顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

水戸の梅まつり…偕楽園の4つの梅林

2024年02月12日 | 水戸の観光

2月10日より水戸の梅まつりが始まりました。地球温暖化のせいで年々開花が早まったため、少しずつ前倒しになり今までより10日ほど早めの会期になっています。偕楽園公園センターの発表では園内の開花はやや早めで開花率は約30%と出ていました。(写真は早咲きの八重寒紅です。)


ところで主役の梅林は、偕楽園開設当時からある本園の東西梅林の他に、南側にある沖積層の低地にも3つの梅林、「田鶴鳴(たづなき)梅林」「猩猩(しょうじょう)梅林」「窈窕(ようちょう)梅林」が造られています。


そのひとつ、「猩々梅林」は、この梅林の西側にある小高い丸山の上に、2代藩主光圀公が中国の詩人陶淵明を慕い「淵明堂」を建て、酒を愛した詩人を偲び、堂の壁に猩々(しょうじょう)の絵を描かせたので別名「猩々堂」とも呼ばれた故事に因んで名づけられました。

その「猩々梅林」の梅の花を撮ってみました。


一番早咲きの梅、八重寒紅はすでに満開を過ぎています。奥に見える「田鶴鳴梅林」でも紅白の梅が咲き始めています。


同じく早咲きの八重冬至も満開、偕楽園内のお休み処、好文亭は南側の木を何本か切り倒したので遠くからよく見えるようになりました。「猩猩梅林」から「田鶴鳴梅林」へ…二つの梅林をつなぐ沢渡川の橋は「花追橋」とい風雅な名前が付けられています。


水戸の六名木「月影」は人気のある青軸性の銘花で、青白い花に咢や枝が緑色で名前にぴったりの咲き方といわれています。


同じ六名木の「虎の尾」です。黄色い雄しべが目立っていますが、名前の由来説はいろいろありその一つに雄しべの曲がり具合が虎の尾のようだというのもあります、真偽不明ですが。


濃紅色の代表「鹿児島紅」は、結実しない観賞用の花ウメです。


満開になると滝が流れ落ちるようだという「白滝枝垂れ」も咲き始めていました。


「唐梅」は、咲くにつれて花弁の縁が白くなってくる覆輪という咲き方です。雄しべの一部が花弁に変わる現象「旗弁」が写っています。


「八重海棠」は、下向きに咲く海棠に咲き方が似ているのでの命名という説もあります。杏系でも結実します。


「南高梅」…いまや実梅の代表種で和歌山県産、苗を発見した高田氏と育てあげた南部高校の教師と生徒に因んで名前が付けられました。


梅林の中でロウバイがまだ咲いていましたが、さすがに主役を奪われたような顔をしていました。

桜の花は離れて木全体を眺めるほどボリュームがありますが、梅の花は近寄って香りをかぎ、花の違いをじっくり鑑賞し、名前を付けた先人に思いを馳せたりするのも一興です。
これから100種以上の梅が花を咲かせる偕楽園ですが、混雑の少ないこちらの梅園はゆっくり花を観賞する方にはおすすめです。しかも、入園料もありません。(まつり期間中は周辺駐車場が有料になります)

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