春の花もひと段落してもうすぐ梅雨宣言が出そうなこの時期…、庭や道端、公園などの花と会話をしてきました。

フタリシズカ(二人静)がヒトリシズカより1か月も遅く咲き始めました。共にセンリョウ科に属する近縁種です。2本の花穂を静御前とその亡霊の舞う姿になぞらえたものといわれますが、花穂の数が多く三人や五人の姿も見られますので、静かでなく姦し(かしまし)とでも言うのでしょうか。

シャリンバイ(車輪梅)は海の近くに自生し、乾燥や風に強いため、公園や街路に植樹されています。

チガヤ(千萱)はイネ科、白い穂が出る前の若芽をツバナといって少年時代によく食べました。

最近見かけるようになったオルラヤはヨーロッパ原産のセリ科、レース模様の白い花が上品ですが、我が家からのこぼれダネで隣地の空き地に何株も出てしまいました。

雑草の中に咲いていたオオアマナ(大甘菜)、甘いという名前でも有毒植物です。鱗茎が甘く食用にできるユリ科のアマナに似て大きめの花だから命名されましたが、紛らわしいですね。

コマツヨイグサ(小待宵草)はマツヨイグサの仲間で小型のもの、周りを埋める小さな黄色い花はコメツブツメクサ(米粒詰草)でどちらも外来種でどんどん増えています。

公園でチチコクサ(父子草)の群生…母子草に比べるといたって地味なのは人間社会と似ています。

水辺を埋め尽くす白い花はクレソン、別名オランダ辛子です。主に葉を食べますが、花も食用になるそうです。

人の顔?ミッキーマウス?…江戸時代に人面草とよばれていたこともあるパンジー…、これはビオラですがどちらもヨーロッパや北米を原産とする三色スミレの原種を交配してつくられ、一般的には花の大きさが4㎝未満をビオラというようです。

ムラサキの名が付くのに白い花も咲く2種…、ムラサキツユクサ(紫露草)はアメリカ大陸原産ですが現在では野性化が進んでいるようです。園芸品種の白花はムラサキツユクサ白花として出まわっています。

シラン(紫蘭)はもともと草原などに自生していましたが、現在野性のものは絶滅危惧種です。栽培種の野性化も見られ判別は難しいようですが、白花はシロバナシラン(白花紫蘭)という名前で園芸サイトに出ていました。

ジギタリスにはいろんな色があるようですが、紫色の花のそばに今年はピンクの花が咲き出しました。

芝生をびっしりと覆う3種の外来種、黄色い小さな花はコメツブツメクサ(米粒詰草)、白い花はシロツメクサ(白詰草)、すっと伸びているのがツボミオオバコ(蕾大葉子)…他の植物は姿も見えません。
外来種がどんどん増えていますが、特にこのオオバコの仲間の2種は環境省指定の要注意外来生物に指定されています。

開花してもつぼみのように見えることから名が付いたツボミオオバコ(蕾大葉子)は、繁殖力が極めて旺盛で空き地や道端をすぐに覆い尽くしてしまいます。

細長いへら状の葉から名前が付いたヘラオオバコ (箆大葉子)は、ヨーロッパでハーブとして食用や薬用に利用され、家畜用飼料としても栽培されているということですが、その強い繁殖力で在来種の生息環境を奪っています。

公園の中でヘラオオバコ (箆大葉子)とツボミオオバコ(蕾大葉子)が我がもの顔で共存しています。

在来種のオオバコ(大葉子)は、カエルッパといって花柄を引っかけてどちらが切れるか引っ張り合って遊んだ記憶が残りますが、場所によってはあまり見かけなくなっています。

気分を変えて偕楽園公園の月池橋に咲いていたハコネウツギ(箱根卯木)、太平洋岸に自生していますが名前に付いた箱根での自生は見られないそうです。

エゴノキも今を盛りに咲いていました。長い葉柄を持つ花が枝の先にぶら下がるように咲く姿から英名ではJapanese snowbell といわれます。
偕楽園公園のウメも鈴生り…来月中旬に行われる梅落としでは豊作が期待できそうです。

まもなく「梅の実が熟す頃に降る雨」…「梅雨」が北海道を除いた日本列島を覆います。ジメジメしたこの嫌な季節も、水資源や農作物には欠かせない自然の仕組みになっているので、降り過ぎないことを願って今秋の豊作と米不足解消を期待しましょう。
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