顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

散歩道の植物…晩夏

2016年08月14日 | 散歩

いたるところに蔓延るクズ(葛)の花は秋の七草です。「蔓延る」という漢字が「蔓」が「延」びるとはまさしくその通り、盛夏には1日で1m程も伸びると言われるほど成長し、太い茎を伸ばして繁茂する害草になっています。根には大量のデンプンが貯蔵されており、これからクズ粉を採りますが、一般に流通している葛粉は、芋などのデンプンを混ぜたものが多いようです。なお、春先の新芽新葉は、天ぷらにすると美味です。

ナツズイセン(夏水仙)は、スイセンの仲間ではなくヒガンバナ属、葉っぱの形がスイセンと似ており、夏に花を咲かせるのでこの名前があります。また開花時に葉っぱがないので、ハダカユリの別名、英名ではマジック・リリー(magic lily)というそうです。

ギボウシ(擬宝珠)の花が散りかけています。春先の若葉がウルッパ(ウルイの葉)として美味しい山菜ですが、バイケイソウ(梅蕙草)という毒草に似ているため、よく誤食事故が報道されています。この近辺では、相当山間部に入らないとバイケイソウは見当たらないので安心ですが…。

シソ科の植物は難しい、種類も似ているものも多くて…調べたらイヌゴマ(犬胡麻)がよく似ていましたので、そういうことにしてしまいました。実がゴマの実にそっくり、食用にならないので、名前にイヌを付けました。

葉の右半分だけが黄色くなっています。自然はいろんなイタズラをしているようで、見つける楽しさもあります。

ゴールデンウイークに田植えした田んぼでは、稲穂もすっかり垂れ下がりまもなく収穫期を迎えます。ここは米どころ、早い田は今月末には稲刈りが始まり、コシヒカリの新米が市場に出回ることでしょう。

葛の葉をふみ返したる別哉  正岡子規
道果てて虚空をつかむ葛の蔓  顎髭仙人