プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

国連の甲状腺被曝推計

2013-03-01 11:16:27 | 日記
 国連の科学委員会が、福島第1「原発から30キロ圏内の1歳児の甲状腺の内部被曝を平均50mSv未満と推計」しました。(以下、引用は『朝日新聞』)これまでWHOが出した推計値の約半分であり、甲状腺被爆の防護剤を飲む国際基準50mSvには達していないということになります。ちなみにWHOの推計方法は、避難指示の遅れた「20キロ~30キロの住民の避難は、事故4ヵ月後トン想定で、吸入のほか飲食も考慮」、一方国連は呼吸による吸入しか考慮していません。事故後も高線量であることを知らずに、住み続けた住民の方々は、当然現地の作物を食べていたわけですから、食物摂取による被曝を考慮するのは理に適っていると思います。

 国連の言うように、本当に被曝量が半分と言うのなら、その方が良いに決まっています。しかしそれだと、(因果関係は認めていませんが)既に甲状腺癌のお子さんが3人、疑いがある子どもが7人もいることが、逆に低線量でも癌が発症するという、これまでの知見を揺るがすデータとなってきます。WHOは、「人々の健康を守るのが使命。線量を過小評価しないよう慎重に推計するのは当然」と反論していますが、いずれにしても、被曝と癌発症の因果関係を認めなければ、被曝線量が半分だったと「過小評価」したいが為の推計のように思えて仕方がありません。

 WHOが出した推計によれば、「浪江町の1歳児の甲状腺被曝線量は100~200mSv、それ以外の福島県の1歳児は10~100mSv」です。放射性ヨウ素の被曝に関しては、推計するしかありません。被曝に関しては、個人差がありますす、被曝情況に大きく左右されますから、個人的に被爆量の多い子どもや、低くても感受性の強いお子さんでは、健康への被害を懸念せざるを得ません。それも、今後、明らかになっているはずですが、(本当のところは分かりませんが)そうした事実を打ち消す、或いは機先を制するような「推計」に、戸惑いを感じるのです・・・

P.S. 依然収束からは程遠い福島第1原発ですが、放射能汚染水は毎日数百トンずつ増えているとのことです。現在タンクに溜められた汚染水は約23万トン、建屋地下にも約10万トンあるそうで、計33万トンもの汚染水があります。タンク数は現在約500、東電は2015年までに敷地南側に70万トンまでタンクを増設する予定ですが、この状況がいつまで続くのか、先は全く見えてはきません・・・

P.S.2 福島第1原発から汚染水が漏れ出している専用港の網に掛かったアイナメから(キロ当たり)51万ベクレルものセシウムが検出されました。唖然とする数値です。港内には、放射性物質が高濃度に堆積しているのでしょう。この放射能汚泥を浚渫しないといけません。(海側に矢板を打つ計画がどうなってしまったかわかりませんが)港の外側にもう一つ外壁を造って、内湾を浚渫して、流出した放射性物質を少しでも回収する必要があります。大変な作業です。でも、放置してよい事ではないと思うのです・・・

P.S.3 マザー・テレサは「愛」について、「誰でもが黙想と、祈りと、犠牲の精神を通し、強い内的生活によって、この愛に至ることができる」と言われています。また「祈ることを愛しなさい。日中たびたび祈りの必要を感じるようになさい。・・・祈りは心を広くして神ご自身という贈り物を受け取ることができるようにする」として、シスターに祈ることを強く勧めています。この祈りがないから、私などは不用意に人を傷つける言葉を発し、心無い行動をしてしまうのでしょう。しかしこの祈りも、堅固な神への信仰があるから可能なのでしょう。私には、(致命的なことですが)この信じる心が欠けているように思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年3月1日)