顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

小さな栗の実

2016年09月21日 | 俳句
散歩道のアスファルトに落ちた栗、少し演出を加え並べ替えて撮りました。芝栗という山野に自生する小さなヤマグリ、縄文時代から食用にされ、その木は柱などに使われたことが遺跡で証明されています。甘みは強く美味しいけれど何せ皮を剥くのにも一苦労です。しかも、拾って置いておくと虫が湧き出して来るように出てきます。

栗は、たんぱく質やビタミン類、ミネラルをバランスよく含む、非常に栄養価の高い食品なので、この栗を病床で苦しむ正岡子規に弟子の長塚節が毎年送っていたという逸話があり、その句も残っています。明治35年9月19日、子規の訃報が届いた時も、節は子規に送る栗を拾っていたとか、やがて子規と同じ結核で36歳と言う若さでこの世を去ります。

真心ノ虫喰ヒ栗ヲモラヒケリ  正岡子規
(この句には「節ヨリ送りコシ栗ハ実ノ入ラデ悪キ栗也」の添え書きが付いています)
ポケットの楽しき重さ栗拾ふ  山田弘子

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