
日本中がゴールデンウイーク、毎日がGWの身は渋滞の邪魔にならぬようステイホームを徹底し、せめて家の周りや人気のない近所の公園で花を撮りながら過ごしています。
この秋の「goo blog サービス終了」…この辺で引退も選択肢の一つですが、いずれにしてもまだ半年以上あるので焦らないで考えます。ネットの情報では、先行して移行した方の情報をもとに、さらに使いやすく改善した手順が提供されるかもしれないとも出ていました。

さて、連休前に撮った公園の藤棚がちょうどいい咲き加減でした。

藤は古くから日本人に親しまれた花で、万葉集でも26首詠まれています。
かくしてぞ 人は死ぬといふ 藤波の
ただ一目のみ 見し人ゆゑに
万葉集 巻12-3075 作者未詳
(このように人は恋い焦がれて死ぬものだという、藤のように美しい人を一目見ただけなのに。)

仙人の終の棲家は、約60年前に山を切り開いて造成された小さな団地ですが、わが部屋の窓からも梢で咲く藤の花が見えました。

シロヤシオ(白八汐)は、五枚の輪生する葉から、ゴヨウツツジ(五葉躑躅)ともいわれ、栃木県方面の山行でよく目にしましたが、絶滅危惧種に指定している自治体も多いようです。

ムサシアブミ(武蔵鐙)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草、花(肉穂花序)を包んでいる仏炎苞という苞(葉の一部)が大きく変化した形が武蔵の国で作られた馬具、鐙(あぶみ)に似ていることから名が付きました。

同じ仲間で仏炎苞に囲まれた花のマムシグサ(蝮草)、茎の根元のまだら模様が毒蛇マムシに似ているので恐ろしい名が付けられてしまいました。もちろん全草にシュウ酸カルシウムなどを含んだ毒草です。

ミズバショウ(水芭蕉)も同じ仲間、この写真は3月に偕楽園の吐玉泉付近の水辺で撮りました。

ガマズミ(莢蒾)の花、少年の頃にはこの赤い実をヨツズミといい食しましたが酸っぱさだけが記憶に残っています。

ウズラバタンポポ(鶉葉蒲公英)は、葉がウズラの卵の模様に似ているので名付けられました。

ミヤコワスレ(都忘れ)は、承久の乱で北条義時に敗れて佐渡に島流しされた順徳上皇が、この可憐な花を見て「恋しい都も忘れられる」とつけられた名前とされています。

先人はぴったりの名を付けたものです、タツナミソウ(立浪草)。葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」のような姿に感心してしまいます。

白いタツナミソウもありますが、どちらもこぼれ種でどんどん増えるのでそのうちに庭を覆ってしまいそうです。

我が家の庭は山を削って造成した粘土質のため草木にはいい環境ではありませんが、このタカネエビネ(高嶺海老根)だけには気に入って貰えたようで年々株が増えています

こちらはジエビネ(地海老根)、この近辺で自生する種ですが、山歩きで出会ったことはありません。
同じラン科のキンラン(金蘭)、ギンラン(銀蘭)を撮りに大きな住宅団地に隣接した自然のままの緑地公園へ、ほとんど人影は見当たりません。出ていました!適度な陽のあたる林の中に…絶滅危惧種に指定されている可憐な蘭が、街の中の公園で存続しているのを見て嬉しくなりました。

興味がなくて気付かないのか?それとも家に持ち帰っても生育しないということを知っているから?

キンランギンランは、特殊な土壌の中の菌根菌(きんこんきん)という鐘の音のような名前の菌と共生して生きているので、持ち帰っての栽培は極めて難しいとされ野草店でも取り扱いはありません。この情報が広く理解され、そっと見守るだけにしておきたいものです。

ところでこの緑地公園で、見慣れぬ花を見つけました。Googleレンズで調べるとアリウム・トリケトラム、帰化植物で「三角葱(ミツカドネギ)」という和名まで持つ植物でした。繁殖力が強く野性化しているそうなので、やがてはこの一帯にも蔓延るかもしれません、可憐な花なのですが…。
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