量は「被爆後に外を歩いたり、水を飲んだりしたかなど、被爆直後にどう行動したかが関係する」と大瀧教授は述べています。

 つまり、広島の被爆者は、原爆による初期放射線の「被爆」と、放射性ガレキからの残留放射線による「(2次)被曝」、そして「黒い雨」による外部(3次)被曝、さらには、飛散した放射性物質による「内部被爆」の4重の「ヒバク」をしていることになります。原爆症認定において、個人の被曝線量を推定する為に使われている認定式「DS02」は、「残留放射線」の影響すら加味しておらず、「黒い雨」の被曝や内部被曝は全くの考慮外です。

これでは、正確な被曝量を算定することは事実上不可能です。同教授は、「放射線を出す物質がどう分布していたか当時のデータを集める必要がある」と提言されていますが、(推計は困難でも)黒い雨による被曝、内部被曝の推計をし、被曝量を算定した上で、(未だに進まない)認定作業を行うべきだと思うのです・・・

P.S. 昨年4月に新しい食品の放射能基準値が決められ、その後14県で新たに130品目余りが出荷停止、日本生活協同組合連合会が18都県(671件)で行なった食事調査では、98%が検出限界(1キロ当たり1ベクレル以下)、検出された12件の最高が4.2ベクレルだったとのことです。ただ、(一般食品で言えば)100ベクレル以下の放射能汚染食品は流通しているわけです。また保管されている汚染米等、本当に流通していないのか、強い懸念を感じます。さらに、100ベクレル以下ということで、出荷停止解除された品目も多いとのことで、不安が払拭されることはありません・・・

P.S.2 南相馬市で被災後もクリーニング店を経営する女性が、「経済合理性と原発の是非を、一緒に考えてはいけないと思います。皆さんの地域で原発事故が起きたら、同じ情況に陥るのです。ふるさとを離れなくてはならないかもしれない。あらぬ風評被害もうけるでしょう。そんなリスクがあるものを使って発電することに、経済価値ってあるのでしょうか?」と訴えられておられます。その通りだと思います。多くの国民にとって、「経済価値」などありません。負担ばかりが強いられるだけです。やめて欲しいと願うばかりです・・・


P.S.3 それでも、原発村の面々だけでなく、その「釜の飯」に与る人も少なくはないのです。(今月の朝日新聞の調査では)福島県内の人でさえ、原子力発電を利用することに賛成」する方が19%もいます。(反対64%)全国では、賛成がなんと37%(反対46%)もいるのです。署名を求めても、協力してくれないはずです。それでご飯を食べている人は、賛成するしかないないのです。その人たちを責める資格は私にはありません。勿論、日本政府は原発を止めるつもりはありません。輸出も止めません。また、(結局はTPPに引き摺り込まれたように)米国をはじめとする核大国の核戦略から逃れることが出来るとも、到底思えません。(矛盾していますが)それだからこそ、私は原発廃止を願っているのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年3月6日)