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顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

ハマギク…海岸の断崖に咲く

2020年11月11日 | 季節の花

ハマギク(浜菊)は茨城県から青森県の太平洋岸に自生すると図鑑に出ている野菊です。
野菊の中では最大の6~8センチほどの純白の花を秋に咲かせ、海岸植物に多い肉厚の葉に太く木質化している枝…、多年草でなく亜低木と分類している図鑑もあります。
丈夫で手のかからないため庭園にも植えられ、江戸時代初期の園芸書「花壇綱目」にも浜菊の名で掲載されています。

ここは茨城県の北部、高萩市の高戸小浜という渚百選に選ばれている海岸で、江戸時代の頃から景勝地として広く知られており、明治後期には、横山大観・岡倉天心・野口雨情などの多くの文化人が訪れています。

海岸の岩は凝灰質泥岩、柔らかい土質なので波に洗われてどんどん痩せていき、さらに東日本大震災でも大きな剥離崩落がありました。そんな岩場でもしかりと適応しています。

断崖に生える白いハマギクが、コンデジの望遠で見えるでしょうか。黄色い花は、同じ環境で自生するツワブキ(石蕗)です。

ツワブキは、蕗に似て艶のある葉から名が付いたという説が有名ですが、漢字の「石蕗」の由来は、海岸の断崖の岩や海辺の石の間に自生することから付けられたといわれます。

集ふとはたのし鴎も浜菊も  岡本眸
浜菊や波の飛沫の届く岩  北村古志
地軸より咲きし色なり石蕗の花  原 石鼎
つはぶきの花へうしろの浪の音  鈴木蚊都夫

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